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調教や洗脳などで悪の奴隷になるヒロイン43【悪堕ち】

1 :名無しさん@ピンキー:2011/09/23(金) 20:41:09.40 ID:fkvEGKVY
調教や洗脳などで悪の奴隷に堕ちるヒロイン達・・・
【ヒロイン悪堕ち】シチュ全般に激しく萌える心優しき同志がまったりと過ごすスレッドです。

◆前スレ
調教や洗脳などで悪の奴隷になるヒロイン42【悪堕ち】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1309510478/

 ◆注意事項
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◎うpろだの使いすぎには注意
◎レス数が970を超えたら次スレを立てましょう

 ◆関連スレ、関連サイトへのリンク
悪堕ちするヒロインを語るスレ
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1254322952/
MC関連ページ リンク集 (実写非対応)
ttp://marie.saiin.net/~mcharem/MCGAME.htm
MC関連スレ保管庫(画像掲示板へのリンクあり)
ttp://marie.saiin.net/~mcharem/MClog.htm
悪堕ち作品情報まとめWiki
ttp://wiki.livedoor.jp/akuoti/d/FrontPage

139 :姉妹の終末:2011/10/12(水) 00:13:33.13 ID:Q56rEYzE
闇夜に一筋の光が疾る。
それは少女が振り抜く刀の軌跡だった。斬撃は眼前の化け物の片足を斬り落とし、バランスを失った化け物は前のめりに倒れる。
すかさず少女は追撃に移り、化け物の首を落とすために刀を振り下ろす。体躯が自らの倍近いそれへ立ち向かうその目に怯えは無く、あるのは強い意思。そしてその意思の拠り所は憎悪。

首と胴体が切り離された化け物は絶命し、その姿は雲散霧消した。
少女はそれを確認すると、振るっていた退魔刀を鞘に収め、凍てついた表情はそのままにその場を後にする。もう感慨も湧かな

いほど同じことを続けてきたのだろう。
後に残されたのは、先ほどまでの戦いが嘘のような静寂だけ。


そして、その姿を遠くから見届ける、別の少女の姿があった。
「うーん、やっぱり強い強い…。流石ね〜。
 今回のは、今までより大分強めにしておいたんだけど…。それでもささっと倒しちゃうなんて」
一人で、何度も頷く少女。その顔には、満面の笑みが浮かんでいる。
「数年前に現れて、成長著しい天才退魔士、か。今までみ〜んな返り討ちにされたのも納得納得。
 素晴らしいわぁ、彼女なら相応しいわね…」


「…私のペットに♪」


***


「結ー、起きて〜!」
いつも通り、結はなかなか起きてこない。私が朝食の用意を終えて部屋に押し入っても、まだ布団をかぶっていた。
仕方なく、無理やり布団をはぎとった。
「まったくもう…学校遅れるよっ!」
「え〜…まだ寝てたいぃ…」
「それは許しません!」
私は結の上体を掴んで、無理やり起き上がらせる。…下手な妖怪退治なんかより、こっちの方がずっと大変だといつも思う。
「……おはよう、お姉ちゃん」
「朝食はできてるからね。速く着替えて速く髪を整えて速く食べて速く学校へ行く準備をして」
「そんなに速くしてって言われても無理だよぉ」
「もー…遅刻しちゃうでしょ〜!」

結局、小走りで急いでも、学校へ着いたのはHRの数分前。もっとも間に合っただけマシと言えるのかもしれない。何度か遅刻しているだけに。
そんな時は、結だけ置いてきちゃえばいいのかもしれないけど、それができない理由がある。
それは私たち姉妹が互いに唯一の家族っていうのもあるけれど。それ以上に大きな理由は、私たちが狙われているからだ。


私、天台彩と妹の結は、孤児院で育った。
両親は、私たちが幼い時に妖怪に殺された。それは、私たちの“魂”を妖怪が狙ってきたから。
強い霊力は、強い魂に宿るらしい。そして妖怪は、その力を我が物とするために、その魂の持ち主を襲う。
私たち姉妹は生まれつき強い魂を持っていたらしくて…それで、お母さんとお父さんは私たちを庇って死んでしまった。

