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反=アニメ批評 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2009-03-05

『とらドラ!』のキャラたちがまとうカラー・イメージとはいったい何だったのか――OP/アイキャッチにおける色彩が担い得る意味に関して

先日の記事では、大人気アニメとらドラ!』について、色彩の方面を起点に語らせていただきました。

■『とらドラ!』における「赤」の誘惑――『とらドラ!』第20話における色彩をめぐって


概要:『とらドラ!』第20話で氾濫する「赤」を指摘しては、それが担うことができる役割を明らかにし、さらにそのことを通じて『とらドラ!』という作品全体、およびその人気の理由を分析する。


そこにおいてぼくは、初代OPおよびアイキャッチにおける、各キャラに割り振られたカラー・イメージについても言及していた。

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つまり、『とらドラ!』においてはその主要登場人物5人それぞれに、別々の色が割り振られていた。

それらを改めてまとめ直すと以下。


・大河……ピンク

・竜二……オレンジ

・櫛枝……青

・北村……黄(金)

・亜美……赤







※ちなみに、ぼくの語りとは別の切り口においても、アイキャッチに関する研究は存在しているようでした。

『とらドラ!』 アイキャッチの意味―――今日もやられやく


今更気づいたんだが

ひょっとしてアイキャッチって、各話でのキャラの関係図みたいなものなのかな?

『とらドラ!』 第10話のアイキャッチについて考えみてる―――今日もやられやく


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さて、ここで、ぼくが以前書いた、『とらドラ!』に関するもう一つの記事を思い出していただきたい。

■アニメにおけるツンデレ描写――『とらドラ!』における大河様の髪型をめぐって


概要:ツンデレキャラにおける典型的な外見的特徴・髪型を指摘し、それがツンデレアニメとらドラ!』においてどのように描かれていたかを確認することを通じて、『とらドラ!』における描写の強度を分析する。

というのも、どうやら、このカラー・イメージに関しても、それぞれのキャラたちの髪の毛と関連付けて解釈することが可能なように思えてきたからです。




―――いや、はっきりと結論から言いましょう。

各キャラのカラー・イメージとは、それぞれのキャラたちの「言い訳」「逃避先」>における(キャラたちの髪型の)「色」を暗示しているようにも見えてくる。



どういうことか。まずは大河と竜二から。

ここではじめに思い出してみて欲しいのが、大河のカラーである「ピンク」とは、いったい誰の「髪の色」であったかということ……そう、「みのりん」こと「櫛枝」の髪の色(=ピンク)ですね。

そして竜二のカラーであるところの「オレンジ」とは、「大河」の髪の色(=オレンジ)であった。


またここには、「大河からみのりんへ」、そして「竜二から大河へ」も(見かけ上ではこちらから世話を焼いているかのようにみえても、そこにはある種の)精神的な依存関係がある。

言い直せば、この少女マンガラブコメにおける最大の問題=「恋愛問題」「大河から竜二への」、そして「竜二からみのりんへの」)を直視しないための「言い訳」や「逃避先」として、「大河にとってのみのりん=ピンク」、そして「竜二にとっての大河=オレンジ」が機能していた側面がある。




あるいは、北村にしたところで、生徒会長への「恋愛問題」からの「逃避」として、自らの髪の毛を「金髪」へと染めあげていましたよね(北村の黄色)。

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とすれば当然、「亜美の赤」と「みのりんの青」とは、「亜美の赤=みのりんの髪の色の赤」みのりんの青=亜美の髪の色の青」へと読み換えられねばならないはずです。

「亜美から竜二」への恋心は、竜二と大河とみのりんによる「幼稚なおままごと」によってその可能性が絶たれていたわけですが、その構図に「超天然のふり」をして「本心を隠したまま」加担するみのりんに対して、亜美は強い苛立ちを覚えていた。

またみのりんにしても、無理をして隠している自分の本心(=竜二への恋心)を抉り出そうと挑発してくる亜美に対して、極めて例外的なことに感情を露わにしてもいた。

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そう、まさに自分なりの恋愛感情・態度を正当化するための、攻撃の矛先=逃避先として「亜美にとってのみのりん=赤」みのりんにとっての亜美=青」が存在しているように見えるというわけです。


(実際、新OPの映像においても、みのりんと亜美は目も合わせず別々の方向に離れて行っていましたよね)

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それぞれの関係を改めてまとめ直すと以下。


・大河……ピンク=みのりん

・竜二……オレンジ=大河

・櫛枝……青=亜美

・北村……黄(金)=自分自身

・亜美……赤=みのりん



つまり、それぞれのキャラに割り振られたカラー・イメージとは、このように、各キャラにおける「恋愛問題」に対する「逃避先」としても、読み解くことができるのではないかと思います。


本日は以上です。





※ただこの流れでいくと、竜二のオレンジというのがどうも引っかかるというか、これは物語的にもしかして、いやないか……というのは今後のお楽しみとしておきましょうか。