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No33412 の記事


■33412 / )  朱志香の喘息・鎮守の祠と鏡・ep5死体移動
□投稿者/ Townmemory -(2009/09/30(Wed) 05:21:07)
http://blog.goo.ne.jp/grandmasterkey/
    2009/09/30(Wed) 05:21:51 編集(Townmemory)

     いくつか、雑多な想像を展開します。
     雑多な想像、というのは、
    「はっきりいって、根拠にはとぼしいけれども、発想としては捨てがたく思ういろいろなこと」
     くらいのことだと思って下さい。なので、こんなの妄想じゃん、と言われたら、「えへへ、その通りです」という感じ。
     まあ、それをいいだしたら、今までの書き込みだってぜんぶ妄想同然なんだけれども……。


    ●朱志香の喘息

    「朱志香が喘息持ちであったり夏妃が頭痛持ちであったりの必然性については、どこかで触れられていましたか?」
     というお題を、ブログのコメントでいただきました。

     取り上げたことなかったです。他の描写と、うまくリンクしてくれない要素なんですよね。単に「そういう病気持ちだ」というだけでも、困らないといえば、困らないですし。

     が、今回はうまく整合しなくても良いことにして、何か想像してみましょう。

    「うみねこのく頃に」に影響を与えたとされる、いくつかのミステリー作品がありますね。
     このあいだ、そのひとつをたまたま再読していて、
    「あ、この真相は、うみねこにもそのまま当てはめられるかもしれない」
     と思ったことがあります。それは、

    「朱志香は単なる喘息ではなく、もっと重篤な病気で、その余命はあと三ヶ月である」
     という可能性。

     これは「朱志香犯人説」をとる場合だけ整合する想像ですね。
     南條医師が金蔵に向かって、「あんたの余命はあと三ヶ月だ」というのを、そのまま、朱志香に対する余命宣告だ、とみなすわけです。

     そう考えると、犯人がこんな「大量殺人」にふみきった、きっかけのひとつとして見なせるようになる。
     ふつうの人は、誰かを殺そうと思って計画を立てたとして、なかなか実行にはふみきれません。
     が、近いうちに自分が死ぬことが確定している場合は、そのタガは外れます。失敗して罪に問われるのも、死刑になるのも、返り討ちにあって死ぬのもこわくない。
     最近読みかえした「とあるミステリー」もそういう形になっていました。


    ●鏡よ、鏡

     落雷で消失した鎮守様の祠。あれは、金蔵がわざわざ修復したものだそうです。

     祠におさめられていたご神体は、鏡でした。それを、紗音が割ってしまうのでした。
     この鏡の、出どころはどこだろう? というお話。

     破れかけ状態の祠に現存していた……のでないとしたら(仮に)、どこからか金蔵が手に入れてきて、祠に納めたのです。
     その場合、「祠を修復したのは、鏡をそこに納めるためだった(鏡を納める場所が必要だった)」という見方が可能になります。

     その考え方をとる場合、金蔵がどっかから持ってきたその鏡は、金蔵にとってとても大事な、とても意味あるものだということになりそうです。なにしろご神体として祀ってるのですからね。

     ようするに何がいいたいのかというと、
     祠の鏡は、金蔵に黄金を与えた「オリジナルベアトリーチェ」の愛用品だったとしたらどうだろう、という想像なんです。

     黄金伝説をうんだオリジナルベアトは、金蔵のもとから逃げようとして、自殺したということのようです。ep3でそんなことが語られています。
     その事件にショックを受けた金蔵翁が、

    「おお、ベアトリーチェよ。おまえの姿を映し続けたこの鏡に、魂の残り香でも残っているのなら。どうかここでいつまでも島を見守り、私と私の一族を守ってくれ」

     そんな願いをこめて祠をつくり、その鏡をご神体として納めたというのは、ちょっとありそうな感じがするんです。

         *

     で、ここからわたし、ちょっと暴走します。

     鏡といえば。夏妃も、お守りの霊鏡を持っていました。
     オリジナルベアトも、鏡を持っていたことにしました(想像で)。
     何がいいたいかといいますと、
    「オリジナルベアトリーチェは、ひょっとして夏妃の一族の出身だったんじゃないかな?」
     という想像なのです。

