クリーン豆知識

クリーンクラスとは?

「クラス分けの基準」とは、まず空気1立方f(フィート)=30cm立方体=約28リットル=1cfと言います。この1cfに含まれる粒経0.5μm以上の微粒子(チリ・ゴミ)の数によってクラス分けをしています。よって、空気1立方f(フィート)=1cfの中に粒経0.5μm以上のチリやゴミが100個以内であれば、ISO5(クラス100)となります。1,000個以内であれば、ISO6(クラス1,000)となります。

  国内規格 単位は1m3   単位は1m3 米国連邦規格(FED規格)
規格名 JIS B 9920 ISO 14644-1 209E   209D 単位は1cf
単位体積 m m 0.1μm以上の
ホコリ量
0.5μm以上の
ホコリ量
m ft 0.5μm以上の
ホコリ量
クラス
表示
JIS1 ISO1 10


   
JIS2 ISO2 100 4

   
JIS3 ISO3 1,000 35 M1
M1.5
クラス1 1
JIS4 ISO4 10,000 352 M2
M2.5
クラス10 10
JIS5 ISO5 100,000 3,520 M3
M3.5
クラス100 100
JIS6 ISO6 1,000,000 35,200 M4
M4.5
クラス1,000 1,000
JIS7 ISO7 10,000,000 352,000 M5
M5.5
クラス10,000 10,000
JIS8 ISO8 100,000,000 3,520,000 M6
M6.5
クラス100,000 100,000


ISO9   35,200,000 M7    
業 種 適用場所 クリーンクラス
(FED規格)
許容微粒子径
医薬・薬品・研究所・フィルム・製造 医薬品生産工場 100~10,000 <0.3μ
<10μ
実験用動物畜舎
写真感光乳剤添付
1~10,000 <0.3μ
食品 酸酵、醸造工場 100~100,000 <100μ
生産、その他の飲料ボトリング、生菓子製造工場 100~10,000 <0.3μ
魚肉2次加工品、包装工程 100~100,000 <0.1μ
医療 手術室、未熟児室、隔離病棟、I.C.U 100~1,000 <0.3μ
電子・電子機器工業 半導体素子、集積回路、ブラウン管、V・T・R、電算機用磁気テープ 1~1,000 <0.1μ
電算機製造工程、電算機使用室 100~10,000 <0.5μ~<100μ
窒業 精密セラミック 100~10,000 <0.1μ
印刷 精密製版、電子製版 1,000~10,000 <0.3μ
合成樹脂ゴム 人工ジン臓、医薬品容器、手術用手袋、高級ラテックス 100~10,000 <0.3μ
精密機械工業加工 精密ジャイロ、ミニチュアベアリング、光学レンズ、電気接点、精密誘導装置、精密流体素子 10~100 <0.5μ
<10μ
小型計器、油圧制御装置、ミサイル部品、ベアリング、流体素子 100~10,000 <50μ
時計、カメラ、アクチュレーター、酸素・液体酸素ポンプ機器 700~100,000 <0.3μ
ビスコース工程、ビニールシート、合成紙、合皮 100,000 <50μ
<100μ
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代表的なクリーン規格

1.JIS方式

JIS B9920の清浄度クラスの表示で1m3中の0.1μm以上の粒子数を10のべき乗で表したときの指数で表します。

  • 表示方式:クラス1~クラス8

2.FED-STD-209D(米国連邦規格)

単位は英国単位(FS単位)。0.5μm以上粒子を基準とし立法フィート中の粒子数を表示します。
実際にはいまだに一番良く使われていると思います。

  • 表示方式:クラス1、10、100、1,000、10,000、100,000

3.FED-STD-209E(米国連邦規格)

単位はメートル法(IS単位)を優先し英国単位(FS単位)を併記します。清浄度クラスは0.5μm以上粒子を基準とし、粒子数を10X乗個/m3で表しX値をクラスとします。メートル法使用を明確とするためMを付加しクラスM(X)とします。

  • 表示方式:クラスM1~クラスM7

4.ISO規格

日米欧を中心に初の世界統一規格として作成が進められ「クリーンルームと付帯する制御環境」を規定した次の二つから成ります。

  1. ISO 14644-1 Part1 「空気清浄度のクラス分け」
  2. ISO 14644-2 Part2 「試験及びモニター手法」

ISOクラス表示では基準粒子径は0.1μm、基準体積は1m3でJIS方式を使用。

  • 表示方式:ISOクラス1~ISOクラス9

弊社ではFED-STD-209D(米国連邦規格)を用いています。

209D 米国連邦規格(FED規格)
クラス 1m3立方体中に
0.5μm以上のホコリ数
30cm3立方体中に
0.5μm以上のホコリ数
クラス1 約35個 1個
クラス10 約350個 10個
クラス100 約3,500個 100個
クラス1,000 約35,000個 1,000個
クラス10,000 約350,000個 10,000個
クラス100,000 約3,500,000個 100,000個
  • ※一般のオフィス環境のホコリは、約400万個~800万個といわれています。
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1cf(キュービック フィート)とは?

1cf=1立方f(フィート)=1辺が約30cmの立方体(約28リットルの空気)と想定して下さい。この1cf含まれる粒経(0.5μm以上)の微粒子(チリ・ゴミ)の数によってクラス分けしています。よって、空気1立方f(フィート)=1cfの中に粒経0.5μm以上のチリやゴミが100個以内であれば、クラス100となります。(FED規格)
1,000個以内であれば、クラス1,000となります。(FED規格)

因に、1m3に換算すると・・・
約1/35ですからクラス100を1m3にすると、チリやゴミが3,500個以内であれば適用です。

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乱流方式とは?

右の図は、クリーンブース内へ空気を送り内部の気流を表現したものです。

右記図の様に上部へ設置されたクリーンファンから取り込まれた空気をブース内に継続的送り込み内部気圧を高めながら下部よりチリやホコリをブース外へ放出します。

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換気回数とは?

換気回数とはクリーンブース内(1m3)へ1時間当たりに空気を送り込む(入れ替える)回数です。1m3のブース内空気を60回入れ替えることを換気回数:60回といいます。

各クラスによって換気回数が決められています。

換気回数
クラス(FED規格) 回数
クラス100 300回
クラス1,000 80回
クラス10,000 40回
クラス100,000 20回