2011年10月15日 10時50分
世界経済の中心地、米ニューヨークで始まった反格差社会デモ「ウォール街を占拠せよ」は、オーストラリアにも15日午前(日本時間同)拡大、市街地の広場などに集まった市民が「一部の富裕者らに支配される社会」などへの不満の意を表した。
デモの賛同者らはこの日を世界一斉行動日と位置づけており、日本を含め、アジアや欧州などでも順次、デモや抗議行動が実施される見通し。
主要都市メルボルンでは15日午前、市民らが市街地の広場に集結。普段は地元の大学で芸術を学ぶ主催者の一人、ニック・カーソンさん(25)は共同通信の取材に「現時点では数百人だが、今日中に数千人規模に膨らむ」との見通しを示した。参加者は「共に占拠せよ」などと書かれたプラカードを掲げ、政治の在り方などについて議論しているという。
カーソンさんは「この国も米国と同じ構造的な問題を抱えている。政治家は一部の大企業や富裕者の言うことにしか耳を傾けないんだ」と話し、米国のデモに触発されたと強調。主催者のメンバーには労働組合員も含まれているが、看護師やミュージシャン、主婦などの一般市民が多く参加しているという。
9月17日にニューヨークで若者十数人が始めた反格差社会デモは10月に入り全米に拡大。世界各地にも呼応する動きが広がり、関連サイトによると、運動は計画中のものも含めると1400カ所以上に達した。(シドニー共同)