紅い月が昇る夜に

みなさま、驚くことにこのブログがついに10,000hitsを達成致しました~。
これもひとえにみなさまのおかげです。本当にありがとうございます。

というわけで、記念に一本SSを。
今回は悪堕ちメイドもの。獣化スパイス仕立てです~。
毎回こんなのでいいのかという不安を感じますが、楽しんでいただければ幸いです。

それではどうぞ~。



―――とある小さな町の郊外に、一軒の大きな屋敷が建っていた。小高い丘の上にあるその屋敷は、中世を思わせる古い洋館と手入れされた広い庭が印象的だった。町の中心から遠く、周囲に他の屋敷も無いことから、その屋敷が昔からそこにあったように思われている。しかし、数年前その屋敷が突然そこに現れたことを知る者はいない。そのことに違和感を持つ者もなく、その屋敷は町の風景に溶け込んでいた。
そんなある日、一人の少女が屋敷へとやってくる。少女の名はカリン。一年前、突然連絡の取れなくなった姉シオンに会うために。両親の反対を押し切って、姉がいるはずのこの屋敷にやってきた。姉と同じように住み込みのメイドとして。
紅い月が昇る夜に

この屋敷に来てからすでに一週間。私は焦っていた。
「ふう、これでこの部屋は終わり・・・。埃とか落ちてないよね・・・?」
日々の仕事が忙しくて、姉と話すことさえ出来ないからだ。
「でも、お姉ちゃん・・・雰囲気違ってたなぁ・・・。」

屋敷に着いてすぐに、姉に会うことが出来た。しかし、その印象は私の知っている『お姉ちゃん』とは違うものだった。
「お、お姉ちゃん・・・?」
「あら、カリン。今日から来る新人って貴方だったのね?じゃ、がんばってね。」
冷たく、どこかよそよそしい。服装もメイド服ではなく、高級そうなワンピース。その姿は、この屋敷の主であるかのようだった。
「あ、お姉ちゃ・・・」
「何をしているの?早く着替えて仕事なさい。そのために来たのでしょう?」
その物言いは気位の高さを感じさせ、ますますよく分からなくなる。目の前にいるのは本当に姉、シオンなのだろうか?

「はあ・・・。お姉ちゃん、どうしちゃったんだろ。何かあったのかなぁ・・・?」
呟きながら、次の部屋の掃除に向かう。仕事は仕事、投げ出すわけにはいかない。
「会って色々聞きたいことも話したいこともあったのに・・・。」
結局最初の日以来、会うことすら出来ない。
「そういえば、この屋敷の『ご主人様』にもお会いしてないのよね・・・。」
きっとお忙しいのだろう、と先輩たちは言うのだけど・・・。そして、二階の奥にある『開かずの間』。この部屋については、誰一人教えてはくれない。
「いかにも怪しい感じなんだけど・・・。」
かといって無理に開ける必要もない。目的の部屋の扉をノックして中に入る。早く終わらせなくては、姉に会う時間すら作れない。私は雑念を振り払い、仕事に専念することにした。

その日の夜、私は姉に呼び出されていた。

黒い封筒に黒い紙、血のように赤い字で書かれた案内状。差出人は姉シオンのようだ。その内容は、『今夜月が頂点に差し掛かる頃、二階の奥の間まで来ること』ただその一文だけ。それは普段ならもう寝ている時間。でも、お姉ちゃんと会って話が出来る。そのことで頭がいっぱいだった。不安を感じたりすることは、無かった。

階段を登り、二階へと向かう。踊り場の窓からは月の光が差し込んで、灯りが無くとも十分に明るく感じられる。そうして廊下を進むと、『開かずの間』の前で姉が待っていた。
「お、お待たせしました・・・。」
目の前で一礼。そしてゆっくりと顔を上げる。
「くすっ、ずいぶんと他人行儀なのね。・・・カリン、久しぶりね。」
そこにあったのは見慣れた姉の笑顔だった。
「お姉ちゃん!ずっと、ずっと会いたかったの・・・。」
思わず抱きついていた。話したいこと、聞きたいことがたくさんあったはずなのに、綺麗さっぱり忘れていた。ただ、こうして会えたことが嬉しかった。
「さあ、カリン。これからご主人様に会ってもらうわ。粗相のないようにね?」
「え、あ・・・はい。かしこまりました。」
ご主人様に会う。その言葉で我に返る。メイドとしての自分に戻る。
「じゃ、行くわよ?」
姉シオンはそう言って『開かずの間』の扉を開ける。私は促されるままその部屋へと足を踏み入れた・・・。

