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ホットスポット 市民に自主性、相次ぐ発見

産経新聞 10月16日(日)7時55分配信

ホットスポット 市民に自主性、相次ぐ発見
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ラジウムが見つかった東京・世田谷の現場近くでは、線量計で放射線量をはかる市民の姿がみられた (矢島康弘撮影)(写真:産経新聞)
 東京都世田谷区の民家で放射性物質のラジウムが見つかるなど住民による独自の測定で局所的に高い放射線量が計測される「ホットスポット」の発見が首都圏で相次いでいる。東日本大震災後の福島第1原発事故以降、政府をはじめ行政への不信が積み重なり、住民に自主性が生まれたとの指摘がある一方、専門家ではない住民が測定することで思わぬ混乱を招くこともある。

 「放射線量の高い場所がある」

 世田谷のラジウム騒動は区民のこんな情報提供が発端だった。横浜市が今月12日、市内のマンション屋上でストロンチウムが検出されたと明らかにしたのも、住民が民間機関で検査してもらったためだった。8月に川崎市の公園で泥から見つかったセシウムは、独自に放射線量を測定していた市民グループが発見した。

 千葉県船橋市の公園で12日、毎時5・82マイクロシーベルトの高い放射線量を測定し、市へ届け出た市民グループ代表、朝倉幹晴市議(48)=市民社会ネット=は「公園のような広場の片隅は隠れた『マイクロ・ホットスポット』が存在して危険だが、行政は測定しない。自分たちで調べることで、どんな場所に注意すればいいかの目安になる」と話す。

 朝倉さんは駿台予備学校で生物を教える傍ら市議を務め、原発事故以降、仲間数人や1人で国産の放射線測定器を手に船橋市内200カ所を調査したという。

 ▼子供のため測定

 東京都の主婦(42)は事故直後から5、6人の市民グループへ参加し、子供の遊び場となりそうな公園や団地の広場で測定を繰り返してきた。主婦は「測定に追われ家族の時間を犠牲にすることもあるが、子供のため仕方ない。2カ月前には自宅近くの団地で0・7マイクロシーベルトを計測し、行政になるべく早い除染を依頼したが、してもらえない。温度差を感じる」と訴える。

 放射線医学総合研究所(千葉市)の神田玲子上席研究員は「住民の間に放射線の問題を、数値を基準に考える姿勢が普及したのはよいことだ。住民が危険そうな場所の情報を行政へ提供し、専門家に正確に測定してもらうという協力関係が重要になる」と話す。

 今回問題になったラジウムをめぐっては平成14年、岡山県の民家の離れの床下から鉛の容器などに入ったラジウムが見つかり騒ぎになった。住人(故人)が昭和50年代、ラドン温泉を経営していた際に「健康水」を作るため使ったものが放置されていた。3年前には千葉県の塗装会社が廃業後、物置へ夜光塗料用を放棄し、放射線障害防止法違反の疑いで書類送検された。小規模な医院で医療用ラジウムが廃業後に放置される例も相次いでいる。

 ▼行政への不信感

 市民グループが放射線の測定を繰り返す中で、世田谷のケースのようにかえって無用な不安を与えかねない騒動へ発展することもある。船橋市議の朝倉さんは「今回は特殊な事例だ。行政ができない以上、測定は続ける」と語った。

 群馬大学の堀正教授(人間行動論)は「原発事故直後の政府の情報発信があまりにまずかったため、行政への不信感が重なり『市民』の間に自主性が生まれた」と指摘する。

 世田谷のラジウムについて、文部科学省は「普通に付近を往来する程度なら年間1ミリシーベルト以下に収まるため、健康への悪影響はない」と強調した。

 京都医療科学大学の遠藤啓吾学長(放射線医学)は「ホットスポットでは局所的に高い放射線量となるが、広く近隣住民へ悪影響を与えるわけではない場合が多い。過剰な反応をすることはない」と話す。

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最終更新:10月16日(日)8時10分

産経新聞

 

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