後から分かったことだけど、私たちが育った孤児院は退魔士機関が設立した所だった。
本来は、退魔士の親が殺された子供の救済として作られた場所らしいけど、私たちのために特別に魂の強さを隠すような結界が張ってあったらしい。
だから、孤児院から外に出ることは絶対に禁止されていた。

そして私が中学生になる時、私は自分の生き方を選ぶように言われた。
これからも、ずっとここの中で暮らし続けるか。それとも、退魔士となり、自分の身を守ることで自由を得るか。
もちろん私は後者を選んだ。退魔士の修業の辛さも、戦う恐怖も、不自由の絶望よりよっぽどいいはずだもの。
同時に、私は結の自由も求めた。私が絶対に守るから、結にはこんな選択させてほしくないって。
結局…その希望は私の頑張り次第ということになったけれど、最終的には認めてもらえた。

そうして、ようやく私たち姉妹は自由を手に入れて、昼間は普通の高校生としての生活を送っている。
姉妹で一緒に行動しなきゃいけないっていう制約はあるけれど、昔に比べれば全然マシ。
ただ一緒にいすぎたせいなのか、結が世話が焼ける子になっちゃったのはちょっと困ってるけど。

140 :姉妹の終末:2011/10/12(水) 00:14:16.59 ID:Q56rEYzE
「彩ちゃん、今日は何とか間に合ったわねー」
一時間目の授業が終わると、京子が話しかけてきた。
「ホントもう、毎日冷や冷やしてたまらないわよ…。
 私が全力で走ればもう少し早いんだけど、そしたら結がついてこれないし」
「ふふっ、ホント結ちゃんには甘いんだから」
甘い、かぁ。確かに、ちょっと甘やかしすぎなのかな。
「二人で暮らしてるっていうだけでも大変なのに、その結ちゃんが寝ぼすけさんじゃ尚更よね。
 大丈夫?一日ぐらい、私が起こすの代わってあげようか?」
「あはは。大丈夫よー、もう慣れちゃったもの」
京子の言う通り、結との二人暮らしは確かに大変だ。何でも自分でやらなきゃいけないし。
でも、だからと言って誰かと一緒に暮らす事はできない。私たち姉妹が常に妖怪に狙われている以上、戦いに巻き込まれてしまう危険性がある。
一応、家の周囲には孤児院の時と同じように結界が張ってあるとはいえ…帰り道をつけられたりして居場所がバレてしまえば無意味だ。
「私は別にいいのよ?彩ちゃんの家に住み込んで、毎朝結ちゃんを起こす係でも。結ちゃん可愛いし。
 それに毎日彩ちゃんの美味しい手作り料理が食べられるなんて、言うこと無しだわ〜」
「…結局、私の負担が増えるだけじゃないの?」
「あら?そこに気づくとは流石ね〜、鋭い鋭い」
「あんたねぇ…」
まったく、私は家政婦じゃないんだから。これ以上食い扶持が増えたらぶっ倒れちゃうわ。
そのまましばらく京子と他愛のない話をしていたけど、二時間目の始まりを告げるチャイムが鳴ると、京子は自分の席に戻って行った。


放課後。
いつも通り、下駄箱で結を待つ。京子と一緒に。

京子が転校してきたのは、ほんの三ヶ月前。だけど私たちは妙に気が合って、すぐに一緒に下校するようになった。
最初は登校も一緒にしたがっていた京子だけど、結の起きる時間で大きく左右される――まぁ早起きすることはあり得ないけど――ので諦めたみたいだった。
「お姉ちゃん、京子さん、お待たせ〜」
しばらくして、結がやってきた。

