民主党は15日、野田政権発足後初の全国幹事長会議を東京都内のホテルで開いた。野田佳彦首相(党代表)は会議の冒頭、「転がり落ちた雪だるまを、また上に持って行くのは労力がかかる。地域で根を張って活動されている皆さんの後押しが必要だ」と協力を要請。地方代表からは環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について、積極的な情報開示を求める意見が出た。
野田首相はあいさつで、民主党政権の現状について「国民の多くが『政権交代をしてよかった』と思える実感はまだない」との認識を表明。民主党の輿石東幹事長も「民主党のラストチャンスは日本の政治のラストチャンスとイコールだ。新たなスタートを共有したい」と語った。
その後の非公開の質疑では、地方代表からTPPに関して「党内の議論が伝わっていない。県連でもよく分からない状態では国民には通じない」との意見が出た。次期衆院選をにらみ、「TPPは選挙にかかわる。きちんと議論して全国に伝えてほしい」との注文もあった。
一方、会場の雰囲気は首相のあいさつで笑いが起きるなど、党内対立が続いた菅前政権下とは一変した。首相は閣僚の資産公開で自身の資産が歴代首相で最少だったことに言及。「お金はないけれど、されど志あり。資産はないけれど、全国によき同志あり」と結束を呼び掛けた。【高橋恵子】
毎日新聞 2011年10月15日 20時33分