米ニューヨークで始まった反格差デモ「ウォール街を占拠せよ」は15日、欧州やアジアに飛び火。ロイター通信などによると、債務危機が懸念されるイタリア、スペイン、ポルトガルでは首都で、ユーロを発行する欧州中央銀行本部があるドイツ・フランクフルトやロンドン証券取引所の近くではそれぞれ数千人がデモ行進した。主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議があったパリでもデモがあり、ローマでは参加者が車に放火するなど暴徒化し、30人が負傷、4人が逮捕された。
世界中にデモを呼びかけた提唱者によると、15日のデモは計82カ国、951都市に広がる見通し。
ベルリンでは首相府前に数千人が集結。「平等な社会を実現せよ」などと叫び、警官隊とにらみあった。
イタリアでは14日のベルルスコーニ首相に対する信任投票で首相が信任された後、ローマの首相府前などで市民が抗議を開始。15日にはデモ隊数万人の一部がローマの観光名所・コロッセオ近くで車2台に放火、銀行の窓ガラスを割るなどしたため、警官隊が催涙ガスを発射、放水も始めた。
韓国の首都ソウルで約500人、台北でも約100人が貧富の格差解消を訴えた。東京でも計3カ所で約500人がデモ行進した。【石原聖】
毎日新聞 2011年10月15日 23時50分(最終更新 10月16日 2時23分)