福島県沿岸の海底では、先月までの1か月で放射性セシウムの濃度が高くなった場所があることが分かり、専門家は「海底の地形や海流の影響で放射性物質が移動しているとみられ、注意が必要だ」と指摘しています。
福島県は、漁業の再開時期を探るため、5月から、相馬市やいわき市の沿岸の漁場で海底の土に含まれる放射性物質の濃度を調べています。先月12日と13日に採取した海底の土1キログラム当たりの放射性セシウムは、相馬市磯部の沖合4.5キロで2490ベクレル、いわき市四倉の沖合0.5キロで1142ベクレルと、高い値でした。それぞれ8月の調査に比べ、濃度がおよそ5倍と2倍に高くなっていて、海洋生物に詳しい東京海洋大学の石丸隆教授は「海底の地形や海流の影響で放射性物質が移動しているとみられる。海底にいるカレイなどの魚は、影響が出る海域が変わる可能性が高く、注意が必要だ」と指摘しています。