□投稿者/ Townmemory -(2009/05/22(Fri) 02:09:39)
![](/contents/069/836/183.mime4) | 2009/05/22(Fri) 03:00:15 編集(Townmemory)
みなさん、こんにちは。 スレッド更新、おめでとうございます。
この一連の書き込みは、ルールと駒の動きについて考えるシリーズです。 今回は、重要な駒「銃」について考える……つもりだったんですが、ちょっと難しいんであとまわしにして、ルールX・Y・Zを考える回にしたいと思います。
ひとつだけお願い。 ルールを考える上で、「右代宮邸は時間切れと同時にこっぱみじんになり消滅する」という推理を前提にします。 この推理については、以下↓の書き込みで解説しております。先に、この書き込みを読んでいただけると、理解がしやすくなると思います。
駒の動きその1・南条(大爆発説) no25405
*
さて、ルールX・Y・Zなんですけれども。
これって、もう解けちゃってますよね。たぶん。 みんなだいたい、もうなんとなくわかってる。 「これがX! これがY!」って、指さして的中させてる人は少ないかもしれないですけど、 「あの〜、なんかうまくいえないけど、このへんの現象とこのへんの現象がYとかZなんでしょ?」 くらいのことは、だいたいみなさん考えてるでしょう。たぶん。
それって、「みんなで考えて正解しました」ということで、いいんじゃないかな、と思うんです。
ひとりひとりは、正解できてないかもしれない。 けれど、大勢の「うみねこユーザー」という人たちを、ひとつの集団だと考えると、集団としては、きちんと答えを出せていて、たぶん当たってる。
つまり、 「面で襲いかかって、目標を撃破した」 んだと思うんです。 みんなで、豪雨のように矢をあびせかけた。その結果、だれの矢かはわかんないんだけど、ルールXの的と、ルールYの的と、ルールZの的には、きちんと矢が当たってる。そんな気がするんですよね。
だから、先にいっておきますが、あんまり意外な結論ではないです。
さーあ、ここまで放言しておいて、これから提唱する三つのルールが外れていたら、かーなり恥ずかしいぞう!(笑)
でも、がんばって自説をごらんにいれます。みなさん、よろしくお願いします。
まず、ルールX。
ルールX・Y・Zの式は、小冊子のTIPSで、ベルンカステルが出してくれています。任意の数値を何か適当に当てはめてみて、きちんとつりあったら、正解と見て良い。
ルールXの式は、こうでした。 「このゲーム盤に、ベルンカステルは絶対に勝てない」 「物語が常に6月20日から始まるようなものである」
これはもう、ひぐらしですよね。 6月20日といえば、富竹さんが殺されたあとの日付。 富竹さんが殺されたことを皮切りに、ひぐらしの惨劇はスタートします。 ひぐらしは、いかにして惨劇を回避し、生き残るかというゲームでした。
というか、惨劇を発生させてしまったら、絶対に生き残れないという条件のゲームでした。
つまり、「物語が常に6月20日から始まる」ということは、「惨劇が発生した状態で始まる」ということ。 ベルンカステルは、「惨劇が発生しない可能性世界を探し出す」という方法論によってゲームをクリアしたわけですから、彼女は、「惨劇が必ず発生する」というゲームを絶対にクリアできないわけです。
さて、「うみねこ」で、ひぐらしの富竹死亡に対応する事件とは? ふつうに考えれば、最初の殺人。最初の被害者の発生。 それは「金蔵」である、ということが、すでに明らかになってます。 「金蔵はゲーム開始時には必ず死亡している」と赤字宣告されています。
式に対応します。無矛盾です。 よって、以下の形で良いだろうと推測されます。
●ルールX:このゲーム盤において、「六軒島連続殺人事件が起こらない」という可能性世界(カケラ)は存在しない。 (金蔵死亡状態からスタートするため、必ず発生する)
これは、かなりの人が言い当ててますよね。これでいいと思います。
次。ルールY。
ルールYの式はこうです。 「(ルールYには)ラムダデルタも少しは触れたようだけれど、彼女の域には到底及んでいない」
