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No34084 の記事


■34084 / )  明日夢はいったい誰なのか?
□投稿者/ Townmemory -(2009/10/12(Mon) 20:18:00)
http://blog.goo.ne.jp/grandmasterkey
    「雑多な想像」シリーズです。
     根拠がうすくてもいいから、いろいろ組み合わせて火サスみたいにドラマチックにしてみよう、という趣旨でお送りしております。


     さて、「明日夢さんはいったい何者なの?」ということについて、そろそろまとまった考えをもちたいな、と思っておりまして、少しまとめてみることにしました。
    (これまでの書き込みと、内容が重複します)


    「ep5初期推理その6・戦人の謎」という書き込みで、 no31574

    「19年前の赤ん坊は戦人ではないか?」
    「戦人は九羽鳥庵ベアトと金蔵の間にできた子じゃないか?」

     という推理をしました。

     そして、「19年前の赤ちゃん崖落ち事件」のときに、夏妃のそばにいた使用人とは熊沢なのではないか、とも、想像しました。

     ep4の川畑船長の話によると、熊沢は九羽鳥庵の存在を知ってるようでした。熊沢は九羽鳥庵ベアトの、「ばあや」だったのではないか、という想像は、それほど無理がありません。
     すると(この推理での)熊沢は、「赤ちゃんは九羽鳥庵ベアトと金蔵の子である」ことを知っていることになります。

     この場合、
    「どうして使用人は、赤ちゃんを崖っぷちなんかに連れて行ったのか」
     が、心情的に説明がつきます。
     九羽鳥庵ベアトが崖から落ちて死んだからです。
     これから継母に育てられることになる不憫な赤ちゃんに、せめて、実のお母さんが天に召されていった場所を見せてあげようと思った。
     この想像は、ドラマとして、悪くなさそうです。

     そして、「崖落ち事件」が起こった。
     赤ちゃんも熊沢も、何らかの理由で、死ななかったことにしましょう。

     熊沢は、
    「この赤ちゃんを奥様に預けておいては、また今日のように危険かもしれない」
     という判断をすることができます。
     熊沢は夏妃の苦しみも間近に見ているわけですから、
    「この赤ちゃんがいては、奥様は決して幸せにはなれない」
     という判断も働かせることができます。

     だから熊沢は、赤ちゃんを死んだことにして、ひっそりどこかに逃がした……。
     そんなバックグラウンドストーリーを、想像してみたのです。
     ここまでが前置きです。

         *

     さて……。
     この赤ちゃんなんですが、19年たったとき、留弗夫と明日夢の子になっていてもらわないと困ります。

     留弗夫については、「熊沢が赤ちゃんを留弗夫に預けたのかな?」という想像で、なんとかなりますが、明日夢さんをどこかから登場させてやらないと、具合が悪い。
     なにしろ明日夢という人は、留弗夫が霧江との婚約を蹴ってでも結婚したかった人なわけで。そしてそんな明日夢の子としての戦人という人がいるわけで。

     ここで思い出したいのは、ep4で戦人が、飛行機を異様に怖がるくだりです。

     留弗夫と霧江が、
    「戦人の『落ちる落ちる騒ぎ』は、明日夢の遺伝かもしれない」
     という話をしています。
     明日夢という人は、留弗夫いわく、
    「怖い怖い落ちる落ちるぎゃーぎゃーとうるせぇ女だった」
     というのです。

     でも、「戦人は明日夢から生まれていない」という赤い字があります。
     明日夢から生まれていない戦人に、明日夢の恐怖症が遺伝することはありません。
     つまり、遺伝子的には赤の他人である2人に、なぜか同じ恐怖症があるということになります。

     この場合、
    「明日夢にも戦人にも、高いところから落ちた経験があり、それがトラウマになっているのだ」
     と考えればよい。
     それが「19年前の崖落ち事件」だった、としたらどうでしょう。
     戦人と明日夢のあいだに、つながりを作ることができるのです。

     この仮定を採用する場合、

    「明日夢は右代宮家の使用人だった」
    「崖から落ちた使用人は、熊沢ではなくて明日夢だった」

     という推論が、自動的に導かれることになります。

     事件のとき、実は使用人は2人いた。2人の使用人とは熊沢と明日夢だった。
     赤ん坊を抱いていたのは明日夢だった。
     崖から落ちたのは、明日夢と戦人だった。

