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No44201 の記事


■44201 / )  【続・カケラ世界】補遺・カケラ紡ぎ「86.6.17の家族写真」
□投稿者/ Townmemory -(2010/04/01(Thu) 05:30:37)
http://blog.goo.ne.jp/grandmasterkey/
     ふと思いついたので追補版を書くことにしました。
     この投稿だけ読んでもだいたい内容はわかると思いますが、以下に示す3投稿の続編ですので、そちらを読んでおくとより理解が深いかもしれません。

    「【続・カケラ世界】上・金蔵はいつ死んだ?/死体のありか」 → no43664
    「【続・カケラ世界】中・ゲーム盤世界は常に異なる」 → no43764
    「【続・カケラ世界】下・縁寿を幸せにする「カケラ紡ぎ」」 → no44050


         ☆


     これまで見ないふりをしていたのですが、オープニングムービーver.Cというバーションのラスト近くに、留弗夫一家の家族写真が出てくるのです。

     その写真には、留弗夫と戦人がはっきりと写り、霧江らしき人物と縁寿らしき人物(フォトフレームに光が写りこんで見えない)が写っています。
     背後には黄色いバラが咲いています。
     そして右下に「86.6.17」という日付が焼き込まれています。

     86.6.17……。

     この写真の場所が「六軒島の薔薇庭園ではない別の場所だ」というのなら、何の問題もないのです。
     また、「ここに写っているのは縁寿ではなく、間違った日付が焼き込まれた」のでも、問題はありません。

     でも、もしも、そうでなかったらモヤモヤしますよね。

     その「もしもそうでない場合」について、ちょっとあれこれひねくってみます。


    ●六軒島に一家4人が揃ったことにしよう

    「この写真の場所は六軒島の薔薇庭園であり、写っているのは霧江と縁寿であり、日付は正しい」
     という場合、どんなことになるのか。
     それは、
    「事件の4ヶ月前にあたる6月17日、留弗夫、霧江、戦人、縁寿の4人は、六軒島にいた」
     ということになります。

     その可能性は高いと思うのです。
     LockerさんのWebページ『うみねこはないているか』(http://umineko.locker.jp/nenpyou.html#month)によれば、バラの開花時期は5〜6月と10〜11月。6月17日はちょうどあてはまるというのがひとつ。

     もうひとつは、留弗夫と戦人が、我々にもおなじみの「あのスーツ」を着ていることです。
     あんな金刺繍が入ったスーツは、ビジネスシーンでの使用に耐えません。社長の留弗夫が、取引先と会うのに、あの金刺繍スーツを着ていく……。仕事帰りに大好きな「貧乏臭い一杯飲み屋」に立ち寄るのに、あのスーツを着ている……。無理です。
     戦人にいたっては、あれが普段着というのはありえません。よそ行きにしたって、もう少し穏当なものは当然持っているでしょう。
     よって、あの家紋入りのスーツは、「六軒島を訪問するとき専用」と考えるのが、妥当だと思います。
    (ただ、デイル・ワタナベ弁護士と電話するシーンで留弗夫はあのスーツを着ていますので、合わないといえば、合わない)

     さて、1986年6月17日に留弗夫一家4名が六軒島を訪問したとしたら、それは、
    「戦人の右代宮家復帰について、本家に筋を通しに行く」
     以外の理由が思いつきません。
     これ以外の理由が設定されていたとしても、この「筋を通す」という挨拶ごとは、必ず用件に含まれていたはずです。

     筋を通す相手は、大親分である金蔵と、二代目の蔵臼です。
     よって、この2人が在島していない日に訪問しても、話になりません。
     先に挙げたLockerさんの『うみねこはないているか』によれば、1986年6月17日は火曜日。留弗夫は仕事を休み、戦人は学校を休んだことになります。
     これを、
    「金蔵もしくは蔵臼のスケジュールが、そこしか空いていなかった。それに合わせざるをえなかった」
     と考えることにします。

     だとするとですね、Ep1などで、戦人に会った六軒島の人々が、よってたかって、
    「初めまして」、か、
    「6年ぶりで見違えましたね」、
     という反応を、揃って示すのは、どうしたら良いでしょう。

     ほんの4ヶ月前に、みなさん会っているのではないの?