朝とはうって変わって、帰り道は三人でゆっくりと歩いていく。
「一回ぐらい、二人と夜まで遊んで終電を逃して家に泊めてもらうってシチュエーションをやってみたいわ〜。今度やらせてくれない?」
「終電を逃すって…飲みすぎたサラリーマンじゃないんだから」
「んー?確かに、ちょっとオジサン臭かったかな〜?
 まぁともかく、一度夜の天台家に潜入して姉妹の夜の秘め事を目撃して、あわよくば私もその中に、ってことがやってみたいわけ」
「夜の秘め事なんて無いよー。ね、お姉ちゃん?」
「当り前でしょ…。それに…京子は、私たちの事情知ってるでしょ?」
「分かってるって。冗談冗談♪」
私たちが妖怪に狙われていることは、京子には特別に話してある。私が退魔士をやっていることも。
そりゃ、他人にやすやすと吹聴していい事じゃないけど、絶対に秘密ってわけでもないし。
京子も他の誰にも話さないと約束してくれたので、それを信用して私は話した。
私だって、正直友達同士で夜まで外で遊んでみたい。でも妖怪が本格的に活動し始めるのは夕暮れ時からだ。
それを考えると、夜まで結界の無い家の外にいるというのは危険すぎる。
「でも夜は、妖怪退治以外は外出しないって言ってたが気になっちゃって…。
 きっと、家の中ではその鬱憤を晴らすようにあんなことやこんなことが繰り広げられてるんじゃないかって」
「どーして、話がそっちの方向に行くわけ?」
「だって!誰の目も届かず、夜は二人っきりなのは確かじゃない!?」
「……じゃあ、また明日ね」
「あれっ?もう彩ちゃんの家に着いちゃったの?」
「京子さんが色々妄想してるから〜」
「はぁ…しょうがないわね。じゃあさよなら」
「じゃあねー」
そう言っていつも通り、私たちは京子と別れた。


「…ほんっと、ガードが固いんだから」
二人と別れた後で、京子は静かに呟いた。


141 :姉妹の終末:2011/10/12(水) 00:15:37.13 ID:Q56rEYzE
***


「ちょっとずつね。今のところは全然楽勝だけど、この傾向が続くなら機関に連絡しなきゃいけないかな」
昨晩も、私は妖気を察知し、妖怪退治に繰り出した。
昨日の敵も、易々と倒すことはできた。でも…最近気がかりなのが、現れる妖怪が段々と強くなっていることだ。
今までは現れるたびにピンキリだったのだが、三ヶ月ほど前からだろうか、そんな妙な傾向が表れ始めたのだ。
「彩ちゃん。真顔で『機関』とか、すごい厨二病チックだよ」
「ちょっと!私は真面目な話をしてるのよ!?」
「ごめんごめん。でも面白すぎて…。
 けど楽勝だったら、別に連絡する必要もないんじゃない?」
「うーん、でもこうも妙なことが長引くと気味が悪くってね。私一人じゃ判断しかねるし」
「大変ね〜、退魔士っていうのは…」
「そうね、でもそれで私たちは普通の高校生になれたんだし。
 それに…両親の仇も討てる。私は、退魔士になって良かったって思ってるわ」
「そっか…強いわね、彩ちゃんは。
 でも機関に動かれると面倒かな…」
「ん?」
「ううん、何でもない。気にしないで、独り言独り言♪」

普段通り、私は京子と二人で休み時間を過ごしていたけれど、午後になって京子は体調が悪いということで保健室へ行った。
そのまま戻ってこなかったので、私はきっと早退したんだろうと勝手に決めつけた。



その日の放課後、下駄箱でその手紙を手にした時、彩はそれをイタズラだろうと思い気にも留めなかった。
しかしいつまで経っても結が来ないことが、その手紙が、「あなたの妹を預かりました」という文面が本当であることを証明し

