| 2009/08/25(Tue) 12:16:49 編集(Townmemory)
続きです。 【EP5ネタバレ注意】ep5初期推理その1 no31322 【EP5ネタバレ注意】ep5初期推理その2・ノックス十戒と赤字への疑問 no31375 【EP5ネタバレ注意】ep5初期推理その3・新たな連続殺人者 no31448 【EP5ネタバレ注意】ep5初期推理その4・第一の晩 no31512 【EP5ネタバレ注意】ep5初期推理その5・第二の晩 no31555
☆EP5ネタバレ警報☆ 以下、30行のネタバレ改行後にそのまま載ります(伏せ字ではありません)。ご注意下さい。
ネタバレ改行中
ネタバレ改行中
●戦人の出生の秘密
「戦人=19年前の赤ん坊」、という構図。これは魅力的なので、事実にしてしまいたいです。
19年前の赤ん坊は、いったいどこから連れてこられたのか。 これは、19年前まで九羽鳥庵にいた、人間としてのベアトリーチェが産んだ子、ということで良いのではないかなと思います。 順当に考えて、父親は、金蔵です。 生まれたばかりの赤ん坊は、九羽鳥庵ベアトリーチェが崖から落ちて死んだため、育てるべき母親がいなくなってしまった。 金蔵は、愛するベアトリーチェが産んだ子を自分の後継者にしたい。そこで長男夫妻に養子に取らせて、育てさせようという、ムシのいいことを考えた。
ついでに、さらに想像をめぐらせて、九羽鳥庵ベアトリーチェがどこから来たのか。 これは、戦中だか戦後だかに、金蔵に黄金を与えたという、最初のベアトリーチェ……「オリジナル・ベアトリーチェ」と金蔵の間に出来た娘なんじゃないかな。と、勝手な推測をめぐらしてみました。 つまり戦人は、近親婚の結果、金蔵の孫でありなおかつ実子であるという……。
想定するストーリーは、こうです。 金蔵は、オリジナル・ベアトリーチェを愛した。オリジナルベアトは金蔵になびかなかったので、金蔵は彼女を監禁した。関係のすえ、娘が生まれた。娘誕生後、オリジナルベアトは自殺した。 金蔵は、愛する女が永遠に失われたと考えることに耐えられなかったので、「娘」には、オリジナルベアトの魂が宿っている、と“見なす”ようになった。 娘は成長して、九羽鳥庵ベアトリーチェになった。関係のすえ、こんどは男子が生まれた。息子誕生後、九羽鳥庵ベアトリーチェは楼座に連れられて逃げだし、崖から落ちて死亡した。 金蔵は、愛する女の魂が永遠に失われたと考えることに耐えられなかったので、「息子」には、オリジナルベアトの魂が宿っている、と“見なす”ようになった。 息子を夏妃に預けたところ、「事故」が起こって息子は死んでしまった。
もう、「女の魂」が宿っていると見なすことができる、ベアトリーチェの血族はいなくなりました。 あとは、魔法か何かで魂を呼び戻すくらいしか、方法がありません。そこで、息子死亡直後から、オカルトへの没入が始まります。
「19年前の赤ん坊」が死んだと知らされたとき、金蔵はこんな感じのことを言います。 「読めていた、この顛末は。どこまであがくのか。どこまで我がものにならぬというのか。空の檻に興味はない、うちすてい」
上で想定したストーリーをOKだとすると、 「女を閉じこめる→子供生まれる→直後に女が死ぬ→子供も死ぬ」 というパターンが、きれいに2回、繰り返されるのです。 だから、最後のときには金蔵は、「なんとなく同じパターンになるような気がしていた」=「読めていた」。 金蔵にしてみると、自分の手元にいつまでもつかんでおきたかった「女の魂」が、おのれの手から何度も何度も、するりするりとすり抜けていき、どうしても自分のものにならない、そんな形です。 空の檻というのは、重要なものである「魂」が抜けた死体のこと。この解釈でわりと整合しそうです。
もうひとつ。 戦人がヱリカと一緒に黄金を見つけるくだりで、「金蔵の幻」が、たいそう喜ぶのです。 どうも碑文解読者が戦人であったことが嬉しいらしい。「ベアトリーチェ、この賭けは私の勝利だ!」と言っています。
たとえばこういう解釈。勝負は、金蔵がベアトリーチェを捕まえるか、ベアトリーチェが金蔵から逃げおおせるか、というもの。 「この賭け」とは、金蔵を除く在島者16人のうち、誰が碑文を解くのかというルーレット。金蔵が賭けたのは戦人一択。 16分の1の確率の勝負、ルーレットはみごと戦人を指し示した。 戦人は右代宮家の当主となり、以後、戦人の直系継承がおこなわれていく。つまり、彼の中の「ベアトリーチェの魂」は、右代宮家に永遠にしばりつけられる。
●女の使用人って熊沢か?
