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震災のがれき 太平洋上を漂流

10月15日 10時56分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東日本大震災の際に海に流された大量のがれきが日本から3200キロ離れた太平洋上を漂流していることが、アメリカとロシアの海洋関係者によって確認され、がれきは早ければ来年にもハワイ沿岸に漂着する可能性が高いことが分かりました。

これは、太平洋の海流について研究している、ハワイ大学国際太平洋研究センターのニコライ・マキシメンコ教授が明らかにしたものです。先月22日ごろ、ハワイからロシアのウラジオストクに向けて航行していたロシアの実習船が、日本の東およそ3200キロ、北太平洋のミッドウェー諸島から西に900キロの洋上で、震災のがれきとみられる大量の漂流物を広範囲にわたって確認したということです。確認された漂流物には、日本の漁船や漁業用の網のほか、住宅用木材やプラスチック、またテレビや冷蔵庫などの大型の電化製品が含まれており、現場で回収された壊れた漁船の一部には「福島」という文字がはっきり確認できます。茨城県つくば市にある国立環境研究所によると、東日本大震災の際に海に流されたがれきは、およそ300万トンに上ると推計されています。ハワイ大学の研究グループは、がれきは海流に乗って早ければ来年にも、その一部がハワイ沿岸に流れ着き始めると予測しており、マキシメンコ教授は「大量のがれきが航行する船舶の安全を脅かしたり、海の生態系に悪影響を及ぼさないよう対策を取る必要がある」と話しています。