     夏妃の回想で、以下のような記述があります。

    「あの日、年配の使用人に赤ん坊を預け、私は薔薇庭園でこれからを思案していました。」
    「赤ん坊の泣き声がうるさいので、聞こえないところへ連れて行きなさいと、私は使用人に命じました。」

     ちょっと苦しい感じではありますが、この場には、「年配の使用人」と「使用人」がいた、と考えるのです。年配が熊沢で、使用人が明日夢です。

         *

     さて、崖から落ちた明日夢。
     生きてはいたけれど、かなりの大けがをしたのかもしれない。
     そうでなくても、崖から突き落とされるなんて経験をした以上、こんな屋敷に勤めてはいられません。

     そこで、熊沢によって、
    「明日夢と赤ちゃんを死んだことにして、右代宮の屋敷から遠ざける」
     というプランが発案された(と、考えます)。

     夏妃はべつに死に顔を見たわけじゃなさそうですし、金蔵にいたっては「うちすてい」ですから、源次をはじめとする使用人たちさえ口裏を合わせれば、生きてる人間を死んだことにもできるのです。
     これは奇しくも、死んだ金蔵を生きてることにした夏妃のプランに酷似しています。生と死が逆ですが、本質的には同じことですね。

    「死んだことにする」とはいっても、法的なところまでどうこうするわけではなく、「金蔵と夏妃と蔵臼には、死んだと言っておく」という程度のことです。
     夏妃は、「使用人の遺族にはじゅうぶんなねぎらい金を与えた」と言っていますが、まさか夏妃本人が遺族に会って手渡したわけでもないでしょう。
     なので、
    「そのねぎらい金は、明日夢本人が、源次経由で受けとった」
     ということにします。
     源次や熊沢は、この大金を明日夢に与えたうえで、
    「この資金で、この赤ん坊を連れて、どこか遠くで暮らしてくれまいか」
     というふうに言い含めた……というようなストーリーを想像するのです。

     このとき、当然の疑問として、
    「なぜ、赤ちゃんを連れて行かねばならないのですか?(お屋敷で不自由なく育てたほうが良いのでは?)」
     と、明日夢は訊ねたはずです。

     それを納得させるためには、隠された事情を打ち明けねばなりません。熊沢(か源次)は、
    「実はこの赤ちゃんは金蔵翁と愛人のあいだにできた子で、夏妃との軋轢がうんぬん……」
     ということを、正直に打ち明けたことにします。これこれの事情だから、赤ちゃんが二度と夏妃の前に現れないよう気を配ってくれ、と。

         *

     ところで、19年前に、明日夢が右代宮邸につとめていたとすると、当然、留弗夫と明日夢は、面識がありますね。
     留弗夫という男は、女癖がわるい、という描写がされております。
     そこで、面識だけじゃなくて、もう二、三歩、踏みこんで、

    「明日夢は、留弗夫坊ちゃんと、一時期、恋愛関係にあった」

     というようなことを、勘ぐってみました。
     ちょうど、譲治と紗音ちゃんみたいな関係だったと考えるわけですね。

     ただ、違うのは、留弗夫は遊びのつもりだったけど、明日夢は本気だった……。

     明日夢は、自分が預かった赤ん坊が、右代宮家を左右する、とんでもないジョーカーであることに気づきます。
     右代宮の屋敷を出た明日夢は、留弗夫のもとに直行し、こんなことを言ったのではないかしら。

    「この赤ちゃんは、金蔵翁と愛人のあいだにできた子供です」
    「蔵臼に育てさせようとした、ということは、金蔵翁は家督をこの子に継がせるつもりです」
    「金蔵翁は、財産のかなりの部分を、この子に譲る可能性が高いですね」
    「そうでなくても、愛人の子というのは、まちがいなく金蔵翁のウィークポイントです」
    「この赤ちゃんを手に入れるということは、金蔵翁に対して無条件に勝てるジョーカーを手に入れるようなものです」

    「この赤ん坊を、あなたの子として育ててみませんか」
    「そのかわり条件があります。私と結婚して下さい」

     もし留弗夫が自分と結婚しないなら、この赤ん坊は絵羽に献上する、くらいのゆさぶりはかけたかもしれません。

     留弗夫は、このジョーカーを手札に引き入れる誘惑には勝てなかった。もしくは、こんな切り札が絵羽の手に渡るのはなんとしても避けたかった。
     そこで、妊娠までしていた霧江との婚約を強引に破棄して、明日夢と結婚し、戦人を育てるみちを選んでしまった。

