東京電力は15日、福島第1原発事故の復旧作業拠点となっている「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町)内で撮影した写真32点を公開した。敷地内に設置された診療所や売店などに加えて、使用済みの防護服など放射性廃棄物を入れた無数のポリ袋が約5メートルの高さまで山積みされている集積所の写真もある。東電によると、この廃棄物の量は現在、約4000立方メートルに上るという。
また同原発1、3号機の原子炉建屋を上から赤外線カメラで撮影した画像も公開した。
原子炉建屋内部は放射線量が高く、立ち入ることができないため、事故後設置したクレーンに取り付けたカメラで撮影した。東電によると、最も温度が高い場所は1号機で約35度、3号機で約40度。格納容器の上部にあるコンクリート製のふたの隙間(すきま)から漏れ出た水蒸気が原因とみられるという。建屋表面の平均温度は約20度だった。東電は「以前見えていた湯気が今はない。原子炉冷却が進んでいるのではないか」としている。【神保圭作】
毎日新聞 2011年10月15日 22時17分(最終更新 10月16日 2時44分)