![](/contents/069/835/665.mime4) | 「カケラ世界」シリーズの1から6までで、
「上位戦人は、上位ベアトが創造した架空の人物。上位ベアトはラムダデルタが創造した架空の人物。そしてラムダデルタはわたしたちユーザーの意志の一部が独立したもの」
というような空想を展開しました。
この世界観をOKだとすると、うみねこ世界の本質はすべて、 「真里亞のお人形遊び」 と、まったく同じものだといえます。
お人形遊びのお人形が、お人形で遊んでいる。そのお人形も、お人形遊びをしている。 そういうマトリョーシカ的な、親亀子亀的な構造になっています。
戦人はベアトリーチェのお人形。ベアトリーチェはラムダデルタのお人形。そしてラムダデルタは、わたしたちのお人形です。 (ちょっと怖いですね)
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さて、急に話は変わって、TIPS。
これ、誰が誰に向けて書いてんだ? という疑問は、皆さんどっかの段階で首をかしげたはずです。
特に、キャラクターのTIPSですよね。 ep1のキャラTIPSは、基本、真里亞っぽいです。きひひとか言ってますし、「ベアトリーチェは楽しそう、このバカ(戦人)にも早くあなたが見えたらいいのに」みたいに、ベアトリーチェを他者として語っていますしね。 ただ、その中でも、ベアトとベルンカステルの項目だけは別人が書いているようです。ベアトの項目に「妾は」という言い方が出てきますし、ベルンも「私」という一人称をさらしている。 つまりベアトとベルンの項目は、本人が書いてるっぽい。
いっぽう、ep2のTIPSは、「ようこそ真里亞、ハッピーハロウィン」なんて言ってますから、真里亞以外の人物による記述です。
ep3で、「なんで杭とか要るの?」みたいなはすっぱなことを書いているのは、エヴァ・ベアトリーチェを思い起こさせます。
ep4の霧江の項目は、「にぇ」とか言ってますので、ここだけなぜかシエスタ410が出張してきている。
何なのこれって感じですよね。
大まかにいって、ふたつ考え方があります。 「大勢の人物が、よってたかってこのTIPSを書いた」 か、 「複数の人物が書いたように見えるけれど、その複数の人物はすべて1人の人間の頭の中にある仮想人格である」 かです。
後者を選んだときに、「お人形遊び」説が活きてきます。
真里亞もベアトもベルンもエヴァもシエスタ410も、ぜんぶひとりの人間に端を発する想像上の人物だったら、TIPSの記述者が誰かという問題は簡単になる。 そして、「お人形遊び」説は、この考えを裏打ちします。
エヴァとシエスタ410は、上位ベアト(か下位ベアトか)が創造した架空のキャラクターだと考えることにしましょう。真里亞も、ベアトによって黄金郷に招かれている(死んだあと、「生きていて幸せなカケラの中にいる」とベアトが観測している)わけなので、実質上、ベアトがひねり出した仮想人格といえます。 そのベアトという人は、「お人形遊び」説によると、ラムダデルタが可能性の中から取り出した仮想人格だったりしまして。つまりラムダデルタが自分から分離させた一部分なわけでして。 そのラムダデルタさんと、お友達のベルンカステルさんは、「ユーザーの欲望の擬人化」であることにしてしまいましたので、つまり「ユーザーから分離した、ふたつの仮想人格」でありまして。
そうすると、ずんずんさかのぼって、キャラクターを全部統合していった結果、すべてを包み込んでいる「ひとり」は、ユーザー。つまり「わたし」もしくは「わたしたち」、つまり「あなた」であるということになってしまいます。
あのTIPSというのは、 ゲームの中の仮想的な「あなた」が、「あなた自身」に向けて書いた、親愛のお手紙なんだ、 というふうに、とらえたらどうでしょう。
ラムダの回想記やベルンの手紙も、まさにそうかもしれないですね。 あれは、「あなた」の一側面から、あなた自身に送られたメッセージなんだ、という考え方。 だから、ベルンとラムダは対立しているのに、 「このゲームを理解したい」 というあなたの欲求に対しては、共通に、優しい。
カケラ世界1・ep1が最初に起こった no27036 カケラ世界2・ep2〜4を実在させる方法 no27141 カケラ世界3・上位戦人の正体 no27220 カケラ世界4・魔女の後見と、平行世界 no27377 カケラ世界5・すべてが正解になる no27474 カケラ世界6・ラムダデルタの正体 no27531
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