呉市交通局営業所の跡地利用を巡る贈収賄事件で、加重収賄や官製談合防止法違反などの罪に問われた元同市都市部交通政策課参事補(起訴休職中)、志和康成被告(53)の判決が13日、広島地裁であった。芦高源裁判長は「犯行は、市民の信頼を大きく損なうもので、社会的影響の大きさも軽視できない」として懲役2年、執行猶予4年、追徴金約12万3370円(求刑・懲役2年、追徴金12万3370円)の有罪判決を言い渡した。
判決によると、志和被告は交通局で入札を取り仕切る担当者だった07年6月25日~08年5月16日、大手スーパー「マックスバリュ西日本」の元広島開発部広島開発マネジャー(諭旨解雇)の男に、中区内の飲食店などで6回に渡り、計約9万円の飲食接待を受けた。その見返りに、同年5月28日にあった呉市交通局東営業所跡地の賃貸を巡る入札で、他の入札企業の保証金額を事前に男に漏えい。マ社落札後も、2回に渡り計約3万4000円の飲食接待を受けた。
志和被告は「わいろ性の認識はなかった」として無罪を主張していたが、芦高裁判長は「接待として、そのわいろ性を優に肯定できる」として退けた。
小村和年・同市長は「市民の皆様に深くお詫び申し上げる。今後の裁判の行方を踏まえながら、厳正に対処する」とコメントした。【中里顕】
毎日新聞 2011年10月14日 地方版