わかりにくいですよね。 なので、わかりやすいように、勝手にこんな感じに直してみました。 「(ルールYは)ラムダデルタも同じワザを使えるのだが、ベアトリーチェのワザのほうがずっと緻密でレベルが高い」 ラムダが使うのが波動拳だとしたら、ベアトのは真空波動拳、みたいな……。
ラムダデルタは、ひぐらしの事件の黒幕だと推定されるわけですから、ひぐらしの雛見沢村で起こったことと、「うみねこ」の六軒島で起こっていることを比べて、似たような現象があったら、それがルールYである可能性が高いです。
最初は、「どんな現象も魔女のせいにされてしまう」だと思ったんです。 ひぐらしでは、どんな陰惨な事件も、すべて「オヤシロ様の祟り」ということになってしまっていた。 祟りなんだから、そのくらい起こってあたりまえだ。 そうして、村人は殺人が起こっても、それを容認してしまう。だから殺人が止まらない。ラムダもベアトも使うワザとは、これではないか。
でも、どうも違うっぽい。 それは、どっちかというと、「うみねこルールZ」に近い気がするのです。
それで、別の要素を探してみました。 見つけました。 「雛見沢大災害」。 ひぐらしでは、些細な例外を除き、ほとんど全てのルートで、「雛見沢大災害」が発生します。これにより、村人は全滅します。 村人が全員死亡するため、何が起こったのか、外からはいっさいわからなくなります。 六軒島も、ほぼ同様の状態になります。 ある例外を除いて、島の人間は全滅します。 これにより、事件の二日間に、島でいったい何が起こったのか、いっさいわからなくなります。 つまり、島はひとつの巨大な「密室」となる。 密室ということは、「シュレディンガーの猫箱」ということ。 猫は生きてるか死んでるかわからないので、死んでても生きててもいい。どっちの説も同時に存在していい。 六軒島で、何が起こったのか、誰にもわからない。 わからないということは、想像するしかない。 想像は理論上、無限です。 狂った富豪が家族を惨殺したのかもしれない。遺産相続のもつれで殺しあいがあったのかもしれない。夫婦間の愛憎かもしれない。事故かもしれない。冷戦中ですから某国の陰謀とか、スパイ大作戦とか、ダイ・ハード的なこととかエイリアンとか未知との遭遇とかジョーズとかゴジラとかガメラとかモスラとか……?
そう、証拠がない以上、無限の可能性がある。
六軒島の「密室」性は、雛見沢村より、数段緻密で、レベルが高いです。 なぜなら、「雛見沢大災害」は、事件現場が残ってる。そこを訪れて証拠を探すことができる。 そして、大災害の「黒幕」たちには、真相がわかっている。このうちの誰かが白状したら、無限はたちまち有限になり、「1つ」に収束してしまう。
それに対して、六軒島は……。 ここで、大爆発説(no25405)の仮定を持ち出します。これが本当だとしたら、「事件現場」すら残っていない。検証不可能の完全密室です。猫箱のフタを開けようとしたら、箱そのものが消滅した、みたいなことです。 この点において雛見沢より六軒島が上位。ラムダよりベアトが上位。
無限の可能性。その無限のうちの4回を、戦人と、私たちは、味わった。あとどれだけ味わえば終わるのか。簡単な数式で表せます。(無限−4)回です。
一行で書き表せば、こうなります。
●ルールY:「シュレディンガーの猫箱」理論により、六軒島連続殺人事件には無限の展開が存在する。 (館が何らかの理由により消滅するため)
そしてルールZ。
ルールZの式はこれです。 「ベルンカステルにとって致命的に相性が悪い」 「真相から煙に巻く、迷路的な存在」 「地図を書いていくことが意味のない迷路」
ルールYを検討したときに、これは、うすうすわかっています。 魔女の存在。 魔女が存在するかのように人々に思わせる仕掛け。それがルールZの正体にちがいないです。
どうして、みんな「魔女のせいだ」と噂するのでしょうか。 ep4で、この事件は、「魔女殺人事件」とか、呼ばれていませんでしたか。 どうして「ゴジラが現れて熱線を吹いたせい」ではなく、「魔女のせい」なのでしょうか。
それは「ボトルメール」が発見されたからですよね。
ボトルメールに、「魔女が次々と人を殺していった」という内容が書いてある。 だから人々は、魔女の存在を感じて、不気味がるわけです。
