旧ソビエトで起きたチェルノブイリ原発事故のあと、放射性物質による影響から子どもたちを守る活動を続けてきたベラルーシの専門家が福島市で講演し、住民みずからが放射線への理解を深めることが重要だと訴えました。
講演したのは、旧ソビエト・ベラルーシの「ベルラド放射能安全研究所」のウラジーミル・バベンコ副所長です。バベンコ副所長は、25年前に起きたチェルノブイリ原子力発電所の事故のあと、ベラルーシで子どもたちを対象に体内に放射性物質が取り込まれて生じる「内部被ばく」の調査に当たっています。講演の中で、バベンコ副所長は、ベラルーシでは24の学校に「放射線学実習センター」を設置し、子どもたちがみずから校庭の土壌などの放射線量を測定している取り組みを紹介しました。そのうえで「住民みずからが放射線への理解を深めることが、健康へのリスクを低くすることにつながる」と訴えました。講演のあと、バベンコ副所長は福島市内の検査施設で「内部被ばく」の検査の様子を視察し、「放射線の影響を最小限に抑えるには、どのような対策が望ましいのか、住民みずからも考えてほしい」と話していました。