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No38528 の記事


■38528 / )  【EP6ネタバレ注意】ep6初期推理4
□投稿者/ Townmemory -(2010/01/07(Thu) 09:53:30)
http://blog.goo.ne.jp/grandmasterkey/
    2010/01/07(Thu) 10:29:53 編集(Townmemory)

     ☆EP6ネタバレ警報☆
     以下、約30行のネタバレ改行後にそのまま載ります(伏せ字ではありません)。ご注意下さい。










     ネタバレ改行中












     ネタバレ改行中











    ●ガムテープ封印を割らない単騎脱出

     前回で提案した、いくつかの「戦人がひとりで密室を脱する方法」のひとつに、「外からチェーンをガムテープでつなぐ」というものがありました。
     これは、実のところ、かなり細かい条件を必要とします。

     戦人が予備のガムテープを持っていて、
     さらにマジックを持っていて、
     封印の割り印は、よく見たら書き写すことが可能

     でなければならない。

     これは実のところきびしい。
     この方向性で、本気でトリック破りをするのだとしたら、やはり、「認める」系の復唱をいくつかキャンセルする必要があるでしょう。
     たとえば「客室」の定義をキャンセルすることで、「戦人は客室内にいるが、戦人のいる場所を客室には含めない」みたいなへりくつを弄する必要が出てきてしまいます。

     これでもいいんですが、正直、美しくはない。


     なので、チェーンロックにほどこされた封印を割らずに、戦人を脱出させたいと思います。

     以下のようなかたちで、良くはないか?

    ・戦人、客室を内側から施錠し、死んだふりをする。
    ・チェーンロック、切断される。事件が発覚する。
    ・戦人、バスルームに熱湯のトラップを仕掛ける。
    ・戦人、客室を出る。
    ・ヱリカ、5人を殺害する。
    ・ヱリカ、戦人の客室を封印する。
    ・ヱリカ、戦人の客室の封印健在を確認する。
    ・ヱリカ、戦人の客室に入室する。
    ・ヱリカ、チェーンロックを掛け、切れたチェーンに封印をほどこす。



     いみじくもヱリカが言っていました。いとこ部屋からどうやって嘉音を脱出させるかではなく、どうやって封印時に嘉音を外に出しておくかだと。

     その発想を戦人の密室にも使ったら良いというほどき方です。

     この脱出方法を採るために、抜けなければならない赤字は、以下のひとつだけです。

    「“第一の晩の犠牲者6人の所在は、発見場所のとおりである。夏妃は自室、絵羽は貴賓室、霧江は蔵臼の書斎、楼座と真里亞は客間で、あんたは客室”!」
    「……………………。」
    「まさか、この時点でもう、この程度のことも復唱拒否ですか?!」
    「………いいぜ。それを認める。


     そう、なんと、前回指摘した、
    「もっとも自然に、『認める』をキャンセルできる場所」
     でした。

     ここはごく自然に、
    「この程度のことも復唱拒否であることを認める」
     と読めるのです。

     これで、チェーンロックの封印も、隣部屋の窓の封印も割らずに、戦人ひとりでの密室脱出が(今度こそ)可能になった気がするんですが、どうでしょうか。


     チーズを8分割するには何回の切断を必要とするか、というクイズがありました。

     戦人を救出するには、戦人を含めて2人の人間が必要、というのは、ひょっとして「チーズは3回の切断が必要」という答えにひとしいのではないか、という疑いを、わたしはep6を読みながら、ずーっと考えていました。
     そこで、なんとか戦人ひとりだけで脱出させたい、というのが、わたしの個人的なテーマになっています。これ以外にもないかどうか、今後も考えていきたいところです。


    ●戦人のいらだち=金蔵リフレイン

     再生させた雛ベアトが、戦人の望むような人格でなかったために、落胆して、いらだつ。
     これは、「ベアトリーチェの復活を望んでやまなかった金蔵」という姿に重ね合わせたとき、金蔵も同じ苦悩をきっと味わっていたにちがいない。そういう連想は容易におこなうことができます。

     まっさきに思いつくのが、九羽鳥庵にいたベアトとの関係性で、すでに公式掲示板でも、多くの人が指摘しています。金蔵は九羽鳥庵ベアトに対して、そういう落胆を感じていたのかなあと。
     それはわたしは賛同します。そういう「本来のベアトとは違う……」という違和感を感じる局面が、金蔵翁になかったとは、とても思えないです。


     それはOKとして、ちょっとズレたことを言ってみたいと思います。

     戦人は、雛ベアトにとても冷たくあたりました。

     金蔵翁が、そんなふうに冷たくあたっていた相手といえば誰かな? 
     そう考えたとき、「夏妃」の名前が思い浮かんだのです。

     夏妃は、「古い神官の一族」の出だと言われています。金蔵が愛したオリジナルベアトリーチェも、この「古い神官の一族」の出身なんじゃないか?
     という推理を、わたしは展開したことがあります。

