脳脊髄液減少症 初の診断基準
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脳脊髄液減少症 初の診断基準

10月15日 7時10分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

交通事故の衝撃などで脳や脊髄の周りの髄液が漏れ出し、頭痛やめまいを起こす「脳脊髄液減少症」について、CTやMRIの画像などから髄液の漏れを確認するとした初めての診断基準を、専門家で作る研究班がまとめました。

「脳脊髄液減少症」は、交通事故の衝撃などで脳や脊髄の周りにある髄液が漏れ出し、頭痛やめまいを起こすもので、全国で10万人を超す患者がいるという推計がある一方、当初は、存在自体を疑う医師もいました。このため、さまざまな立場の専門家で作る研究班が5年にわたって検討を行って、初めての診断基準をまとめ、14日、発表しました。この中で、脳脊髄液減少症を診断する際には、立ち上がった際に頭痛があることを前提に、CTやMRIの画像などから髄液の漏れを確認するとし、一部で行われている、放射性物質を加えた薬剤による検査については、精度が低く参考程度にするとしています。しかし、この基準で症状を訴えた100人を診断したところ、実際に髄液の漏れを確認できたのは16人にとどまり、研究班では、髄液の漏れが見えない人はほかの原因も考えられ、さらに研究が必要だとしています。研究班の代表を務める国立がん研究センターの嘉山孝正理事長は「新たな基準で診断された患者が今後、有効な治療を健康保険で受けられるよう取り組んでいきたい」と話しました。