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「あぁ…あの亜樹ちゃんが、亜樹ちゃんが僕に押し倒されてぇ……!!」
永輝の下に、夢に見るほどに恋焦がれた亜樹がいる。
その顔は恐怖で青ざめ引きつっているが、そんなことは永輝にとってはどうでもいい。
どうせ腹に詰まったこの子達を寄生させれば悦びと官能に支配されてしまうのだ。
そして、嬉々としてこの子達の繁殖のためにその身を捧げる『メス』と化す。
その変わる姿を一挙手一投足、眼の前で見ていることが出来るのだ。
こんなに心震えることはない。
「じゃあ、まずはこの邪魔な服を脱がしちゃうね!!」
そう言って永輝は触手を亜樹の服の下に潜り込ませた。
「くぅぅっ!」
所々、ショーツやブラジャーの中にまで触手がうねり、亜樹はこそばゆさとおぞましさで顔を歪ませた。
そして、触手がぐいっと上に引っ張られたかと思うと、亜樹の着ていた服はその張力に耐え切れずにズタズタに引き裂かれ四方に舞って飛んだ。
「やっ……」
袖やソックスなど僅かな服の残骸を残して、肝心の胸や腹が剥き出しになった自分の姿に亜樹は羞恥で一瞬顔を赤らめた後恐怖で青くした。
これで、自分の身を守るものは何もなくなってしまったのだ。
「ふふふ……亜樹ちゃぁぁん…!」
亜樹の頭上で、永輝が今まで見たことも無いような淫欲に支配された顔で亜樹のことを見下ろしている。
それまで亜樹に対して募らせていた慕情、それと寄生されたことで植え付けられた繁殖欲が一緒くたになって、亜樹の肉体に対する劣情を何倍にも増幅させていた。
亜樹の股間に真っ赤な蜜を滴らせた触手が二本、うねりうねりと伸びてくる。
一本ではなく二本なのは、亜樹の二つの卵巣を共に犯して同化しようとする魂胆なのだろう。
「や、やだぁぁ……。やめてよぉ…」
あれを受け入れてしまったが最後、自分も永輝のような化け物にされてしまう。
亜樹は身体を震わせて、弱々しい声で永輝にやめるように懇願してきた。
男勝りで乱暴者な亜樹に一体どこにそんな弱いところがあったのか、抑え付けている永輝にとってもとても新鮮であり、それゆえに永輝の嗜虐心はさらに燃え上がった。

「そんなに嫌がらないでよぉ亜樹ちゃん……。もうすぐ亜樹ちゃんも、この子達の素晴らしさが分かるようになるから!!」

前戯なんかしている余裕なんか無い。この子達が仲間を増やしたいって騒いでいる!
永輝はまだぴっちり閉じている亜樹の秘裂に強引に触手を捻じ込み、そのままめりめりとこじ開けていった。

「い、いたっ!いたぁぁぁいぃ!!」

異物が自分の体を裂くように潜り込んで来る感触に亜樹は目を剥いて絶叫した。
みちみちと肉が切れる音が耳に聞こえたような気がし、裂けた肉の傷口から触手が分泌する赤い蜜が染み込み、ちくちくと染みる痛みが下腹部を支配する。
が、その痛みが下半身に広がっていくにつれ、痛みが痛みとして認識しなくなっていった。
「……え?」
染み渡る痛みはむずむずとした痛痒に変わっていき、膣内の痛みを麻痺させていく。
すでに触手は子宮に達し処女膜もとうの昔に破られているはずなのだが、破瓜の際に感じるといわれている痛みを亜樹は感じることは無かった。
(な、なにこれ……なにこれ?!)
子宮の中をいっぱいに満たしていく触手の感触に、亜樹の心はかつてないほどの充足感を得ていた。
触手が膣中にあることで安心し、ずっとこのまま満たされていたいというような、あり得ない感覚。
それを当たり前だと思いつつある心に、亜樹は言いようのない恐怖を感じていた。
(やだっ……俺の心が……作り変えられていってる?!)
恐らくあの赤い蜜が亜樹の心と身体を狂わせ、寄生生物に都合のいいように変化させていっているのだろう。
だが、それがわかっても今の亜樹にそれを防ぐ手立てはない。
蜜が血流に乗って全身に行き渡るにつれて亜樹の目からは光が消え、抵抗する心を奪っていく。
(あ……、きもちい……。なんてきもちいいんだろ……
俺の中が、たっぷり満たされていく……なんて、心地いいんだ……)
ぎゅるぎゅると子宮を埋め尽くしていく触手の感触に亜樹は酔いしれ、その顔には幸せそうな、しかしどこか空虚な笑みが浮かび上がっていた。
子宮の中をいっぱいに満たした触手はそのまま先端を子宮口へと向け、二本の触手の先端がぱくついている子宮口をくいっとこじ開けた。