     たとえば、年齢的に考えて……「夏妃は、オリジナルベアトの、姪っ子にあたる」とかね。そんな、距離感(源氏物語だなあ)。もう少し遠くても良いですね。

     西洋かぶれで魔術趣味の金蔵が、神道の鳥居をたてて祠をまつるというのは、不自然とまではいえませんが、ズレを感じます。
     夏妃の一族は古い神官の家ですから、オリジナルベアトが、その家の出身だったとすると、神道つながりで、ズレた部分がぴっちりはまるのです。
     夏妃が霊鏡を持っていたように、ベアトも霊鏡を持っていたことにして、その霊鏡を、ベアトの出自(神道)に合うような形式で祠にまつった。霊鏡はお守りですから、「島を守ってくれ」という願いにも合う。そういう合わせ方です。

     仮にこの想像をよしとするなら、夏妃が蔵臼の妻として迎えられたことも、「ベアトリーチェがらみ」であると考えるのが自然です。

     たとえばこう。
     ベアトリーチェを失った金蔵翁は、ベアトリーチェの代わりになるものを求めた。
     その結果、「ベアトリーチェの血に近い女」を、右代宮家に迎え入れよう、という発想に至った。
     ベアトリーチェの一族を調べてみると、夏妃という娘がいる。
     これを手に入れ、身近に置き、せめて、ベアトリーチェの面影をその娘に見て、心なぐさめることにしよう……。

     金蔵は、夏妃の実家を経済戦争でうちまかし、そのトロフィー的な意味で、夏妃を長男の嫁として迎え入れたとのことです。ep5で、熊沢と南條がそう明かしています。
     描写をみると、「(金蔵が)その手打ちとして、縁談を提案した。」とあります。夏妃をよこせと言い出したのは金蔵なのです。

     ひょっとして、この経済戦争は、「夏妃を手に入れる」ことを最終目的として起こされたものなんじゃないか……という想像が、できそうなのです。

     蔵臼がいうには、金蔵は夏妃が嫁いできてから、ビンロウをかじる趣味をやめたそうです。ビンロウは、それを食べる姿が少しばかり、はしたなく見える食べ物です。
     これってひょっとして、
    「ベアトリーチェの血につらなる、ベアトリーチェの面影のある女性に、はしたない所を見せたくないおじいちゃんの見栄」
     なんじゃないかなー、という考え方です。
     すなわち、金蔵が夏妃に冷たかったというのは、なんかいろいろ気恥ずかしくて素直になれない金蔵のツンデレだったー、ということなわけです。おじいちゃん可愛い。

         *

     わたしは、
    「本当の金蔵は、生涯、夏妃を心の底から信頼したことはない」
     というベルンの赤字が、感情的に、とても嫌で、本当に気に入らなかったのです。
     なので、想像力でひっちゃぶいてやりたかったのです。


    ●「愛がない」お話

     ep5では、霧江は、留弗夫の会社が早急に多額の現金を必要としていることを、ゲーム開始前から知っていました。

     はっきりしないepもありますが、他のゲームでは、霧江はそのことを知りませんでした。ゲーム中になって初めて知るのです。

     このことから、
    「登場人物が、ゲーム開始以前に、どのような状態にあるか(何が発生し、何が発生していないか)は、固定されているわけではない」
     という見方が可能になります。
     霧江がカネのことを知っているゲームもあるし、知らないゲームもある。ゲーム開始以前に何が起こっているかは、エピソードごとにちがっていても良い(とも解釈できる)。

     わたしは「金蔵の(1〜2年前の)大往生は、ep5限定の特殊イベントである」という説をとっていますので、この解釈のしかたは、まことに都合が良いです。

     さて。
    「ep5では、譲治と朱志香の死に対して、紗音嘉音がショックを受けていない。不自然な反応ではないか」
     という論点があります。公式掲示板でもさまざまな人が指摘していたと思います。

