ここから本文です。現在の位置は トップ > 地域ニュース > 兵庫 > 記事です。

兵庫

文字サイズ変更

支局長からの手紙:尿管結石 /兵庫

 豊岡市など県北部でドクターヘリが活躍しています。医師を乗せて事故現場や急病人宅へ飛ぶヘリコプターで、治療を始めるまでの時間や病院に搬送する時間を短縮できます。

 私は2年前、救急搬送の大切さを痛感しました。当時住んでいた堺市の自宅で、腹痛が始まったのです。トイレに行けば治るだろうと軽い気持ちでいたところ、痛みはエスカレートしていきます。

 虫垂炎かとも思いましたが痛みはどんどん激しくなり、次第に動けなくなり、ついに生まれて初めて自分のために救急車を呼びました。

 救急車が到着してほっとしたのもつかの間、救急車はなかなか動き出しません。受け入れる病院を探すものの、「ベッドがいっぱい」「医師がいない」などの理由で次々断られ、脂汗がにじみ出ました。ようやく決まった堺市内の病院に入院、尿管結石と診断されたのです。

 尿管結石の治療法は、体の外から衝撃波を当てて石を砕く方法が主流のようです。しかし、私の場合、石がX線写真に写りにくかったため、飲み薬で石をできるだけ溶かして尿から出すことになりました。痛み止めの薬を処方してもらい退院、退院後に尿から夏ミカンの種とほぼ同じ大きさの石が出ました。

 くしくも今月初め、民主党の小沢一郎元代表が尿管結石で入院しました。テレビの情報番組では「尿管結石は出産より痛い」「いや出産の方が痛い」と議論にもなりました。私は担当医から「あらゆる痛みの中でも尿管結石の痛みはかなり上位だ」と言われました。

 尿管結石は再発することもあります。もうあんな苦しみは二度と味わいたくありません。予防のため、水分を多く取ることを心がけていますが、もしもう一度あの痛みに襲われたらと考えると、但馬の救急搬送体制の充実を願わずにはいられません。【豊岡支局長・山田英之】

〔但馬版〕

毎日新聞 2011年10月16日 地方版

 
地域体験イベント検索

おすすめ情報

注目ブランド

特集企画

東海大学:サイエンスマスター育成

広い視野をもった理系の人材育成が目標