Chrome Web Storeのリリース、Chrome OSパイロット・プログラム、そして不覚にも流出したGoogle +1初の画面イメージ。Googleはこれでもまだ忙しさが足りないと言うのか、もう一つ隠し玉を披露した。新しいGoogleグループだ。
厳密に言うと、Googleは、新しいGoogleグループのユーザーインターフェースを事前公開しているだけだ。この新しいGoogleグループのインターフェースは、今回Googleグループに加えられる一連の改訂の第1弾」とGoogleがここに書いている。これはまさしく全面改訂だ。新しいデザインは、GmailやGoogle Readerの流れをくむものとなっている。さらに、一部の要素はほんの少しWaveライクでもある。

Googleは最近Google Groupsに、この検索超大手のオフィスアプリサービスであるGoogle Appsによる共有機能を加えた。そして今夜(米国時間12/8)Googleは、GroupsにGoogle AppsのPremier and Education Editionsを加えた企業向けのバージョンをフルマウントする。
Googleによれば、Groupsはもっとも広く使われているアプリケーションの一つだ。Groupsはコラボレーションのためのアプリケーションであり、だれもがグループとそのためのフォーラム(掲示板)、メーリングリスト、Webページなどなどを作れる。グループの規模は大でも小でもよい。今回のAppsを加えたGroupsにより、社員たちが自分の部、課、プロジェクトチームなどのためのグループを作れる。また、グループをメーリングリストとして使って文書やスプレッドシート、プレゼンテーション、カレンダー(スケジュール)、ビデオ、Webサイトなどを共有できる。ユーザはそういった通信を、自分のメールのインボックスに、ダイジェスト形式やGroupsのフォーラムの形式で受け取れる。そしてグループのアーカイブにあるすべての情報に、IT部門のアドミンの介入なくアクセスできる。
皆さんのお気に入りのGoogleサービスのトップ10は何だろうか? Googleのサービスはそれぞれがサブドメインを持っているので、Quantcastが発表したGoogleのサブドメインのトラフィックに関するデータを見ると、どれが人気があるか、およそのところが分る。Googleのメインの検索エンジンがリストのトップで、アメリカでのユニーク訪問者は推計1億3660万だ。2位がGoogleMaps(3600万)、以下、画像検索(3170万)、Gmail(1050万)などとなっている。Google Docs、Sites、Knolはトップ10入りするほどのトラフィックを得ていないが、伸びは順調だ。
YouTubeとOrkutはGoogleのサブドメインではないので、下のリストには入っていない。しかしYouTubeのユニーク訪問者は7000万で、このリストに入れれば2位となる。

上記は、最近私あてに多数送信されてきているスパムの一部を写したスクリーンショット。いくつかのものはGoogle Groupsにリンクが張られている。
スパマーは、今までもGoogleサービスをターゲットにしてきたし、Bloggerなどのサービスは常にスパマーのお気に入りのデスティネーションでもあった。Google Groupsはスパムプラットフォームとしてはそれほど知られていない。しかし、「サイトの内容がGoogleの検索結果としてヒットするように」と望んでいる各種サイトにとって、Google Groupsが主要なデスティネーションなりつつあることが調べてみて分かった。
Googleのプラットフォームにおいて多様な形式のスパムが存在する。大半のスパムサイトは、多種多様なアフィリエイト・プログラム(特にポルノと薬)への入り口としての役割を果たす。そして、大抵の場合歓迎したくなるようなものではないが、それでも規模の面から考えれば特に有害とは言いがたいものだ。しかし、上記のリンクはこれらとは異なる分野に属する。
上記のリンクの一つをたどるとこのようなページ(リンクにはnofollowタグを入れている)にたどり着く。このGoogle Groupsページのタイトルには「無料。rachel starrのポルノ予告編!!!」とある。そして、くるくると車輪が回っているように見えるアイコンが貼付けられたYouTubeもどきのものが表示されている。その下には「クリックして動画を見る」という文字。クリックするとPorntubeのようなページへと誘導されるが、そうではない。リンクは無し。なぜならコンテンツはNSFW(職場などでの閲覧は避けた方がよいような内容)だからだ。表示されている動画の一つをクリックしてみるとすぐにActiveXエラーが発生し、修正のためのプラグインをダウンロードするように勧められる。プラグインは.exeファイルだと言えばじゅうぶんだろう。つまり、ウィンドウズユーザーをターゲットにしている。しかし、例え何であれ、インストールしないでおくのが賢明だろう。
Google Groupsでのスパムは何も新しいことではない。Google Groupsでのスパムページについて取り上げている記事として2年前にまで遡るものを見つけた。そこで、疑問になるのは「もしこの問題が何年にも渡って存在するなら、Googleはなぜ何の行動も取らなかったのか?」ということだ。GoogleがPayPerPostサービスやその他のテキストリンク広告を採用しているユーザーを見つけ出し、罰することができるなら、Googleのサービスを利用してユーザーにマルウェアのダウンロードを促すようなスパマーも見つけ出せるはずではないだろうか?それとも、自サービス内で発生していることを管理するよりもその他のものをターゲットにする方が簡単なのだろうか?
[原文へ]
(翻訳:Nobuko Fujieda)