F1:2年目の韓国GP、膨らむ赤字

 自動車レース、フォーミュラワン(F1)の今季第16戦、韓国グランプリ(GP)が14‐16日に全羅南道霊岩郡三湖邑で行われた。全羅南道によると、2年目となる今年も収支は600億ウォン(約40億円)台の赤字が見込まれている。2016年まで毎年レースの開催を決めている全羅南道は、来年にも開催権料など600億ウォン以上を支出する予定で、赤字はさらに拡大するとみられる。

 道によると、今年のF1の総費用は940億ウォン(約63億円)に達する。しかし、興行収益が最大300億ウォン(約20億円)にとどまる見通しで、600億ウォンの赤字が避けられない状況だ。巨額の開催権料などが赤字の原因として挙げられる。道は16年まで7年間、F1を開催するという条件でF1の運営機関、フォーミュラワン・マネジメント(FOM)に開催権料、テレビ放映権料を支払わなければならない。今年はFOMに開催権料480億ウォン(約32億円)、テレビ放映権料160億ウォン(約11億円)の計640億ウォン(約43億円)を支払った。それに加え、300億ウォンの運営費も掛かった。FOMへの支払い費用は毎年10%ずつ増額される契約となっている。

 道は昨年、70億ウォン(約5億円)の赤字を予想した。しかし、コースの建設に3000億ウォン(約200億円)以上掛かったのに加え、FOMへの支払いが膨らみ、昨年の赤字は962億ウォン(約64億円)に達した。

 赤字拡大に対する懸念は、国会での国政監査でも指摘された。今年、全羅南道の国政監査を担当した李明洙(イ・ミョンス)国会議員(自由先進党)は「今年の大会を含め、16年までに3893億ウォン(約260億円)の赤字が予想される。ばら色の予想とは異なり、F1は走れば走るほど赤字になる大会構造を抱えている」と指摘した。

 道が2年間で負担した大会運営費用の赤字は約1500億ウォン(約100億円)に達する。今年はコースを買収したため、債務が1980億ウォン(約132億円)膨らんだ。道は昨年、韓国GPを運営する民間コンソーシアム、KAVOを通じてコースを建設し、大会を運営させた。しかし、KAVOは無理な経営で資本金600億ウォンを使い果たし、同社はコース建設と大会運営で総額1980億ウォンの赤字を残した。道は今年9月、1980億ウォンの地方債を発行し、KAVOを買収した。地方債は5年元金据え置き、10年分割償還となっており、879億ウォン(約59億円)の利子が上乗せされる。この結果、KAVO買収に伴う費用だけで2859億ウォン(約191億円)に達する計算となる。

木浦= チョ・ホンボク記者
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