「戦人=19年前の赤ん坊」、という構図を成立させるためには、赤ん坊は死んだと思われていたけれど実は生きてた。夏妃も金蔵も、死んだと信じ込んだけれど、実は生きてた。そういう状況が必要です。
その状況を作るために、赤ん坊を抱いていた女の使用人は、熊沢だったということにしてしまったらどうでしょう。
女の使用人は、夏妃の主観で、「年配である」という表現があります。そして当時「壮年」だという描写もあります。 仮に熊沢が現在70歳だとして、19年前には51歳。壮年といってさしつかえありません。
熊沢は、ep4で、九羽鳥庵を知っており、九羽鳥庵ベアトリーチェの身の回りの世話をしていたことがわかっています。だから熊沢は、九羽鳥庵ベアトリーチェが誰なのかも、その死も、そしてその遺児のことも、事情を全部知っていると見なせます。
だから彼女にしてみれば、こうです。 「ああ、おいたわしや夏妃さま。お子が産めないことをなじられ、誰とも知らぬ子を我が子として抱けと命じられ。この赤ちゃんを愛せないばかりか憎しみを抱くのも無理はありません」 「ああ、おいたわしや赤ちゃん。実の母を知ることもなく、継母に預けられ、そして継母は、この子を決して慈しみはしないでしょう……」
彼女にとっては、両方がいたわしい。 そして、赤ん坊を抱いてあっちへ行ってろと命じられた熊沢は、木立のあいだを散歩し、 「せめてこの子に、実のお母様が亡くなったあの崖下を見せてあげることにしよう。坊ちゃん、あなたの本当のお母様の魂は、あそこから天に召されたのですよ……」 そんなことを思って、崖から見える海を赤ちゃんに見せたのではないか。
さて、その直後に何があったのか。夏妃の手は、熊沢に対してどう動いたのか。そもそも夏妃はそこにいたのかいなかったのか。 それを確定させる必要はありません。 どちらにしても、この場面での使用人が熊沢であるなら、 「奥様にとっても、赤ちゃんにとっても、この組み合わせは不幸しかもたらさない。この赤ん坊はどこか遠くの安全な場所に逃がしてあげるほうが良い」 という考えに、熊沢はたどり着くことができそうだ、ということなんです。
●留弗夫に預けられる
なんらかの判断がはたらいた結果、熊沢は、留弗夫に赤ちゃんを預けるのが良いと考えた……ことにします。 積極的に留弗夫を選んだというよりは、「絵羽よりまし」という消極的な理由ではないかな。この赤ちゃんの出自は、幼い譲治の立場を非常におびやかします。そうなると、夏妃のもとに置くのとあまり変わりません。
留弗夫に預けるにあたって、熊沢は、「この子はこれこれこういう生まれの子で……」という内実を、正直に全部話したと考えることにします。
留弗夫はずる賢く計算して、この赤ちゃんを、自分の実子だといつわって育てることに決めます。 この赤ちゃんは、金蔵の実子であり、なおかつ孫であり、金蔵の愛した女の忘れ形見です。つまり、金蔵に対して無条件に勝利するジョーカーです。 金蔵が赤ん坊に多額の遺産を与えるのなら、それは実質自分のものです。 金蔵に対して人質をとったようなものです。
留弗夫が、6年間の別居から戦人を取り戻すために、畳に手をついて謝ったというのも、金策関連で重要なこの時期にこの最強カードを失うわけにはいかないから、という説明がつきます。
(でも明日夢はどこから出てきた人なんでしょうね?)
●留弗夫「俺は殺されるだろうな」
俺は殺されるだろうな問題には、追加情報が出ましたね。基本的に、以前書いた内容から、大きい変更の必要はないと見ました。 → no25229 留弗夫「俺は殺される」と「07151129」 (リンク先は2つとも内容が同一です)
ただ、リンク先で書いた、戦人が2人いるという「戦人二人説」(そのまんまだ)については、べつに2人存在させる必要性はなさそうな状況ですね。
戦人はひとりしかいないのなら、「07151129」の、「1129」のほうの意味を決め直さないといけなくなります。 たとえば、仮にですが、19年前の「赤ちゃん崖落ち事件」の日付が、11月29日だったというのはどうでしょう。
つまり、「0715-1129」=「戦人の誕生日 - 戦人の命日」です。 のちに右代宮戦人と名付けられる赤ん坊は、7月15日から11月29日までの4ヶ月ちょっとの間だけ、ベアトリーチェの魂を宿したベアトリーチェそのもの、つまり「黄金郷の主」にほかならなかったのです。
ソロモン王にはソロモンの鍵、黄金郷の主には黄金郷の鍵。ということで、現在のベアトリーチェ(わたしの説では朱志香)は、このナンバーを黄金郷の鍵として使っている。そんな感じでどうでしょう。
あと2回くらい書く予定です。
|