     こんなストーリーを想定すると、
    「わけがわからないうちに留弗夫を明日夢にかっさらわれた霧江」
     というあたりまで、うまく、はまる感じです。

     明日夢が戦人にやさしかった、というのも、この想定ではそうおかしくないです。明日夢にとって戦人は、自分を留弗夫とむすびつかせてくれた愛のキューピッドです。恩人です。

     ep2で、お手洗いの中でプロポーズのリハーサルをする譲治に、「あんまり力むなよ」と軽口をいっていたのは留弗夫でしたが、あれは自分と明日夢のことをちょっと思い出して、ひとこと言いたくなった、のかな……? という想像もできます。

         *

     以上のようなドラマチック展開なのですが、二、三点、問題がありますね。

     この条件だと、明日夢は結婚後、留弗夫以外の右代宮関係者と、顔を合わせることができません。
     会ってしまったら、「あ、あんた、前にうちに勤めてた人……」ということになってしまいますし、「死んだはずの人がなぜか生きてる」ことにもなってしまいます。
     死んだはずの明日夢が生きていたら、「赤ん坊も生きてるかもしれない」という発想に至るのはすぐですからね。

     金蔵と夏妃と蔵臼にだけ会わなければ、それでおっけーという考え方もあります。その場合は、親族会議にさえ出なければいいのかな。
     ただその場合でも、結婚式は挙げられませんし、姻族どうしでいっさい挨拶ごとをしないという、不自然な人間関係になります。

     もうひとつ。
     夏妃は、「気の毒な使用人には、老いた夫がいた」「その夫は、数年前に老衰で亡くなり、その後墓前に立って謝罪をした」という意味のことを言っています。
     明日夢にはもちろん老いた夫はいませんし。
     まあ、夏妃は「年配の使用人が崖から落ちた」と考えているわけで、なんらかの心理的な作用によって、自分の記憶を自分で改竄している、つじつまをあわせている……という突破もできますが、苦しいです。

    (何かうまいすりぬけ方はないかなあ)


     そして、明日夢の死……。
     ここにも、何かのドラマを想定したいところですよね。
     明日夢の死は6年前で、ちょうど縁寿が生まれるタイミングと一致します。
     明日夢が死んでくれたことによって、縁寿は非嫡出子にならずにすんだ……。

     さらーっと単純に連想するなら、霧江が陰謀をめぐらして殺した。
     もしくは、霧江のバックにいる「恐い人たち」が、勝手な判断をして、勝手に明日夢を殺した、という感じにしても良いかな。
     霧江はep3で、
    「明日夢を呪っていたら、勝手に死んでくれた。呪いが効いたにちがいない。自分って魔女かも」
     という趣旨のことをいっています。
     霧江がドロドロと憎悪をにやしていたら、京都方面にいる「ちょっと恐いご友人たち」(須磨寺関係でしょうねえ)が、気を利かしてサクっとやっちまった。そんな想像でもいいですね。
     この場合、ep4での縁寿による「霞殺しの魔法」の正体が「天草の銃撃」だった、というのと、ほぼ同じ構図になります。

     そしてこの場合、
     須磨寺が右代宮明日夢を殺した
     →右代宮縁寿は幸福に、須磨寺霞は不幸になった
     →須磨寺霞は右代宮縁寿を殺そうとした
     →右代宮縁寿は須磨寺霞を殺した……
     という、一種の因果応報譚、というか、右代宮と須磨寺のあいだに発生した復讐連鎖の物語として読むことができるようになります。


     さらにですが、
     明日夢の死が「霧江関係」だとすると、なんと右代宮家の女性陣4人のうち、実に3人が、過去に殺しの罪を背負っている勘定になります。
     夏妃は19年前の赤ん坊殺し。
     楼座は九羽鳥案ベアトを崖から落としたこと。
     霧江は結果的に明日夢をなきものにしたこと。

     この調子だと、絵羽の過去にも、何か殺しに関する罪が出てきそうな勢いです。
     ひょっとして右代宮の女性陣は、「殺人者シリーズ」なんじゃないのか、という揃え方ができたら、ますますおもしろい感じがしますが、このへんはあんまり深くほりさげるのはやめて、気軽な想像として、浅く夢想するにとどめておきましょう。
返信/引用返信 削除キー/


Pass/

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