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都市型SC目指す 「グランフロント大阪」

2011年10月7日

 JR大阪駅北側に2013年春完成予定の「グランフロント大阪」(約7ヘクタール)。買い物好きの“浪速っ子”にとって見逃せないのは阪急電鉄が手掛ける商業施設だ。周辺に百貨店や専門店街が集中する中で、どう存在感を発揮するか。コンセプトや特徴、フロア構成の概要などを阪急電鉄不動産開発部の谷口丹彦副部長に聞いた。

「百貨店にはない面白さを提供する」と話す谷口副部長
グランフロント大阪の完成イメージ図。右からA、B(2棟)、Cの各ブロック

 商業施設は大阪駅に最も近いA、Bブロックの低層部と大阪駅北口広場地下。店舗面積は合わせて約4万2千平方メートルに及ぶ。5月にJR大阪駅ビル内にオープンしたファッションビル「ルクア」(2万平方メートル)の2倍を超える広さで、約300店が入る。

 谷口副部長は「これだけの面積があるのだからターゲット層は絞らず、いろんな方に来ていただけるようにしたい。百貨店にはない面白さを提供できる都市型ショッピングセンターを考えている」と話す。

 キーワードは「フラッグシップ(旗艦店)」。これまで梅田エリアで十分な売り場面積を確保することが難しかったファッション、服飾雑貨店の大阪本店となるような形態にこだわることで「百貨店では見せきれなかったテナントの世界観や商品のストーリーを知ってもらえる」と説明する。

 A、Bブロックともにレストランフロアを設けるなど、「飲食」も充実させる。幅広い客層を引き付ける店選びをし、大阪初出店を含む約70店をそろえる。

 「期待していただきたいのは夜のシーン」と谷口副部長。仕事帰りのOLやサラリーマンが気軽に立ち寄れるよう、B級グルメなど価格帯を抑えた親しみやすい料理を提供。「いろんな人が集い、食事をしながら、コミュニケーションを楽しむオープンな場」も検討しているという。

 現在、テナントの募集や営業形態についての話し合いが進んでおり、開業1年前までには固めたい考え。施設の名称は「ぼちぼち考えていこうという段階」だ。

 グランフロント大阪 「都心に残された最後の一等地」として開発が進む大阪駅北地区「うめきた」(約24ヘクタール)の先行開発区域で、約7ヘクタールに4棟の高層ビルが建つ。南から3ブロック構成で、Aブロックはオフィスや商業施設、Bブロックはホテルや商業施設など、Cブロックは分譲住宅。知的価値を生み出す複合施設「ナレッジキャピタル」(Bブロック)もでき、「うめきた」の中核施設として注目を集める。