た。
それを信じられず、学校中を探したが見当たらず、日も暮れた時。
妖気が発生した。


***


街外れの神社に彩が駆けつけると、そこには二つの人影があった。
一つは、妹の結。そしてもう一つも、よく見知った顔。
「…どういうこと?」
驚きを隠せない彩。しかし、その言葉を向けられた相手は、笑顔を崩さない。
「どうしてあなたから妖気が出ているの!?京子っっ!!」
彩が絶叫してもなお、京子は笑顔で、いやむしろより愉しそうな笑顔となった。
一方で、結は反応が無い。目は焦点が合っておらず、意識ここにあらずといった様子だ。
「どうしてと言われても。私から妖気が出てるってことは、そういうことでしょ?単純単純♪」
「嘘よ…!あなたは普通に学校生活を送っていたじゃない。昼間に妖怪が活動できるなんて」
「あなたの経験だけで決めつけるなんて浅はかじゃないかしら?あなたみたいな十数年しか生きてないお子様が断言しても説得力は無いわよぉ。
 まぁ、せっかくだしお子様にも分かるよう一から説明してあげましょう。良かったわねー♪」
明確に、彩のことを嘲る京子。
「まず、私がこの街に来た理由からかしらね。それは当然、あなたたち姉妹の魂が目的よ。
 こっちの界隈じゃあなた割と有名人でね、私も野次馬として来てみたの♪」
 それで、魂をいただいちゃうのは簡単なんだけど…その前にあなたをじっくり鑑賞してみようと思ってね。
 夜はそこら辺の妖怪の強さを調整してけしかけて、昼間は転校生として学校に潜り込んでみたの。
 ちょっと魅了の術を使ったら、すーぐに仲良くなれちゃった♪」
「術っ…!?」
「そんなに驚かなくても。そうでもなきゃ、あんなに仲良くなれるはず無いじゃない。私たち親友よね?」
神経を逆なでする言葉の連続に、次第に彩もいら立ちを隠せなくなってくる。ただ、それよりも気になるのは。
「妖気は…感じなかった…!術だなんて、まさかそんなっ…!」
「お子様のあなたに気づかれないよう術を使うなんて、とーっても簡単なことよ?
 もしかして、私が今出してる妖気が全力だと思ってるのかしら?あなたに居場所を知らせてあげただけなのに、心外ね。それじゃあ…」
――周囲の木々がざわめく。あまりに強大な妖気のうねりがそこに表れた。

142 :姉妹の終末:2011/10/12(水) 00:16:26.75 ID:Q56rEYzE
長い髪は色が黒から金へと変色し、そして彼女の妖怪としてのアイデンティティである耳と尻尾が生えた。
やや幼さを内包していた体は、成熟し完成された大人のプロポーションへと成長する。
それと共に、彼女を“京子”たらしめていた制服は吹き飛び、周囲の妖気が紫を基調とした禍々しい和服を形作る。

こうして、京子は凶狐への変貌を終えた。
「これが本当の私…凶狐としての姿よ。普段は退魔士狩りをしているわ。名前ぐらい、聞いたことがあるんじゃないの?」
凶狐の言うとおり、彩はその名を聞いたことがあった。一般人には興味を示さず、もっぱら退魔士のみを襲う妖狐がいると。
今まで何人もの退魔士が襲われ、その命を刈り取られてきたという。
しかしそんな事は、今の彩には関係無かった。ここで逃げても人質の結は殺されるだろう。結を見捨ててまで、生き延びるつもりは毛頭ない。
そして立ち向かったところで、結を救い出すことができなかったとしても…。一矢報いる。彼女にとって、妖怪すべてが両親の仇だから。
覚悟を決めた彩を見て、凶狐は楽しそうといった風ではなく、嬉しそうに笑った。
「流石だわぁ、彩…。この私の妖力を見て、怯えるどころかそんな勇猛な目ができるなんて!
 そうね、話の続きに戻るけれど。私はあなたその目がとってもとっても気に入って…あなたを私のペットにしたいと思ったの!
 その強い目をしたあなたが、私のことをご主人様ぁって呼んでおねだりすることを考えただけで…たまらないわ、本当に!」
「ふっ…ふざけるなっ!!」
「ふざけてなんかいないわ?大真面目にあなたと二人っきりになろうとしたのに、あなたったらぜーんぶ断るんだもの。
 それに、あなたにも十分メリットがあると思うのだけれど」 
今にも飛びかかりそうな彩を前にして、凶狐は大げさなジェスチャーをわざわざ見せつける。
両手を広げ目をつぶり、芝居がかった物言いで再び話し始めた。
「人間は哀しすぎるわ…哀れ哀れ。いかに力があろうとも、それは一瞬の泡沫。一瞬の輝きの後は、老いと共に醜く輝きを失っていくだけ。
 あなたは美しい魂を持っているわ、私の元でその輝きを永遠にしましょう?そして一緒に退魔士を狩るの。楽しいわよぉ」
「…うるさい」
「んー?」
「あんたの戯言なんて心底どうでもいいっ!!いいからさっさと結を返しなさい!」
「そんなこと言って、返すワケないでしょ?ホント、お子様なんだから」
「だったら、力ずくで返してもらうだけだわ!」
「あらあら、ついさっきまで親友だった私のことをぶん殴ったりしちゃうの?こういう場合って躊躇するものだと思うんだけど」
「お前が、妖怪ならああぁっ!!」
突進してくる彩を見て、予想通りの反応に気を良くする凶狐。そして待ちに待っていた様子で一言、呟いた。
「起きなさい」



