九州電力は14日午前の臨時取締役会で、「やらせメール」問題の最終報告書をまとめた。玄海原子力発電所が立地する佐賀県のやらせへの関与を認めず、第三者委員会(委員長=郷原信郎弁護士)の調査結果の核心部分を否定した。役員らの報酬カットは決めたが、辞表を提出していた真部利応社長は原発の再稼働に道筋をつけることなどを理由に当面は続投する。
不祥事を起こした企業が、自ら設置した第三者委の指摘を否定するのは極めて異例。やらせの実態を明らかにすることより、原発の再稼働をにらんで佐賀県をかばうことを優先したかたちで、報告書を受け取った経済産業省がどう対応するかが焦点になる。
第三者委は委員4人とは別に、17人の弁護士チームが延べ約120人の関係者から聞き取りするなどして実態を調べ、9月末に調査結果を提出した。
真部社長は取締役会終了後、高原一郎・経産省資源エネルギー庁長官に報告書を提出した。真部社長は記者団に対し「社長の個人的な考え方だけで辞めることはできかねる」と述べ、続投する意向を示した。