![](/contents/069/786/444.mime4) | ■No37877に返信(g-mimatsuさんの記事)
ep6、今日発売ですね。このどさくさまぎれに我田引水な回答をしてしまいたいと思います。
> 議題:『EP5に入っているネタで、戦人にもヱリカにもベルンにも議題に挙げられていなく、ユーザからも話題にあがっていないような、謎がありましたら回答お願いします。(複数回答3つまでO.K.)』
『Land of the golden witch』で企画されて、いちどお蔵入りになって、ep5で部分的に実装された「極悪な大ネタ」とはなにか、という設問ですね。
わたしは現状、いわゆる「ep5狂言説」に「不」賛同の立場です。賛成しないってことです。そういう立場の人が、自分に都合のいい意見をこれから述べるものだと思って下さい。
『Land of the golden witch』に関しては、作者からこんな言及があります。
KEIYA:今発表したとしても、これまでのシナリオのなかで最高の難易度になるのでしょうか? 竜騎士07:うーん。今の段階だと、ヘタすると思考停止どころか、真相だと思われかねません。『ひぐらし』で例えれば、『目明し編』のない『綿流し編』みたいな。「魅音が犯人なんだ」で終わってしまうくらい致命的です。 ――それを危惧して一度『Land of the golden witch』を止めたのでしょうか? 竜騎士07:恐らく第3話で発表していたら、その段階にも至らない方が続出したと思います。
『【うみねこEP4対談】謎解き部と物語部を両立させられたらいいなと思っています(電撃オンライン)』 http://gameinfo.yahoo.co.jp/news/dol/147660.html
ここでの「今」とは、ep4発表直後のこと。 ここで言及されていることをまとめると、
・ep4直後の段階で『Land of the golden witch』を公開した場合、真相でないものを真相だと思われてしまうだろう。 ・ep3で『Land of the golden witch』を発表していたら、「真相でないものを真相だと思う」段階にすら至らないだろう。
以上のような要約ができるように思うのです。
つまり、こういうことではないでしょうか。
「『Land of the golden witch』とは、真相ではないものを真相だと思わせる仕掛けである」
もう少し踏み込むと、こうではないか? と推理しました。
「もっともらしいウソの真相を用意し、ユーザーがそこに行き着くように誘導する。ユーザーはその真相に満足するので、本当の真相は覆い隠される」
作劇上の展開方法からいっても、
ep1:事件を起こす。 ep2:事件の真相にたどり着けないように隠蔽工作をする(幻想描写)。 ep3:ニセの真相を提示し、ほとんどの人がそこに行き着くように誘導する。
というのは、展開としてきれいです。 当初の構想では、このような流れが想定されていた。
しかしep2でほとんどのユーザーが屈服してしまう状況を見て、 「このままep3をやっても、『ニセの真相』にすら気づいてくれないかもしれない」 という危惧が生じた。 そこで、 「ニセの真相を提示し、ほとんどの人がそこに行き着くように誘導する」 というプランは、お蔵入りになった。
そんな形を想像してみると、わりあい、整合感があるんですが、どうでしょう。
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さて……。 ep5には、『Land of the golden witch』のネタが実装されたそうです。
ep5では、ほとんどの人が、「狂言説」を想定している、という実態があります。
ここからが、わたしに都合のいい自分勝手な言い分なのですが、 「ほとんどの人が狂言説に行き着くように誘導がなされている」 としたら、どうでしょう。 ドキッとしませんか。
ep5は、序盤で、 「死んでいるはずの金蔵が夏妃とお茶を飲んでいるのはなぜか?」 という疑問に対し、 「夏妃と使用人たちが『金蔵は生きている』ふりをしているのだ」 という解をあたえます。つまり、わざわざ練習問題を解いてみせるのです。
この流れのまま、延長上で推理すれば、 「絵羽や留弗夫たち親族が、『殺人事件が起こった』ふりをしているのだ」 という発想には、容易にたどり着きます。
このこと自体が、意図されたデコイ、トラップだとしたら、「極悪」で「凶悪」で「有毒」じゃないでしょうか。
ベルンカステルは幻想法廷で、 「アクロイドが誰もいなくなったと思ったら……」 と、つぶやきます。
「アクロイドが誰もいなくなったと思ったら、○○○だった」 ちょっと古典的ミステリーに詳しければ、○○○の中身は、とあるミステリーを容易に想定できるのです。 そして、その「とあるミステリー」のオチは、「狂言説」を裏打ちするようなものなのです。
けれど、そのことがトラップかもしれない。 この「とあるミステリー」の解答編は、 「名探偵が、2種類の異なる推理を提示する。名探偵はどちらが真相なのか決めかねるので、第三者に判断をゆだねて決めて貰おうとする」 という趣向で行われるのです。 つまり、夏妃犯人説と、戦人犯人説が並列に存在する、あの幻想法廷と相似形をなす。 幻想法廷の状況をかんがみて、より一致感のある解釈は、後者だと思うのです。
もしベルンカステルが、後者の意図で「アクロイド発言」をつぶやいたのだとしたら。前者の解釈、「狂言説を裏打ち」はどうなるでしょう。
これが意図的なひっかけだったら、おそろしい。
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