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【神奈川】

放射線量問題、多摩の公園に貝殻 「誰が持ち込み」川崎市職員ら戸惑い

平間公園での除染。市民からの通報があったからこそできた=川崎市中原区で

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 東京・世田谷区の区道で検出された高い放射線量は人為的である可能性が高まったが、川崎市で見つかったホットスポットにも職員が首をかしげる例があることが十三日、分かった。多摩区の稲田公園で毎時一・七マイクロシーベルトの泥が見つかり、園内のプールが使用できなくなるなど市民を震撼(しんかん)させたが、この泥に、現場からは遠い海のものとみられる貝殻が入っていた。「誰が持ち込んだのか」と市職員らは戸惑っている。 (山本哲正)

 同公園のホットスポットは八月下旬に市民グループからの通報で分かった。しかし公園の清掃などを委託している業者やプールの職員はいずれも、この泥に心当たりがなかったという。

 ただ、川崎市は市民からの通報を、市民の安全や不安解消につながるとして歓迎する立場だ。これに先立つ八月中旬、同じくプールのある平間公園(中原区)で、市民団体が同一マイクロシーベルトを超す線量を計測したのがきっかけだった。通報を受けた市の計測でも同〇・九マイクロシーベルトあり、プールの利用を中止。子どもたちの安全を図れた。

 市はそれまでにも学校や公園など四百四十七カ所で放射線量の測定をし、問題なしとしてきた。しかしこの件を境に、市独自に、また市民らからの通報にヒントを得て、公園や学校の落ち葉集積場や側溝の泥などの測定を重ねた。その数は公園だけでも七十三カ所。

 市は同〇・一九マイクロシーベルトを安全の目安に取り組み、市民から「前例のない事態に、市職員は十分動いてくれている」と感謝の声すら出ている。ただ、汚染土壌などの処理は難しい。下水汚泥の焼却灰と同じく飛散防止をしながら川崎区浮島町の市有地で一時保管。その最終処分方法を探っている。

 

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