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【社会】

愛知県、がれき受け入れ市町村 公表せず 

2011年10月15日 09時03分

 東日本大震災で発生した岩手、宮城両県のがれき処理で愛知県が県内市町村に受け入れ可能な量を再調査している問題で、環境省と県は14日、調査終了後も、受け入れ可能な自治体名や数、処分できるがれきの量を公表しない方針を示した。

 がれき受け入れに関しては、環境省が4月に調査した後、福島第1原発事故による放射性物質の付着を懸念する住民感情が高まり、実施されなかった。このため、同省の再調査の要請を受け、愛知県が13日に市町村などの担当者を集めて情報連絡会を開き、21日までに環境省に回答を報告することにしていた。県環境部の担当者は、再調査の結果を公表しない理由を「県は国の調査を仲立ちするだけ。国の非公表の方針に従いたい」と説明した。

 環境省は今回の再調査を、個別の地方公共団体名を公表しない前提で行っているという。同省廃棄物対策課は「今回はあくまで調査の段階。全国の受け入れ可能量など一定の情報は公表するが、県ごとの受入量までは出すつもりはない」と説明。「実際に受け入れる時は、市町村側が住民に説明することなどを検討したい」と話した。

 全国市民オンブズマンの新海聡事務局長は「地域の安全と被災地支援のバランスをどう取るか難しい問題だが、がれきはどこかで処理しなければならない。困難な問題だからこそ、住民に情報を公開し、議論していくことが大切で、非公開にするのは、間違いだ」と国や県の対応に疑問を呈した。

(中日新聞)

 

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