メキシコ市(CNN) トラックの荷台に積んだ35人の遺体がメキシコ東部ベラクルス州の車道に放置された事件は、発生から1日たった21日になっても犯人の足取りや動機がつかめず、当局は現場の映像などを手がかりに捜査を進めている。
この事件ではラッシュアワーで混雑する同州ボカデルリオの道路上に、遺体を山積みにした2台のトラックが放置された。現場で撮影された写真には、トラックの荷台から遺体が路上に落下して積み重なり、その光景を通行人らが呆然と見つめる様子が写っていた。22日には同地で各州の検察と司法当局の会議が開かれる。
同州のペレス司法長官は21日、地元のラジオ局に対し、映像から判断すると、トラックの周りを別の車が取り囲んで守りを固めていた可能性があると語った。映像の出所は明らかにしなかった。また、遺体を遺棄した犯人と警察が結託していなかったかどうかについても調べていることを明らかにした。
ペレス長官によると、同日午前までに遺体の95%は身元が判明し、ほとんどに犯罪歴があることが分かった。1人は約15年前に失踪した地元の警察官だった。被害者の死因は窒息死で、1人は銃で撃たれた跡があった。遺体の状態から判断すると、殺害された後間もなく遺棄された可能性が高いという。
ベラクルス州では麻薬絡みの暴力犯罪が増加し、組織間の抗争事件が頻発している。治安問題に詳しい専門家は今回の事件について、犯人が自分たちの力を誇示する目的でやったとの見方を示した。
首都メキシコ市で21日に開かれた平和活動団体の会議でもこの事件が話題になり、参加者は、たとえ被害者に犯罪歴があったとしても、国民が暴力を何とも思わなくなってしまうことがあってはならないと訴えた。
同国のカルデロン大統領は同日、国連総会の演説で麻薬取引によって引き起こされる暴力犯罪に触れ、武器取引の横行と、それを助長している薬物使用の蔓延を食い止めなければならないと力説。「現代の犯罪組織は、すべての独裁政権を合わせたよりも多くの人々や若者を殺害していることを認識しなければならない」と訴えた。