     金蔵が誰にも会わないのは、いつものことですから、これは良しとします。
     源次、熊沢、紗音、嘉音、郷田は、たまたま全員が揃ってオフだったのかもしれない。(蔵臼が、郷田の料理を自慢する機会を逸するのはどうかと思うけれど、ありえる)
     さらにそれに加えて、蔵臼、夏妃、朱志香も、たまたま泊まりがけで出かけていて、不在だったわけなのでしょうか。
     それとも、留弗夫一家は、アポをとらずに、ぶっつけで、平日に、六軒島に押しかけたのでしょうか。
     もしくは、「初めまして」「6年ぶり」は、すべて幻想描写。

     その解釈をとってもかまいませんが、例によって、
    「1986年6月17日の訪問は、別の平行世界で起こったこと」
     ということにしてしまってはどうでしょう。

    「1986年6月17日に、留弗夫一家が六軒島を訪問する」というイベントは、Ep1にもEp2にもEp3にもEp4にもEp5にもEp6にも発生しない。それ以外の「未知のカケラ世界」で発生したイベントである。

     という大きな外し方です。


    ●戦人と縁寿はなぜ六軒島に同時存在できないのか

     じつはここから先が本論。

     この『うみねこのく頃に』というゲームにおいて、
    「戦人と縁寿が、同時に六軒島に存在した事例」
     って、「86.6.17家族写真」だけなのです。
    (たぶん)

     6年前に縁寿が生まれると同時に、戦人は六軒島へ行くのをやめ、6年後に戦人が島に来るとき、縁寿は必ず体調を崩すのですからね。

     このゲームにおいて、
    「戦人と縁寿は、なぜか同時に六軒島に存在することができない」
     という現象が観測されるのです。

     縁寿は必ず体調を崩す。
    「必ず発生するイベント」があったら、それは「発生させたい何者かの意志」が存在していることを疑う、というのが、『竜騎士07のゲーム』のセオリーです。

    「戦人と縁寿に、同時に島にいてもらっては困る人がいる」

     という、仮定の置き方をしてみてはどうでしょう。
     これはちょっと、面白い方向性じゃないでしょうか。
     どうして、同時にいてもらっちゃ困るのか。単なる想像になりますが、こんなのはどうでしょう。

    「戦人が持つ情報と、縁寿が持つ情報が合わさると、真相が明らかになってしまうから」

     戦人が持つ情報は、わたしたちはほぼ把握していますから、この仮定の場合「縁寿だけが持つ情報」とは何なのか、が問題になります。

     となると、真っ先に疑わしいのは「マリアージュ・ソルシエール」なんです。

     縁寿は過去、ずいぶん子供の頃、真里亞とこんなやりとりをしているようでした。

    「きゃっきゃっきゃ!! 真里亞お姉ちゃん、変なのー!! さくたろなんかいないよー! ぬいぐるみはぬいぐるみだもんー! 布と綿で出来てるってママに習ったもんー!! 歩いたり喋ったりなんか出来るわけないよー!! きゃっきゃっきゃっきゃ、きゃーっきゃっきゃっきゃっきゃ!!!」
    (略)
    「縁寿なんかもう知らない!! うー!! 何でそんなこと言うの、嫌い嫌い嫌い嫌い!! 大っ嫌い!!」
     絶交だ、絶交だ!! もう魔女の仲間になんか入れてあげないッ…!!

