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No31555 の記事


■31555 / )  【EP5ネタバレ注意】ep5初期推理その5・第二の晩
□投稿者/ Townmemory -(2009/08/25(Tue) 01:49:50)
http://blog.goo.ne.jp/grandmasterkey/
     続きです。
    【EP5ネタバレ注意】ep5初期推理その1 no31322
    【EP5ネタバレ注意】ep5初期推理その2・ノックス十戒と赤字への疑問 no31375
    【EP5ネタバレ注意】ep5初期推理その3・新たな連続殺人者 no31448
    【EP5ネタバレ注意】ep5初期推理その4・第一の晩 no31512

     ☆EP5ネタバレ警報☆
     以下、30行のネタバレ改行後にそのまま載ります(伏せ字ではありません)。ご注意下さい。










     ネタバレ改行中












     ネタバレ改行中













    ●第二の晩・客室、秀吉殺し

     第二の晩なんですが、ヱリカの計画としては、秀吉だけでなく絵羽も殺すつもりだった……ということで、よろしいかなと思います。それができなかったのは、秀吉を殺しているちょうど最中に絵羽が来て、異変に気付いたから。

     あるいは、最初から秀吉だけを殺すつもりだった、というパターンも考えられます。秀吉を殺しただけで、
    「ああ、絵羽も狙われてて“寄り添う2人”の見立てだ」
     という印象はじゅうぶん作れますからね。
     その場合は、絵羽はあえて生かされた。
     その理由は、夏妃を告発するときに絵羽を感情的にさせ、その場を「絵羽への同情」という雰囲気で支配するためです。
     譲治の死体が発見されたとき、絵羽がひどく感情的な人間であることはすでにヱリカには分かっています。

     方法。
     秀吉夫妻が休息を取る客室ナンバーを盗み聞きし、先回りする。
     マスターキーでドアを開け、バスルームに潜伏する。
     返り血を浴びないよう、バスローブを羽織ったり、顔をタオルで覆うなどする(これで「誰やあんた!」という反応が引き出せる)。
     ベッドルームに現れ、秀吉を刺殺する(凶器は朱志香の部屋を勝手に捜索して発見した魔女の杭です)。
     窓から脱出する。
     鎧戸を閉める。
     糸を使ったトリックで、かんぬき、もしくは掛け金をかける。
     玄関から屋敷に入り、廊下から現場にひょいと顔を出し、「鎧戸は外からはびくともしません」と発言する。

     たぶんこれで、密室作成も含めた説明ができる……はず。


    ●窓と鎧戸の違い

     脱出についてすこし追加説明します。

     糸を使ったトリックは、一見、不可能に思えます。たとえばep2で、朱志香の部屋と使用人室に対して、
    「窓については外からは如何なる方法でも施錠する方法は存在しない。」
     という赤字が出されています。ついでに、夏妃の部屋、客間についても、言い方は違いますがほぼ同様の保証がなされています。

     1階客室に関しては、その赤字はないのです。が、客室だけ、窓の条件が違うということは考えづらい。
     ep3では、この客室ではありませんが、2階客室に対して「ベアトリーチェの密室定義」が宣言されています。密室定義は、窓に対する糸や棒を使った干渉を否定します。今回の客室も、それに準拠していると見て良い。


     ですが、いくつか描写を抜き出してみると、こうなのです。

    ・夏妃の一人称描写(秀吉が戸締まりをする場面)
    「鎧戸を閉め終えると、……どかっと、ベッドに倒れこむような音が聞こえた。」

    ・嘉音の発言
    「鎧戸も全て閉まってますし、扉にはさっきまでチェーンが……。」

    ・留弗夫の発言
    「そして窓には全て鎧戸。しっかり内側から施錠されてる。」

     この一連のシーン、ひたすら、鎧戸、鎧戸、鎧戸、なんです。
     特に、秀吉が戸締まりをするシーン。鎧戸をよっこらしょと閉める描写はあるのですが、ガラス窓を閉めて鍵をかける描写がまったくないのです。