「くひぃぃっ!!」

大事な扉を強引にこじ開けられ、亜樹は腰が抜けそうな快感に歯を食いしばって戦慄いた。
永輝から逃れようとしていた両手はいつのまにか永輝の背中にまかれ、両足は永輝の腰にしっかりと絡み付いてぐいぐいと自分のほうへ永輝の腰を摺り寄せていた。
「ああぁっ!!えいきぃ!すげぇよぉ!!お前の触手すげぇぇ!!俺、すっげぇ気持ちいいよぉぉ!!
こ、こんなの……バカになっちまうぅ!!」
触手の与える快感に大声で歓喜の悲鳴を上げる亜樹を見て、完全に堕ちたと確信した永輝は達成感でパッと顔を輝かせた。
あの亜樹ちゃんが自分の言いように弄ばされ、翻弄されて自分におねだりをするようになった。
亜紀ちゃんに、自分のことを『凄い』と言わせた。
こんなこと、人間の男だった時には出来るなんて思いもしなかった。
寄生されたことで完全に自分は変わり、あの亜紀を隷属させることすら出来るようにまでなったことに、永輝は歪んだ達成感を得て永輝を知る者からは想像も出来ないような残忍な笑みを浮かべた。

「うふふ……堕ちたね、亜樹ちゃん!!
もう亜樹ちゃんもこの子達なしではいられない身体になったね!この子達を孕んで生み出すことしか考えられなくなっちゃったんだねぇ!!」

眼下で亜樹が答える余裕も無いのか顔を噴き出す体液でグチャグチャにしながら懸命にこくこくと頷いている。
「かわいいよ……亜樹ちゃん……!」
亜樹のだらしなく開いている口に、永輝の口からずるりと飛び出したまるで触手のように赤く長い舌がずるずると潜り込んでいく。
「んっ!んうぅぅ…!!」
亜樹は口に入ってきた永輝の舌を目を輝かせて頬張り、真っ赤な粘液をごくごくと喉を鳴らして飲み込んでいった。
咽返るほどの甘さが喉に絡みつき、それ以上の官能が亜樹の身体に染み渡って亜樹の心身をさらなる興奮に導いていく。
触手を差し込まれている秘部からは触手の赤い蜜と亜樹の白く泡立った蜜が間欠泉のように勢いよく噴き出してベッドの上を濡らし、触手舌を頬張る口からは止め処ない涎がこぼれ落ちてきていた。

「あぁっ!亜樹ちゃん!気持ちいいんだね!気持ちよくてなぁんにも考えられないんだね!
それでいいんだよ亜樹ちゃん!余計なことは考えず、この子達を産んで増やすことだけを考えていればいいんだよ!!
さあこれで亜樹ちゃんも、ボクたちと同じ『メス』になるんだぁ!!」

亜樹の子宮口を犯した触手はさらに先へと進んで輸卵管をずるずると遡り、ついには卵巣まで達した。
そして胎内の奥で静かに佇む卵巣に、触手の先端がぶすりと突き刺さった。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!」

その時に発した言葉にならないほどの強烈な快感に亜樹の神経はぶつりと焼き切れ、亜樹は派手に潮を噴いた後ぐるりと白目を剥いてあっという間に失神してしまった。
「ク、ククク……」
亜樹の膣内に潜り込んだ触手はそのまま永輝の股間から抜け落ち、亜樹の胎内へと完全に埋まっていった。
「亜樹ちゃん……。これで亜樹ちゃんもすぐに……うふふ……」
ベッドの上で放心している亜樹の下腹部に永輝は顔を寄せ、愛しそうにほお擦りした後どぷどぷと赤い蜜を噴きだしている股間に長い舌を伸ばし、ピチャピチャと音を立てて舐めしゃぶり続けた。
その間にも卵巣に潜り込んだ触手は卵巣の細胞に同化して乗っ取り、寄生生物の増殖に都合がいいように作り変えていく。
寄生された卵巣はムクムクと膨れ上がり、元の大きさの100倍以上に体積を増していった。
もちろんその中は寄生生物の生殖器へと変わり果て、すでに子宮から亜樹の体中に根を張った寄生生物の細胞が亜樹の身体のエネルギーを使って卵を作り出している。
人間が受け入れられる量をはるかに超えた快感を与えられて気絶した亜樹は、自分でも自覚の無いまま人間ではない生物に身体を作りかえられていった。





「…うふうぅ……」
夢中で股間をしゃぶり続けていた永輝の耳に、気だるそうな溜息が聞こえた。
「!!」
それを聞いた途端永輝は顔をパッと上げ、蜜で真っ赤にした口元を喜びで綻ばせた。
「亜樹ちゃん!!」
顔を上げた永輝の目に飛び込んできたのは、酷く緩慢に上半身を持ち上げる亜樹の姿だった。