     この場面、原作ではどことも知れない場所になっていましたが、アニメでは明確に、六軒島で起こったこととして描写されました。つまりこれは、いつかの親族会議で起こったことである可能性が高いのです。

     さくたろうはぬいぐるみではなく喋れるお友達である、というのは、魔法の根幹なのです。そして、「もう魔女の仲間になんか入れてあげない」なのですから、裏返せば、
    「真里亞は縁寿を魔女の仲間に入れようとした」
     のです。

     そして、六軒島には真里亞に魔法を手ほどきしたベアトリーチェがいるのです。

     縁寿は魔女ベアトリーチェに会った可能性があります。
     真里亞から、「この人は実は魔女ベアトリーチェなんだよ」と正式に紹介されてはいないかもしれない。けれど、真里亞がある人物をさして「ベアトリーチェ!」と呼びかける、そんな場面くらいは目撃したかもしれないのです。


     魔法の根幹を知っており、なおかつベアトリーチェの正体を知っているかもしれない縁寿。
     そんな彼女が、もし10月4日に六軒島に来訪して、「魔女ベアトリーチェの碑文連続殺人事件」に遭遇したとしたら。
     真相は彼女の口から一発で解明されてしまったかもしれない。
     そのことと、戦人の6年前以前の記憶を付き合わせたら、「罪」のことなども含めて、全部のピースがぴったりはまってしまうかもしれない。


     だからベアトリーチェは縁寿が六軒島にやってくるカケラ世界を絶対に選択しない。

     のかもしれない……。


    ●「縁寿」という駒が欠けている?

    『ひぐらしのく頃に』では、
    「圭一が盤に乗らない場合にはルールZを破れない」
    「赤坂が盤に乗らない場合はルールYを破れない」
     という条件付けがありました。

     それと同様に、
    「縁寿が盤に乗らないと、ある種の謎が解けない」
    (縁寿が盤に乗ると、謎が解けてしまう)

     という条件があり、そのために必ず「縁寿欠席世界」が選ばれている、という解釈はできる気がします。

     事件後になって後悔する、という符合もふくめて、縁寿という人は「赤坂ポジション」なのではないか、という感じがするのです。
    「祟殺し編」のお疲れ様会で明言されるのですが、本来、『ひぐらし』の出題編は「祟殺し編」までで終了し、この次は「目明し編」が出るはずだったのです。
     ですがたぶん、
    「あ、このままだとルールYを破るには駒が足りない」
     という作劇上の問題に、竜騎士07さんはつきあたったのじゃないかな。そこで急遽、「暇潰し編」というお話が作られた。それはルールYブレイカーの赤坂という駒を登場させるためのものであった。

     そんな泥縄の経験があったので、『うみねこ』では、縁寿という「かならず不在となる人物」を示唆しておく布石が打たれた。

    「縁寿は来る予定だったけど急病で来ない」
     というのは、
    「本来なら当然盤に乗る駒だったのに乗らない」
     というふうに、受け取ることもできます。

     これはひょっとして、「駒落ち」を示唆するものでは? という疑いを、わたしはだいぶん持っているのです。
     戦人やわたしたちは全部の駒を使ってゲームをしているつもりになっているけれど、実は「角落ち」でゲームをさせられていた、という可能性はありうると思います。


    ●家族写真という「カケラ紡ぎ」

     そこで、「86.6.17家族写真」に戻るのです。

    「2人揃ったら、それだけで真相に到達してしまう(仮定)」戦人と縁寿が、ふたりして六軒島というゲーム盤に乗るという、この家族写真はそういうミラクルなイベントなのかもしれないのです。

     そして、前述のとおり、このイベントは実際のゲーム盤では一度も発生していないと推定することができます。

     そこでもう一段階背伸びをして、こういう仮定を立ててみる。

    「86.6.17家族写真」のイベントが発生したカケラ世界では、六軒島連続殺人事件の発生が回避される。


     たとえば……。

     戦人と縁寿は、ベアトリーチェの正体である人物に会う。
     縁寿が戦人に、なにごとかを示唆する。
     それをきっかけに、戦人は、「6年前に起こった何か」について、ハッキリと思い出す。
     それを戦人が思い出したことで、ベアトリーチェは満足し、殺人事件を起こす必要性を失う……。

     といったようなこと。
     これはかなりムシのいい仮定ですけどね。


     でも、もしこの方向の想像がアリなのだとしたら、
    「86.6.17家族写真」のイベントは、どうやったら発生するのか
     という発想でカケラ紡ぎをしていけば、惨劇を回避できることになります。


     とりあえず、ここまで。

    (了)
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