彩の凄まじい怒気を孕んだ拳は、軽々と受け止められた。
凶狐ではなく、結によって。

彩には、目の前の光景が信じられなかった。その表情を見て、より笑みを増す凶狐の顔。
そして僅かな間の後、結が口を開く。
「だめだよぉ、お姉ちゃん…“ご主人様”に手を上げるなんてぇ」
もう、訳が分からない。なぜ?どうして結が妖怪のことを守った?。ご主人様と呼んだ?妖怪のことを?。
「ホントはねー、さっさとあなたを妖狐にして、結ちゃんは魂食べて終わりにしようと思ってたんだけど。
 でもあなたをおびき出すためのエサになってもらったし、せっかくだから、ついでに妖狐にしちゃった♪」

妖 狐? 結 が?
「お姉ちゃんに見せてあげなさい?あなたの、生まれ変わった姿を…♪」
「はい、ご主人様」
彩にとって理解を拒みたくなるほど残酷な現実が、目の前で展開された。
溢れだす強大な妖気。金色へ変化していく髪。その変化はついさっき、京子が凶狐となった時とまったく同じ。
そして、制服のスカートの下から尻尾が覗き、頭にピンと尖った耳が生成される。
人間から妖怪となった現実が証明された。

143 :姉妹の終末:2011/10/12(水) 00:17:31.72 ID:Q56rEYzE
「あっ……あああっ…そんな、結っ、結ぃ……っ!!!」
「どうお姉ちゃん?似合ってるかな?」
無邪気な声だけは変わらない。だがそれも、今では結が変わり果てたことを突きつける材料の一つでしかない。
「はぁ…こんなにすごい力が、私の魂の中に眠ってたなんて。
 あはっ、これだけの力があれば、私もうお姉ちゃんに頼らなくても生きていけるよ♪」
自らの力に酔う結。一方で彩は、妖狐となった最愛の妹を見て茫然自失となり、膝をついていた。
そんな彩へ向け、凶狐は投げ捨てるように刀を放った。
「あなたがいつも使っている退魔刀よ。結ちゃんにはあなたに勝てるぐらい、魂から力を引き出してあげたわ。…霊力じゃなく、妖力としてね♪
 手ぶらじゃ勝ち目ないでしょうから、それ、持ってきておいたの。ありがたく思いなさい♪」
絶望に打ちひしがれていた彩だったが、凶狐の声に我を取り戻す。
「さぁ、姉妹で戦ってみせて?と言っても刀は振るえないかしらねぇ、あなた結ちゃんのこと大好きだものねぇ…。
 ふふっ、愉快愉快…♪愉快だわとっても……あーっははは!!!!」
「黙れ」
自我を、妖怪に対する憎悪を取り戻し、退魔刀を片手に立ち上がる彩。
この現実を打ち砕くには、あの妖狐を倒すしかない。もはや表情に迷いはなかった。
「あらあら、怖い怖い…。それにしても、もうちょっとあなたが絶望している顔を見ていたかったのに。
 まぁいいわ、結ちゃん、お姉ちゃんと遊んでらっしゃい♪」
「わかりました♪」
凶狐の命令に従い、結は姉目掛けて駆けだした。一方の彩も、妹と戦うことは不可避だと悟って迎え撃つ姿勢を示す。