そう。ボトルメールが発見されるまでは、六軒島の真実はほんとうに無限だった。スパイ大作戦でもダイ・ハードでも未知との遭遇でも渡る世間は鬼ばかりでもよかった。 けれど、 「犯人は魔女だ」 という内部告発文書がみつかってしまった。 このせいで、六軒島連続殺人事件はジョーズでもゴジラでもモスラでもガメラでもエイリアンでも人間台風ヴァッシュザスタンピードでもなく、魔女ということになった。 波動関数が一定に収束したわけです。
戦人は、ボトルメールの内容を見せられているのです。 ボトルメールの内容が、改竄されてフィクションが混ざってるせいで、「犯人がナイフを振るって殺した」が事実なのに、「魔女が呪いの杭でえぐり殺した」ことになってしまう。 「魔女が呪いの杭でえぐり殺した」に書き換えられたせいで、「犯人」と「ナイフ」が隠蔽されてしまった。 次のボトルメールでは、「シエスタ姉妹が黄金の矢で射殺した」になっている。 まだ見つかっていないボトルメールには、「悪魔と格闘をしたが、勝てなかった」になっているかもしれない。 ナイフ→杭、くらいなら、まだしも真相を類推できるかもしれない。けれど「シエスタ姉妹」や「格闘悪魔」から真相を類推することはできない。ましてや、「杭」「シエスタ」「格闘悪魔」の3パターンが同時にあって、どれを取ったらいいのかわからないとしたら……。 コンティニューするたびに、ノイズが増えていって、真相はどんどん遠ざかってしまう。ベルンカステルの「何回でもコンティニューできる」能力は、ここでは通用しない。
それをまとめると、(ちょっとうまい表現じゃないんですが)こんな感じではないでしょうか。
●ルールZ:六軒島連続殺人事件は、犯人の恣意によって、でたらめな(魔女が犯人であるような)描写が上書きされる。 (ボトルメールが発見されるため)
*
さて、ここからまとめに入ります。 ルールXYZは、この順番に発生します。 ベルンカステルは、心臓部ルールXを根源にして、ルールYがあると言ってます。 ルールX(事件発生)がなければ、ルールY(現場消滅)は起動しません。 そしてルールYが発生していない場合、ルールZ(ボトルメール)は効果を現さないのです。
ルールXYZは、ひとつながりになっている。
ルールYによって現れるものは「無限」というものだと、言いました。
そしてルールZで魔女があらわれます。 でもほんとは魔女なんていないはずなんです。いないということを証明できませんが、普通考えたらいません。 つまり、ありもしないものが存在しちゃってるわけです。 ルールZは、ありもしないものを存在させます。 たとえば、ボトルメールの作者が、「10トンの黄金があった」と書けば、そこには10トンの黄金があったことになるんです。 「黄金」?
無限と黄金……。そんな称号で呼ばれる存在が、いませんでしたっけ。
ベルンカステルが言うには、ベアトリーチェとは、ニンゲンの誰かではなく、ルールが擬人化したものだそうです。 この物語には、3種類のベアトリーチェが存在しています。 ひとりは、昔、九羽鳥庵に住んでいた人間ベアトリーチェ。もうひとりは、連続殺人の犯人である魔女ベアトリーチェ。最後のひとつは、ベルンカステルが指摘した、現象ベアトリーチェ。
ルールXをジェネレーターにして、ルールYという「無限」を創造し、その無限の中から、ルールZという「黄金」を取り出す。 無限の魔女にして黄金の魔女。 ルールXYZ、この三つが合わさったものこそが、ベルンカステルの指摘した、「ベアトリーチェ現象」の正体です。
●参考・これまでの目次
駒の動きその1・南条(大爆発説) no25405 駒の動きその2・戦人、真里亞、嘉音 no25409
「朱志香=ベアトリーチェ」説・総論 no25121 朱志香説総論その2・家具の正体と黄金郷の正体 no25209 サソリのお守りが効いた理由 no25147 ep4は親チームのドッキリではないか? no25151 魔女が鏡に弱い理由 no25222 留弗夫「俺は殺される」と「07151129」 no25229 天草=ゴルゴダ=ゴルゴ13 no25280 プレイヤーの勝利条件は大魔女「作者」を否定することだ no25344
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