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米韓、かつてない蜜月 首脳会談、日米関係との差際だつ

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ホワイトハウスで13日、歓迎式典で子どもたちと握手するオバマ米大統領(中央)と李明博韓国大統領=ロイター

 13年ぶりに国賓として訪米した韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領とオバマ米大統領は13日の一連の公式行事で、米韓関係の蜜月ぶりを演出した。朝鮮半島を越え、中東など地球規模での連携も視野に入れる。首相の公式訪米が宙に浮いたままの日米関係との落差が際だった。

■スピーチ、「一緒に」が13回

 オバマ氏 「米韓同盟はかつてないほど強固だ」

 李氏 「米韓自由貿易協定(FTA)は、両国関係の新たな章を開く」

 小雨の中、ホワイトハウス南庭で開かれた歓迎式典。両首脳は計15分間ほどのあいさつで「一緒に」との言葉を13回も繰り返し、互いを「パートナー」「親友」と呼び合った。

 「今回は本当に何から何まで初めて尽くしだ」

 韓国大統領府幹部は12日、韓国メディア以外に立ち入りを禁じた記者室を訪れ、米国防総省で「タンク」と呼ばれる情報分析用の特別会議室に李氏が外国首脳として初めて招かれたことを自慢げに紹介した。

 実際、米側は最上級の厚遇で迎えた。12日夜には両首脳はワシントン郊外の焼き肉店で夕食をともにし、13日は歓迎式典や晩餐(ばんさん)会に加え、「親しい友人への高位の儀礼」(オバマ氏)とされる上下両院合同会議での演説も実現した。14日には、オバマ氏がデトロイトまで出向いて自動車工場を視察する。両首脳は10時間も一緒に過ごす計算だ。

 李政権が今回最重視したのは、米韓同盟を軍事分野にとどまらない「多元型」に発展させることだった。12日には悲願だった米韓FTA法案が米議会で可決され、同盟に早速、「経済」の要素が加わった。

 首脳会談では同盟発展の実例として、リビアの民主化定着に向けたインフラ建設で協力することで合意。財政難も背景に国際社会に協調行動を求めてきたオバマ氏は韓国を「地球規模のパートナーになった」とたたえ、韓国政府高官は訪米を「満点だ」と自賛した。

■中国との距離感に差

 蜜月の背景は、両首脳の個人的な信頼関係や北朝鮮情勢の緊張だけではない。米国がアジア関与の「礎石」と頼む日本との関係が、相次ぐ首相交代や米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で定まらない中、アフガニスタンへの再派兵など対米支援で行動を重ねた韓国が「最も信頼できるパートナーとして浮かび上がった」(米専門家)側面もある。

 だが、米韓関係に不安要素がないわけではない。

 その一つは中国との距離感だ。米国は同盟国・韓国を抱き込んで中国と相対する構図を描く一方、韓国は米韓同盟を中心に据えつつ、中国も重視するというかじ取りを迫られてきた。米韓FTAが発効に向かうなか、中国は韓国にFTA締結を強く要求。韓国政府は年内の交渉開始と慎重論で揺れながら、中国の出方に神経をとがらせる。

 北朝鮮の核問題でも、来年11月に大統領選を控える米国は、北朝鮮の挑発行為を阻止することを重視。李大統領の任期満了を前に南北関係で成果を残したい韓国の思惑が常に一致するとは限らない。(ワシントン=箱田哲也、村山祐介)

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