     もちろん、赤字や密室定義は、「鎧戸の干渉不可能性」に、いっさい言及していません。
     だからこういう仮説です。
    「施錠時の窓はいっさいの外部干渉を拒む」という意味合いの保証は、すべて「ガラス窓」に対するものである。
     そして、この客室において、ガラス窓は、ただ閉められていただけで、施錠はされていなかった。

     これで、鎧戸に対してテグス系のトリックが可能になり、「鎧戸の掛け金がかかっていた」ことをもって、密室のように見なすことができます。


     ちなみに、「鎧戸」って何なのでしょう。雨戸とは別のもの? はっきりしたイメージがわかなくて、気になったので、辞書を引きました。
     最近では、シャッターを表すことも多いようですが、この作品はシャッターのことはシャッターと言いますから(園芸倉庫)、それとは違いそうです。
     辞書の意味では、ルーバーのことでした。
     ルーバーというのは、あれですね、細長い板がたくさん、平行に、ナナメ下を向いて並んでる板戸のこと。角度が固定されたブラインドみたいなの。
     遮光性や、目隠し性はあるけれど、風はよく通す板戸です。
     つまり、スキマだらけのスカスカなんです。糸のトリックなんてたぶん楽勝です。

     三文推理小説の三文トリック……とヱリカなら言いそうですね。でも、その三文トリックをヱリカが使っていたのだとしたら、これは楽しいです。

     ちなみにヱリカは、かなり遅れて現場に現れました。そのタイムラグは、屋敷の外をぐるっとまわって、玄関から入って、廊下を歩いてくる、そのための時間だとみることができます。
     現れたヱリカは、
    「鎧戸は、外からはびくともしませんでした。今確認してきました。」
     と発言しますが、それを確認した(と主張する)のはヱリカだけです。つまり、窓からの侵入脱出が不可能だというのは、単にヱリカがそう主張しているだけです。


    ●夏妃inクローゼット

     描写にしたがえば、この秀吉殺しの客室の、クローゼットには、夏妃が隠れていました。
     つまりヱリカは、まっさきに客間を出て行った夏妃が、まっすぐ客室に入るよりも先に、バスルームに隠れていなければなりません。

     そして、「この部屋で秀吉夫妻が休息を取る」ように誘導しなければなりません。

     ムリですね。これは困った。困りましたので、
    「夏妃は、秀吉が殺された部屋のクローゼットに隠れていたのではない」
     ということにしてしまいたいと思います。

     秀吉が殺されるのを、夏妃は息をひそめて聞いていた……というのはまるごと幻想描写ということにします。
     実際には、夏妃は別の客室のクローゼットに隠れており、1時間のあいだ、何事も起こることなく、ただただ恐怖や怒りとともにさまざまな思考をめぐらせていた。


     ヱリカにとっては(他の犯人の場合でも)、夏妃のアリバイを奪えれば良いのであって、べつだん、秀吉が死ぬところを彼女に見せつける必要性はないのです。ボタンだけ入手して、現場に仕込みさえすれば良い。

     同室させるのは、むしろリスクが多すぎます。たとえば、朝から疲れきった夏妃が、あまり深く考えず、ふだんの手癖で扉をロックしてチェーンをかけてしまった場合。
     秀吉を襲撃するときに、夏妃が恐怖でパニックを起こして、クローゼットから飛び出してきた場合。そして犯人の顔を目撃した場合。

     夏妃に恐怖を与えるというのは、いくらヱリカがサディストだとしても、明らかにリスクには見合いません。これは19人目の男が実在して犯人だったとしてもやっぱりそうです。

     ヱリカが犯行現場のクローゼットを開けようとして戦人に止められますが、もし止められなかったとしても、そこに夏妃はいなかった……と考えておきます。


     続きます。
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