     当たっているかどうかはともかくとして、わたしは自分で、いま、いちばんお気に入りの推理です。

     詳しくはこちら→ 「朱志香の喘息・鎮守の祠と鏡・ep5死体移動」

     簡単に要約しますと、

     鎮守の祠は、実質、金蔵翁が建てたものです。
     鎮守の祠には、鏡がまつられています。
     この鏡が、オリジナルベアトの愛用品だったとしたらどうだろう。
     オリジナルベアトの姿を映し続けた鏡を「魂の依り代」として大事にしたかった金蔵翁の気持ちの表れが、あの鎮守の祠だとしたらどうだろう。
     そして、オリジナルベアトの鏡は、実家から彼女に与えられた「霊鏡」だとしたらどうだろう。
     女の子が旅立つとき、守りの霊鏡を与える習慣の一族がある。
     つまり、夏妃とオリジナルベアトは、同じ一族の出身なのでは?
     夏妃は、金蔵翁が必死の経済戦争をして、やっと勝ち取ったトロフィーです。
     夏妃は、オリジナルベアトの姪っ子か、いとこの娘かで、オリジナルベアトを失った金蔵翁は、せめてオリジナルベアトの面影を持つ女の子を身近に置きたかったのでは?

     という、仮定に仮定をかさねた奇怪な理論なのですが、わたしはストーリーとして自分で気に入っているのです。

     仮に、これがOKだとしたら。
     オリジナルベアトにそっくりの長男の嫁が、オリジナルベアトに似ても似つかない性格だ。なんか、違う。フキゲンになっちゃう。

     そんな現象が、「金蔵は夏妃に冷たい」だとしたら、それはただ冷たいのではなく愛の介在する現象だということになります。

    「金蔵は夏妃を信頼したことはない」という赤字がありますが、戦人だって、雛ベアトのことを別に信頼なんてしていません。信頼しているのではなくて、「愛憎相半ばの複雑な感情」を持っているのです。

     夏妃は金蔵のことを「お父様」と呼びますが、雛ベアトも戦人のことを「お父様」と呼んでいました。


    ●0715戦人と1129戦人・再び

    「この世界の、本当の領主の、年齢」は19だそうです。

     わたしは最初、戦人が2人いて、内訳は7月15日生まれの戦人と11月29日生まれの戦人なのだろうという説を立てました。
     → 「留弗夫「俺は殺される」と「07151129」」

     その後、戦人は7月15日に生まれて11月29日に崖から落ちて死んだことにされたんだろう、という説にスライドしました。
     → 「ep5初期推理その6・戦人の謎」

     どうもさらにスライドの必要がありそうです。

     戦人は11月29日に九羽鳥庵で生まれ、しかし翌年の7月15日生まれ「だということにされた」のだとしたら、実は戦人は19歳だということになり、それで整ってしまいそうです。


     この場合、なんでわざわざ7月15日生まれにしたのか、という理由が必要で、それはどうも、「霧江の出産予定日も7月15日だった」があやしい感じです。

     赤ん坊(戦人)を何らかの理由で預かった明日夢の、霧江に対する、あてつけ、かな?
     参考→ 「明日夢はいったい誰なのか?」

    (でも、ep6の言及をみると、明日夢はべつだん、右代宮家の使用人でなくてもかまわないかもしれないですね)

     明日夢は戦人を育てていたが、霧江が妊娠したことを知ってしまった。このままでは留弗夫と霧江が結婚してしまう。それを避けたい。
     そこで、このタイミングで、「金蔵の愛人との子=戦人」というジョーカーをあなたにあげるから、代わりに結婚して下さいと、留弗夫にもちかける。
     しかし、前年11月29日生まれだとすると、さしさわりがある。11月ごろにお腹が大きくなってなきゃならなかったのに、そうでもない姿が目撃されていたとかね。あるいは、ちょうど「とつきとおか」前のころ、留弗夫は海外にいたので妊娠できたはずがないとか。

     そこで明日夢、その日をもって人前に出ないようにする。そしてある日をもって「出産しました」ということにする。これで「戦人は明日夢と留弗夫の間にできた子ではない」という証拠は、とりあえず、消える。

     ややこしいけれど、ひとまずこういうスライドをしたら、なんとか整うかな。


    ●「見事な魔法であった」という黄金の文字

    「そなたが魔法にて、伏せたカップの中に黄金の花びらを生み出した。見事な魔法であったぞ」

     と、姉ベアトは金文字でいいます。
     このことば。もし赤字で言ったら、ステイルメイトが発生してしまいますね。

     つまり、金字は、
    「魔法はある」
    「これが魔法である」
     と、言うことができる。そういうことになります。

     ep5のラスト近辺をよく読むと、「金文字で語られたことは真実である」とは、誰も保証していないのです。
     ただラムダデルタやドラノールが、「文字が金色になった」という「現象」を「黄金の真実」と呼んでいるだけのことなんです。


     自分の説を我田引水するようで、少し気が引けますが、

     金文字とは、事実ではないが、そうであってほしい「願い」である。

     というのはどうでしょう。

     戦人は、どうしても金蔵の死体が存在してほしかったし、その死体は判別可能であってほしかったのです。
     姉ベアトは、妹ベアトの魔法を認めてあげたかったのです。

