三菱重工業がサイバー攻撃を受けた問題で、ミサイル関連製品を製造する「名古屋誘導推進システム製作所」(愛知県小牧市)のサーバーが約30万回にわたって不正にアクセスされていたことが関係者への取材でわかった。防衛秘密を狙って集中的に攻撃されたとみられ、警視庁が不正アクセス禁止法違反などの容疑で捜査している。
関係者によると、自衛隊の対艦ミサイル「80式空対艦誘導弾」などを製造している同製作所のサーバーが8月以降、外部サイトと約30万回にわたって通信していたという。一部の情報が流出した可能性もあるが、防衛省が指定する「保護すべき情報」ではないという。三菱重工は「製品や技術に関する重要情報の流出は確認されていない」としている。
三菱重工によると、サイバー攻撃は同製作所や潜水艦を建造する神戸造船所など計11カ所で確認され、サーバーとパソコン計83台がウイルスに感染していた。