「……永輝ぃ…」

永輝を見つめる亜樹の顔は淫欲に火照り、その瞳は永輝と同じく眩しいまでの赤光を放っていた。
寄生生物の生殖器となったことで異常に膨らんだ卵巣の影響で亜樹の左右の骨盤辺りはぽっこりと盛り上がり、暗い部屋の中で皮膚を通して赤黒くぼんやりと明滅を繰り返している。
亜樹は身体を起こすと目を淫靡に歪ませて永輝の顔を掴み、そのまま顔を近づけて口付けを交わした。
「んふっ…」
永輝の方もそれを拒むことはせずに互いに舌を絡ませ、部屋の中にピチャピチャという唾液が滑る音が静かに鳴り響く。
その状態が何分か、いや何十分続いたろうか、二人はどちらからということなく唇を離した。
離れた口からは絡み合った触手状の真っ赤な舌がズルリと飛び出し、未練惜しそうに舌が解れた後亜樹は舌をだらりと垂らしたまま生殖器の部分を擦ってニィッと微笑んだ。

「これ……すげぇなぁ……!体中が火照ってたまらねえ……
『メス』になるって、こんな気持ちいいことだったんだなぁ……!」

すでに生殖器の中ははちきれそうな量の卵で埋め尽くされ、受精の時を早く早くと亜樹に訴えてきている。
寄生生物に支配されている亜樹の身体はその期待に応えんがために身体を発情状態にさせ、亜樹に雄の精を求めさせていた。

「あぁ……我慢できねえ……!雄の、人間の雄の精液が欲しい……
卵に精液たっぷりぶっかけて、早く孵化させて人間に植え付けてぇ……!」

亜樹は体中に燃え広がった官能の炎を燻すかのように、胸をくにくにと揉み股間を弄繰り回した。
「あれ…?」
その時亜樹は気づいた。
自分の胸が以前と比べて大きく張っていること。全身の肉付きがふっくらとしていることに。
「これは……まさか…」
試しに自分の胸をきゅっと搾ってみると、乳首の先端から真っ赤な蜜がぴゅっと一筋噴き出てきた。
色こそ寄生生物の体液になっているとはいえ、それは明らかに母乳だった。
つまり、寄生生物の卵を身体に宿したことで、亜樹の肉体が出産できる体に変化してしまったのだ。

「お、俺の体が……女の身体になっている……!」

それは亜樹にとって寄生された悦びに勝るとも劣らない感動だった。
今まで自分の女らしくない性格と肉体に物凄いコンプレックスを持っていた亜樹にとって、柔らかなラインを持つ女の肉体は物凄い憧れだったのだ。
それがこのような形で実現するなんて、思っても見なかった。
「…凄い、すごいよ亜樹ちゃん…!すごく綺麗で、いやらしい身体だよ!!」
永輝もこれには素直に感動した。
寄生生物が男性に寄生した時にはその性を女性に変えるのは自分の体で分かっていたが、女性に寄生した時にはその身体をより女に近づけるとは考えてもなかった。
とはいえ、二人とも単に綺麗になったことを喜んでいるわけではない。
「この身体を使えば…雄から簡単に精を搾り取ることが出来るな……」
そうだ、この女でもむしゃぶりつきたくなるような身体をもってすれば、簡単に男など引っかかってくるだろう。
「うふふ…。行こうか、亜樹ちゃん。人間のたくさんいるところに……
僕はこの子達をじゃんじゃん植え付けるから、亜樹ちゃんはその間に人間からたっぷりと精を搾り取ればいいよ」
永輝が股間から孵化した寄生生物をずるりとひり出し、それを亜樹は羨ましそうに見た。
人間だったときは非常にグロテスクに見えたそれも、寄生生物化した今では非常に愛らしく見える。
自分も生殖器に溜まった卵に受精させれば、あっという間にこの子達を子宮に宿すことが出来る。
子宮がはちきれそうなほどに寄生生物を孕む姿を想像し、亜樹は抑え切れない繁殖欲に赤い瞳をギラギラと輝かせた。
「そうするか……そうすれば、俺もこの子達を…ククク…!」
このまま繁殖欲に導かれるままに人間を『メス』に変えていけば、いつの日か地球からは男はいなくなり、繁殖能力を無くした人類は滅亡の道を進むだろう。
が、そんなことは亜樹と永輝には関係ない。
既に人間ではなく『メス』となった二体に人類の未来とかなんとかは考慮にも値しない。
二体にとっては仲間を増やすことが全てであり、それに勝るものはなにも存在しないのだ。
二体の寄生生物はこれから先仲間をどんどん増やす期待に生殖器を昂ぶらせ、夜の闇へと消えていった。


「ねえ……、君も『メス』になってみないかい?」





博士「このように、フクロムシはオスメスどちらの蟹にも寄生し、驚くべきことにオスに寄生したフクロムシは宿主をメスに変えるという荒技を持っているのじゃ」
助手子「トランスセックスは小説だけの話かと思っていましたが、自然ってすごいですねぇ。」
助手子「でも、自分でも知らないうちに性別やら価値観から何から変えられてしまうのは恐ろしすぎます」
博士「うむ。なにしろ自覚症状が無いからのう。気づくとどころか気づくことすらないという。しかし…」
助手子「?どうしました。博士?」
博士「お主、なんで素っ裸なのじゃ?風呂でも入ってきたのか?」
助手子「え?裸でいるのがなにかおかしいですか?いつも裸でいないと、いい雄が見つかった時にすぐに種付けできないじゃないですか」
博士(いかん、何か変なものに寄生されておる…)


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