その部屋は天井の大きな窓から月の光が差し込んでいるが、その反面それ以外の窓は一つもなかった。床には丸と三角で構成された幾何学模様と、謎の文字が描かれていた。
「・・・?」
言葉もなく驚いていると、後ろで扉が閉まる音が聞こえた。続けて鍵が閉まる音も。驚いて振り向こうとしたその時、声が聞こえた。
「・・・あなたがカリン?へえ、面白そうね・・・」
その澄んだ声の主を探して、視線を巡らせる。その姿を認めたとき、私は言い知れぬ不安がよぎった。天井から差し込む光に邪魔されて、その顔を見ることも出来ない。だがしかし、目の前にいるのはこの屋敷の主。挨拶しないわけにはいかない。
「はじめまして、ご主人様。お目にかかれて光栄です。私カリンと申します。今後ともよろしくお願いします。」
声がかすれそうになるのを必死でこらえながら挨拶し、深々と一礼する。
「うふふ、ようこそカリン。頭を上げていいわよ。」
その言葉に顔を上げる。その直後、私の瞳を紅い光が貫いた。
「あ、え・・・?!」
身体が動かない。意識はあるのに身体を動かすことが出来なかった。

「さぁ、カリン。こちらへいらっしゃい・・・。」
私の身体はその言葉に反応し、部屋の中央へと歩き出す。ご主人様の姿がはっきりと見えるようになると、私の心は恐怖に震えた。
(え・・・う、そ?!ひと、じゃ・・・ない?!)
そこにいた主の姿は、人の姿をした別の存在のようだった。狐のような耳に尻尾、鼻も獣のようだ。尻尾の数は、九つ。瞳は紅く輝いていた。
「うふふ、改めて挨拶するわ。私はこの屋敷の主、ナラク。ご覧の通りの妖狐よ。」
私は恐怖を感じていた。そこに追い討ちを掛けるかのように姉シオンが視界の中に入ってきた。その姿もまた、人のものではなかった。
(お、おねえちゃ・・・?!)
狼のような耳と尻尾。口元には牙が覗き、爪が伸び鋭さを増していた。髪が銀色に変わって、その微笑を妖しく彩っていた。
「フフッ、驚いた?素晴らしいでしょう・・・。ずっとこの姿でいたいけど、あなたが来てたから人に化けていたの。」
その金色に光る瞳が、私の身体を舐める様に見つめていた。

「これからあなたには『選別』を受けてもらうわ。結果がどうなるかはわからないけど、ね。」
選別。その言葉の意味を理解することは出来なかった。
「ここに来た娘は、必ず受けてもらっているの。あなたと一緒に働いていたメイドたちも、ね。」
そう言われて初めて気が付く。部屋の壁沿いに立ち並ぶメイド仲間たち。それはまるで人形のように整然と。
「選ばれなかったらあなたもコレの仲間入り。選ばれれば・・・」
(え・・・?なに、これ・・・?!)
突然、辺りを照らす月の光が変化する。その輝きは紅く、そして強くなっていく。
「合格よ。喜びなさい、あなたは選ばれた。さあ、受け入れなさい。新たなあなたを!」
「おめでとう、カリン。何も心配することはないわ。全てを委ねなさい・・・。」
紅い光の奔流の中で、私は私を見失う。

(私、どうなっちゃうのかな・・・?何も考えられないよ・・・。)
そこに響くひとつの声。
《あなたは選ばれた。人よりも気高く美しい存在へと生まれ変わることを許されたの。》
その声はどこかで聞いたことのある声だった。いつも聞いているはずの声。私自身の声だった。
(わ、私なの?でもその姿は・・・)
その姿はまるで、猫のようであった。耳も目も、鼻でさえも猫のもの。口元には八重歯が覗き、手や足も猫のような肉球が付いていた。ただひとつ違うのは、尻尾が二本生えていること。
《この姿は生まれ変わったあなたの姿。気高き一族の一員であるあなたの真の姿。》
謳うように、諭すように囁かれる言葉。その言葉の一つ一つが私の心に染み渡る。
(私は選ばれた・・・。気高き一族として・・・。)
人であることよりも遥かに素晴らしい存在に。美しく気高き身体へと生まれ変わる。そのことがとても誇らしい。
(私は選ばれた存在。下等な人の身体を捨て、気高き一族として生まれ変わる。なんて素晴らしいの!!)
私の心を満たす悦び。今までの私が消え、新たな価値観に染まっていく。そこに恐怖などなかった。あるのはただ、転生への歓喜。もう一人の私の声は、もう聞こえることはない。人としての心など、必要ないのだから。