     単に、「描写されなかった」だけという可能性もあります。が、ここはちょっと思い切って、
    「ep5の世界では、紗音と譲治の恋愛イベントは発生しなかった」
    「ep5の世界では、嘉音と朱志香の恋愛イベントは発生しなかった」
     という仮定をしてみるのも、ちょっと、おもしろいかもしれません。

     紗音と譲治の恋愛成就や、嘉音が恋を意識しはじめる展開は、
    「ベアトリーチェが、意図的に恋の種をまく」
     というアクションによって、はじめて発生しているようなふしがあります。

     よって、ベアトリーチェ(の中の人)が、別の用事でそれどころじゃなかった場合、
    「紗音と譲治は恋人同士にはなっておらず、嘉音と朱志香も互いを意識してはいない」
     というゲームはじゅうぶんに発生可能性があります。

     この場合、ロノウェのいう、
    「(ラムダのゲームには)愛がありませんな」
     という発言は、まんま「恋愛イベントが入ってませんでした」という意味をも含んでいた……という合わせ方です。
    「紗音に、その恋を成就させてあげる」
     というのは、やはり一種の思いやり、愛情ゆえの行動だと見ることができます。
     それをまったく無視しているラムダの進め方は「愛がないなあ」というような。

     もちろん、それ以外のいろんな意味も含んだうえでの「愛がない」だと思います。意味の一部ということ。


    ●譲治は死後、遺体は一切、移動されていない!

    「譲治は死後、遺体は一切、移動されていない!」シリーズの赤字。
     これ、見たときから、なんか違和感がありました。

     はっきりいってしまうと、文法的にヘンです。一文中に「譲治は」で「遺体は」ですものね。「象は鼻が長い」式の第二主語という感じでもない。

     スマートに言い換えるなら、こんな感じになるでしょうか。
    「譲治の遺体は、(譲治の)死後、一切移動していない」

     なるべく手を加えずに直したいなら、こうでも良いです。
    「譲治“の”死後、“その”遺体は一切、移動されていない」

     つまり、主語が「譲治は」なのか「遺体は」なのか。そして遺体は譲治のものなのかそうでないのか。そのあたりが、原文ではあいまいなのです。


     さて、わたしは別に、文章の不備を指摘して添削したいわけではありません。
    「この原文は、意図的に、破綻した文法で書いてあるのではないか」
     という可能性について考えたいのです。
     なぜ破綻して書かれているのか。
     もちろん、ミスリードのためです。
    「譲治の死体が移動したことはない」という意味だと読み手は受け取る。しかし、のちのち、そうではない意味だったことが明らかになる。そういう叙述トリックの可能性についての検討です。

     いくつか、詐欺的な抜け方ができそうですよ。例えば、

    ・「譲治は(秀吉の)死後、遺体は一切、移動されていない」

     これは「死後」を、譲治本人の死後とは取らない場合。この場合、秀吉が死亡する瞬間まで、譲治の死体をいくらでも移動することができます。


     笑い話みたいな領域に入ってきますが、こんな抜け方も考えました。

    ・「譲治は死後、遺体“を”一切、移動“なさって”いない」

     これは「されて」を受け身ではなく、尊敬語として解釈する場合。この場合、以下のような解釈になります。
    「譲治さんは死んだあと、遺体と呼ばれる物体を、一切移動なさっていません」
    「譲治さんは死にました。死んだ以上、自発的行動を取ることができませんから、(誰かの)遺体というものを運搬するという自発的な行動も、取ることができません」

     文章的には「遺体は一切、移動“していない”」でも、通用するのです。なのに、あえて受け身になっている。そこには、意味があるのではないかという発想です。

     この解釈の場合、物理的にいって当然のことを、ただ単に言っただけの文になりますね。
     少なくとも、そういう解釈を取る余地が、この文章にはあります。
     にも関わらず、読み手は、「譲治の死体は移動したことがない」という意味に受け取る……。

     竜騎士07さんは、かなり独特な文章を書かれる人ですが、ベースにある言語能力はすごく高い、とわたしは認識しています。作中で特に重要な意味を持つ「赤字」を、こんなふうに明らかな文法ミス入りで書くことはないように思われるのです。
     だとしたら、わざと。わざとだとしたら、ひっかけ……?

     そうした可能性の指摘でした。
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