***


姉妹の戦いは、結が主導権を握っていた。結の戦い方はまるで稚拙であったが、彩を圧倒する妖力がそれを補って余りある。
刀を向けるのはともかくとして、結を取り戻すためならばある程度の怪我をさせることになっても仕方ないと考えていた彩だったが、その妖力に舌を巻いていた。
「それそれ♪」
大量の妖力の塊を、姉へと撃ちだす。その弾幕の密度は、彩を回避に専念させるのに十分過ぎるほど。
それでも彩はじっくりと結へ近づいていく。これまで刀や自らの四肢を武器としてきた彼女にはそれしかないのだが、しかし。
「またぁ?無駄だよ、お姉ちゃん!」
結は、どうあがいても回避できないほどの、巨大な妖力の“壁”を彩へ向けて放った。
刀を構えその壁を防御する彩だったが、次第に押されはじめ、最後には後方へ吹き飛ばされる。
同じパターンだった。
(近づけない…っ)
ここまで強力な妖怪とは、今まで対峙したことが無い。しかもそれが、自分の妹だなんて。
だが、勝機が無いわけではない。結の戦い方は雑で単調、近づく事さえできればあるいは。とにかく、あの壁を突破することが何より必要になる。
今までは、受け止めようとしてもその度に押し負けてきた。
(だったら)
一つ、打開策を思い立った彼女は、再び結に向かって走り出した。

向かってくる姉に対し、再び妖力の雨を浴びせかける結。その弾幕を必死に避けながら、近づいていく彩。
「まったくもう…無駄だって、言ってるのに」
結は近づいてきた姉に、これまでと同じように妖力の壁を放つ。
それを見た彩は、退魔刀を構えるのではなく、地面へと突き刺した。
絶対に、耐えきる。そう思いながら、刀を握る両手に全力を込めた。
「はあああっ!!」
さらに、圧しつけられる妖力から己の身を守るため、霊力を全身から出し切る。
激しい霊力と妖力のぶつかり合いが続く。しかし、先ほどまでとは違い、彩は吹き飛ばされることなくその場に留まり続ける。
そして、彩が耐えきると……姉妹の間には、遮るものが一切なくなった。
すぐさま動き出した彩に対し、耐えられるなど予想もしていなかった結は呆気にとられ、何もできずにいた。
「えっ…」
「結っ、ごめん!」
結を気絶させるため、拳を握りしめる彩。その拳が届くほど、二人の距離が極小に縮まった時。


144 :姉妹の終末:2011/10/12(水) 00:18:14.50 ID:Q56rEYzE
「はい、ストーップ♪」
彩の動きが、急に止まった。それは彼女が躊躇したからでははない。強制的に、動きを止められたのだ。
二人の元へ、戦いを制止した張本人、凶狐がゆっくりと歩み寄ってくる。
「ぐっ…凶狐ぉ!!」
「そんなに怒らないで?私の可愛い結ちゃんが危険な目に遭いそうになったら手を出すのは当然でしょ?
 それとも、一対一の戦いだと勝手に思い込んでたのかしら?」
凶狐を激しく睨みつける彩だが、凶狐はやはり笑顔を崩さない。
「けれど、結ちゃんを追い詰めるなんて私も驚いたわぁ」
「申し訳ありません、ご主人様ぁ…」
「いいのいいの♪あなたのお姉ちゃんが凄いのよ、謝る必要はないわ♪
 それじゃ、今度こそ不覚を取らないよう…」
喋りながら、凶狐が手をかざすと、彩の体を縛り付けていた妖力が形を変える。
すると彩は仰向けに倒され、両手両足を地面に固定されてしまった。抵抗を試みるものの、妖力の枷はびくともしない。
「し〜っかりと、押さえつけておかなきゃね…。
 さあ、それじゃ結ちゃん、続きをどうぞ」
「ありがとうございます、ご主人様っ♪」
動けない彩にまたがり、結は姉の顔を覗き込む。
「お姉ちゃん♪これでようやくお話できるね♪」
「結っ…お願い、正気に戻って!あなたは操られてるのよ!」
「安心して、私は正気だよぉ。だからこそ、お姉ちゃんにご主人様のペットになる素晴らしさを教えてあげたいのぉ…」
もはや結は姉の言葉に聞く耳を持たない。彩は何もできない自分の無力さを呪った。
「お姉ちゃんの魂を無理やり妖気で染め上げてもいいんだけどぉ…そしたらお姉ちゃん辛いだろうし、精神が壊れてお人形になっちゃうかもしれないし。
 だ・か・ら、もっと優しい方法でお姉ちゃんを妖狐にしてあげるね♪」
「私を、妖狐に…?
 結、やめ…っ!?」
その時、結の瞳が赤く光った。
それと共に彩は、自分の胸が高鳴っていくのを確かに感じる。頬は紅潮し、まるで恋人を前にしているかの様。
(なに…なんで…私っ…)
結が使ったのは、魅了の術だった。それも、凶狐が学校で密かに使っていた時とは、比べ物にならないほどの妖気が込められている。
その瞳をまともに見てしまえば、一瞬にして虜になってしまうのは当然だった。
「ねぇお姉ちゃん…お姉ちゃんは、私のこと好き?」
「す、好きって…結は、私の、妹だからぁっ」
「そんなぁ…私は、お姉ちゃんのこと大好きなのにぃ…」
悲しそうに呟きながら、結は更に顔を近付ける。そして、耳元でそっと囁いた。
「いいんだよ?家族でも、女の子同士でも…。だって、それが本当の気持ちでしょ?」
「でも…」
「もう一度聞くね。お姉ちゃん、私のこと…好き?」
「あ…私…は…」
誘われるがままに、自らの思いを口にしてしまう。
「結のこと…が…好き…」