まぶたを開く。月の光はなおも紅く、転生した私を祝福するように降り注いでいる。
「おめでとう、カリン。これであなたは私たちの妹よ。これからよろしくね。」
「カリン、これで私たちはずっと一緒。これからずぅーっと、ね。」
ナラクとシオン、二人の顔は喜色に満ちていた。つられて私も笑顔になる。
「はい!ナラクお姉さま、シオンお姉さま。これからよろしくお願いします。」
二人に連れられて鏡の前に立つ。そこに映るのは生まれ変わった私。猫耳に八重歯が覗く口元、黒い毛に覆われた手足には肉球・・・。その美しい姿が誇らしい。
「さあ、着替えましょう。あなたにふさわしい服に。」
ナラクお姉さまに言われて私が選んだのは、薄いシルクのキャミソールとジーンズのショートパンツ。当然尻尾が出るように加工されているものだ。
「よく似合っているわ、カリン。可愛いわよ。」
シオンお姉さまに褒められた。嬉しくて頬が染まる。
「お姉さま・・・私、嬉しい・・・。」
これからの生活が楽しみで仕方ない。
「さあ、あなたたち。夜は長いわ。食事に行きましょう?」
「はい、ナラクお姉さま。さ、カリンも。」
食事。それは勿論、下賎な人間共とは違う。
「はぁい♪お姉さま。うふふ、楽しみですぅ・・・。」
私たちの食事。それは人間の精気。若ければ若いほど、童貞や処女であるほど濃厚で美味しい。高貴な一族である私たちにとって、人間など家畜のようなもの。
「この町の中なら何も心配は要らないわ。朝になればみんな忘れてるから。」
「ナラクお姉さまの結界は完璧ですもの。夜が明けるまで愉しみましょう。」
私は初めての食事に胸躍らせながら、二人のお姉さまに付いて行く。
「はい、シオンお姉さま。ナラクお姉さまも一緒にたっぷりと愉しみましょうね!!」

そうして、私たちは夜の町へと消える。夜空には、紅く輝く月。その輝きは凍えるように冷たく、夜の世界を照らしていた・・・。

【紅い月が昇る夜に】 完


いかがだったでしょうか。
獣化とか初めて書いたので、かなり不安ですが・・・。

こういったhits記念は折を見て書いていく方向でいこうと思います。
次回は・・・25,000くらいで(汗
頻繁にやると価値が薄れますから<言い訳

それでは次の更新でお会いしましょう。
スポンサーサイト
裏出会い KISS! - http://dud.jp/?adv=LP28545
「私のお○んこ見たい?」秘密のサイトを教えます。≫≫入り口
Eroeコミュ - http://ero-e.org/?adv=LP28554
ヤリチンさん大募集です♪ヤリマンだらけの超・淫乱サイトOPEN!!
iしてnet. - http://ishite.net/?adv=LP28549
理想の女性探し!無料なのに貴方の理想にピッタリな美女揃い♪[18禁]

コメントの投稿

非公開コメント

祝!!10000ヒット達成!

10000ヒット達成、おめでとうございます!
早速、拝見させていただきました。
悪堕ち+人外化、いいですね!
姉に会えた嬉しさで、疑う事もせずにそのまま・・・
新たに、外見だけでなく心まで変わって、これから、人を襲いに行く様子が脳裏に浮かんできましたよ!!

Re: 祝!!10000ヒット達成!

> たか様
 コメントありがとうございます。
 彼女たちに襲われても記憶は残りません。基本的には。
 残ってる人はそのままあの屋敷に囚われてしまうのです・・・。

 などという裏設定を、今思いつきました(笑
 これからも細々と続けていきますので、今後ともよろしくお願いします。
プロフィール

kazuma-darkness

Author:kazuma-darkness
悪堕ちを好むブログ初心者です。

今までの堕天者数
最新記事
カテゴリ
twitter
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
注意書き等
このブログはリンクフリーです。希望する方はご自由にどうぞ。できればご連絡いただければ、ありがたいです。 メールアドレスは、vanishing-sword◎wind.so-net.jpです。 ◎を@に変えてお送りください。
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR