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平塚最後の百貨店、「梅屋・本館」が8月末で閉館へ/神奈川

2011年8月2日

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創業104年、平塚で最後に残った百貨店「梅屋・本館」も8月末で営業終了する=平塚市紅谷町

創業104年、平塚で最後に残った百貨店「梅屋・本館」も8月末で営業終了する=平塚市紅谷町

2008年9月に閉館したまま空きビルになっている旧長崎屋のビル=平塚市紅谷町

2008年9月に閉館したまま空きビルになっている旧長崎屋のビル=平塚市紅谷町

 かつて県内屈指の商圏を誇り、長崎屋、十字屋など全国展開した百貨店の発祥の地だった平塚。唯一残っていた百貨店「梅屋・本館」(紅谷町)が今月末で閉館することになった。衰退が指摘されて久しい平塚駅北口の中心商店街では、平塚から百貨店がなくなり集客の核が失われることに波紋が広がる。商店主からは「人の流れが細り致命傷になりかねない」との声も上がる。

 梅屋によると、本館(地上13階・地下2階、約1万1千平方メートル)は1963年築で老朽化が進んでおり、「お客さまの安心安全のため耐震検査の必要性が生じた」。耐震検査の結果を見て、補強、建て替えを検討していくが、百貨店を継続するかどうかも含め、その後の展開は白紙という。

 お膝元「紅谷パールロード商店街」の商店主は「銀座でさえ西武百貨店が閉店した。平塚でよく頑張ったと思うが、商店街への影響は大きい」と話す。

 百貨店不振は時代の流れとはいえ、1907年創業の老舗・梅屋は、地元の中高年層を中心に固定客も多い。閉館の張り紙を見て「再開するのか」と戸惑う客も多いという。

 また、懸念を大きくしているのが、中心商店街で唯一、まとまった規模の食品スーパーマーケット・生鮮食品売り場が地下階にあったこと。駅ビル「平塚ラスカ」の地下にも生鮮食料品売り場があるが、価格帯は高め。商店主の一人は「梅屋で食料品を買っていた主婦層は郊外のスーパーに向かう。駅利用客も素通りするのでは」と不安視する。「商店街の住民だって買い物難民になる」といった苦笑交じりの嘆息が漏れる。

 集客の核を失うことの重大さは、2008年の「長崎屋平塚店」(紅谷町、地上11階・地下1階、約1万3千平方メートル)の閉店が生々しい。中心商店街の目抜き通り「湘南スターモール商店街」は「歩行者通行量が平日2割、土日で3割以上減った」という。

 同店は現在も空きビルのままだ。長崎屋は当初、「営業を一時休止する」としていたが、その後に完全撤退を決めた。親会社の「ドン・キホーテ」は「近隣に傘下店がある。競合は避けたい」と説明。昨年8月に、敷地、ビルとも埼玉の不動産業者が取得している。同社は「平塚市内外から申し出はあり、売買、賃貸の両にらみで交渉している。早く決めたいのはやまやまだが、価格の折り合いがつかない」という。

 平塚の商業は、戦後いち早い区画整理で発展。1960年代は「東は三浦、西は熱海まで」という広大な商圏を誇った。駅前商店街は小売、卸業者が軒を連ね、百貨店も梅屋、長崎屋、十字屋のほか志澤屋が出店した時期もあった。しかし、70年代以降は近隣商業地域の発展で地盤沈下が進行。商圏も現在は、平塚市内と隣接市町の一部にまで縮小している。 

◆梅屋
 資本金1億3500万円。本館のほかに、平塚駅北口バスターミナルに面した専門店ビル「YouU館」(地上6階・地下1階、5600平方メートル)があり、ユニクロなどが入居。こちらは営業を続ける。 

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