     たとえば、
    「この満天の星を、ぜんぶ君にあげる」
     は、物理的に不可能なので赤字でいうのはアレですが、金なら余裕で言える、とかね。

     このあたりに関しては、詳しくは以下をどうぞ。
     → 「うみねこに選択肢を作る方法(と『黄金の真実』)」
     → 「「うみねこのく頃に」推理・考察ブログです」


    ●フェザリーヌが示唆した「ベアトの心臓」

     我田引水ついでにもう一題。

    「隣部屋の窓以外に、出口はない。……にもかかわらず、隣部屋の窓を推理に組み込むことが許されぬ。…………この密室を解く答えは、恐らく、ない。」
    (中略)
    「……………………。……いや、一手、あるにはある。……しかしその手は、………二度と使えぬ手だ。……そしてそれは、…ベアトの心臓の一部でもある。」
    (中略)
     ………そうか。
     ……この長き物語も、……いよいよ幕を下ろす時が来たのか…。
     その謎を明かすことは、……いよいよ、………ベアトを殺す、ということだ。


     ここでフェザリーヌが示唆する「ベアトの心臓の一部」とは。
     これをゲームマスター戦人があかすということは、物語の終わりを意味するという、それは何か。

     ここでフェザリーヌが想定している「一手」とは、
    「隣部屋の窓を推理に組み込むことが許されない」
    「にも関わらず、戦人の密室を解くことができる手である」

     という条件です。

     ということは、ここで想定されている「ベアトの心臓」は、「紗音・嘉音同一人物説」に類するものではありません。
     なぜなら、隣部屋の窓を開けないかぎり、紗音は戦人を救出することができないからです。


     わたしは、「このことがホントで、それが明かされたら、この物語はもうオシマイ」となる説を、ひとつ持っています。だいぶおなじみになってきて、そして大不評なやつです。

    「赤字は必ずしも、物理的な事実を語っているわけではない」

     この大ナタを、バーンと振り上げてドーンと振り下ろせば、封印を剥がして貼り直そうが隠し通路から逃げ出そうが、お好きな方法で戦人は密室から脱出し、そしてこの物語はおしまいです。


     赤字懐疑論については、もう複雑で、一言では説明出来ないので、以下のURLの「●赤文字論・密室を解く」を順繰りにご覧下さい。→ http://blog.goo.ne.jp/grandmasterkey/e/a5cfe5f7d2304036197da08f756ba93e


    ●究極にして一なる原始のトリック

     ベアトリーチェは、あらゆる推理小説を読み漁ったあげく、
    「究極にして一なる原始のトリック」
     に気づいた。
     それを魔法体系にして、魔女になった。

     そんなことがラムダデルタから語られます。

     ベアトリーチェが気づいたものが、なんなのか、わたしにはわかりません。

     だから、そのかわりに、わたしの考える「1なるトリック」について、お話します。
     程度の大小はあれ、意識的にか無意識的にかはともかく、ほとんどの探偵小説が使っていると言ってもいい、あるトリックがあります。


     それは。
    「不正確、かつ不足した情報しか与えない。にもかかわらず、正しく・十分な情報が与えられていた、と読者に誤認させること」
     です。

     なぜなら、正確かつ十分な情報を読者に与えたら、かかる時間の長短はあれ、必ず解けてしまうからです。

     つまり、解けない条件の謎を与えたあげく、「ああ、よく考えていれば解けたのに」という錯覚を相手に与える。
     わたしは、ほとんどの探偵小説の正体は、これだと思います。

     パズラーというのでしょうか、本当に知恵の輪みたいなものを指向する一派は除いて、ほとんどのミステリーが、このトリックの恩恵にあずかっているのではないかな。

     ミステリーが読者に提供しているものって、じつは、「謎」ではなく、「それが謎解きシーンでみるみる解けていくときの快感」なのではないかな。
     テレビ時代劇の本質が、ドラマや舞台設定にあるのではなく、45分めに始まる剣劇であるように。

     謎に囲まれて、頭脳に負荷がかかる。
     その負荷が、謎解きシーンで急激に解放される。
     そのときの気持ちよさ。

     無理して着ていたきつい服を、家に帰ってきて脱いだときの気分みたいなもの。
     ミステリーが提供しているエンタテインメント性って、それじゃないかな。

    「ああ、そうか! 認識がひらけた! ぱぁーっ」
     というときの快感、カタルシス。
     ミステリーとは、このカタルシスを目的としたものであって、
     逆に言えば、カタルシスさえ提供することができれば、「本当に解ける必要はない」。

     わたしは、ミステリーを、そういうものだと認識しているのです。

     だから、赤字ってほんとのこととは違うでしょ、みたいなことも言えてしまう。

     万単位のユーザーが、3年間かかりきりになって、それでも解けない(定説らしきものを成立させられない)パズルというのは、そのパズル性を疑うべきだと思うのです。
     そして、
    「パズルでないのなら、これは何なのか」
     を考えていくべき。そういうアプローチを、わたしは個人的にとっています。


     実は最初から宣言されているのじゃないかな。
    「No fair.」
    「解かせる気が毛頭ない」
返信/引用返信 削除キー/


Pass/

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