145 :姉妹の終末:2011/10/12(水) 00:19:00.14 ID:Q56rEYzE
「あはっ、嬉しい♪やっと自分の気持ちに素直になってくれたね」
満面の笑みを浮かべる結。そして、その勢いで姉と口づけを交わす。彩は突然のことに驚くも、すぐにそれを受け入れた。
互いに舌を絡ませ、濃厚なキスを積極的に味わう。
「んんっ……んあっ、おねえ、ちゃんっ…んむぅ」
(ああ…結、結ぃ…)
この手が自由だったなら、今すぐ抱きしめるのに。
もはや眼前にある愛おしい妹だけが彩の全てで、それ以外のものは彼女にとって些細なこととして消え失せていた。
「あっ…」
結が少し体を起こすと、彩は物足りなそうにうめきを漏らす。その反応を見て、満足そうな表情を浮かべる結。
「んふふ、もっとしてたかった?お姉ちゃん」
「うん、もっと…もっとしたい…」
「私もしたいけど…ごめんねぇ、お姉ちゃん。大事なお話があるの」
「大事な話…?」
「お姉ちゃんは、今まで私を守ってくれたよね。これからも、守ってくれるよね?」
「守るわ…結の事は、絶対に」
「嬉しい♪それじゃあ…これからは、私と同じ妖狐になって、私を退魔士から守ってくれる?」
「え…」
僅かに残っていた希薄な自我、つまるところ妖怪への憎悪が、結の言葉へ拒絶反応を示した。
しかしそれは余りにか弱く、すぐにかき消されてしまう。
「私ね、妖怪になっちゃったから、退魔士に襲われちゃうの。でもお姉ちゃんだったら、襲ってきた退魔士を殺してくれるよね?」
「殺す…結を傷つけようとする奴は、誰だって殺す」
今や何より妹が愛おしい彩にとって、結の言葉は絶対だった。
かすかに残っていた妖怪への憎悪も、もはや関係無い。その忌むべき対象だった存在に自分が堕ちることに対しても、まったく躊躇は無かった。
「じゃあ…私と同じ、妖狐になってくれるのね?」
「なる…なって、結の事、守る…。結を襲う奴は…退魔士は、みんな殺す」
「あはっ、ありがとうお姉ちゃん♪
 それじゃ…ご主人様に、お願いしよ?」
「ご主人、様?」
「そう、私たちのぉ、ご主人様」
手足の拘束はいつの間にか解かれており、自由となった体を起こすと、凶狐が傍らに立っていた。
それを見上げる彩の目は、先ほどまでの敵意をむき出しにした瞳とは程遠いものだった。
産まれたての雛が初めて親を見、認識するように、彼女も見上げた妖狐を、自らの主であると認めた。
「ご主人様…私を、結と同じ、妖孤にしてください…」
彩の言葉を聞いて、凶狐は可笑しそうにしばらく笑っていた。だが、今の彼女にはその理由を理解することができくなっていた。
「あはっ、あはははは…いいわよ、あなたも妖孤にしてあげる♪感謝しなさぁい♪」
「はい、ありがとうございます」
直後、凶狐は彩の胸に手を沈めた。魂を抜きだすために。
それに対して拒否する素振りも見せず、彩はただ目を閉じ、静かに座っている。
そして抜き出された魂は、まばゆいばかりの輝きを放っていた。
「ふふっ…これが彩ちゃんの魂か…綺麗ね、素敵素敵♪
 それじゃあこの魂を、妖気で染めてあげるわね♪」
凶狐の掌から、濃密な妖気が発生し、彩の魂を包み込んでいく。
次第に魂は輝きを失い、黒く濁り始めた。しかし彩の表情は、恍惚とし蕩けている。魂が犯される事を受け入れてしまった今、彼女が感じるのは多幸感だけ。
やがて魂が吸い込まれるような漆黒に染まると、凶狐は彩の魂に印を切った。それは、永遠に消えることの無い隷属の証。

