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事件
市民に自主性 ホットスポットを相次ぎ発見 広がる不安、混乱招く恐れ
世田谷区弦巻の住宅街で高い放射線量が測定され、付近の歩道の立ち入りを規制する囲いが設置されていた。線量計を自分で購入し神奈川県から訪れ放射線量をはかる女性=10月13日午後、東京都世田谷区弦巻(矢島康弘撮影)
放射線医学総合研究所(千葉市)の神田玲子上席研究員は「住民の間に放射線の問題を、数値を基準に考える姿勢が普及したのはよいことだ。住民が危険そうな場所の情報を行政へ提供し、専門家に正確に測定してもらうという協力関係が重要になる」と話す。
今回問題になったラジウムをめぐっては平成14年、岡山県の民家の離れの床下から鉛の容器などに入ったラジウムが見つかり騒ぎになった。住人(故人)が昭和50年代、ラドン温泉を経営していた際に「健康水」を作るため使ったものが放置されていた。3年前には千葉県の塗装会社が廃業後、物置へ夜光塗料用を放棄し、放射線障害防止法違反の疑いで書類送検された。小規模な医院で医療用ラジウムが廃業後に放置される例も相次いでいる。
■行政への不信感
市民グループが放射線の測定を繰り返す中で、世田谷のケースのようにかえって無用な不安を与えかねない騒動へ発展することもある。船橋市議の朝倉さんは「今回は特殊な事例だ。行政ができない以上、測定は続ける」と語った。
群馬大学の堀正教授(人間行動論)は「原発事故直後の政府の情報発信があまりにまずかったため、行政への不信感が重なり『市民』の間に自主性が生まれた」と指摘する。
世田谷のラジウムについて、文部科学省は「普通に付近を往来する程度なら年間1ミリシーベルト以下に収まるため、健康への悪影響はない」と強調した。
京都医療科学大学の遠藤啓吾学長(放射線医学)は「ホットスポットでは局所的に高い放射線量となるが、広く近隣住民へ悪影響を与えるわけではない場合が多い。過剰な反応をすることはない」と話す。
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