146 :姉妹の終末:2011/10/12(水) 00:19:33.10 ID:Q56rEYzE
魂を穢し終えると、凶狐はそれを彩に向けて差し出した。
「さぁ…受け入れなさい。新たな力で染まった、あなたの魂を…」
「はい…♪」
凶狐がゆっくり魂を差し出すと、彩は自らの胸に、その漆黒の魂を沈めた。
「あぁっ、すごい…さっきまでの私が全然ちっぽけに思えるぐらい、力が溢れて…。
 こんな強力な力を授けてくださって…ご主人様、ありがとうございます」
「違うわぁ、私がしてあげたのは、あなたの魂に眠っていた力を解放してあげただけ。
 それがあなたの本当の力なの。さぁ…彩ちゃん。あなたの本当の力を…姿を見せて?」
「かしこまりました、ご主人様……あはぁっ♪」
魂の中の妖力を、自らの身体全体へ行き渡らせる。その妖力は身体の中に収まりきらず、周囲に大きな妖気のよどみを生み出す。
長いポニーテールは金色に染まり、左右には一対の尖った耳が生えた。
更に尾てい骨のあたりから大きな尻尾が生えると、彩はその器官を確かめるように左右に振った。
「これが…私…」
「どうかしら?妖孤に生まれ変わった気分は…」
「素敵です…この力があれば、結を守れる…退魔士を根絶やしにできる…♪」
彩の目には、すでに退魔士への殺意が確固たる意志として存在している。
だがその意志の中には妹を守る義務感と共に、殺戮を楽しまんとする凶気が同居していた。
その凶気を確認した凶狐は、楽しそうに笑った。


***


とある退魔士協会の支部。
そこには十数人の退魔士が常駐していたが、二体の妖孤によってあっけなく壊滅させられた。

「あはははは、痛い?痛いでしょう?」
一人の男退魔士を刀で貫き、楽しそうに笑う彩。
その刀はかつては妖怪を切り裂く退魔刀であったはずだが、今では妖気を纏った妖刀と化し、何人もの退魔士の血を吸っていた。
「大丈夫、すぐに楽にしてあげるから…ねっ」
刀を突き刺したまま、彩は男の胸に手を沈め、無造作に魂を抜き出す。
「や…め…」
「大した霊力じゃないけど…せっかくだから、頂くわ」
そのまま男の魂を口に運び喰べると、男は事切れた。

辺りには血の匂いが充満し、そこで行われた凄惨な行為を証明していた。
しかし彩はそれを気にする様子もなく、血に塗れた妖刀をうっとりとした表情で舐めずる。むしろ、その光景に酔っているかのようだ。
そこへ結が姿を現した。
「お姉ちゃん、お待たせー」
「あら、結。大丈夫だった?」
「もっちろぉん」
「もう、私一人で十分だったのに…結が戦ってると思うと気が気じゃないわ」
「そういう割には、いつも楽しそうに見えるけど?」
「だって、退魔士を狩るの…楽しいんだもの♪」
「私を守るんじゃなかったのー?」
「ごめんごめん。つい、ね?」
そう言うと、最愛の妹を前にして抑えきれなくなったのか、彩は結に自らの唇を重ねる。
姉妹はお互いの唇を貪りあい、艶めかしい粘着質な音が部屋を支配した。
「…さぁ、ご主人様のところへ戻りましょう?そしてこの続きを…」
「うん♪」
結が頷くと、二体の妖狐の姿はそこから消え去った。

<終>

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