シドニー(CNN) 韓国のサムスン電子がスマートフォンをめぐる争いでアップルの「iPhone」に対抗するため、オーストラリア・シドニーのアップル直営店近くに仮設店舗を設け、毎朝先着10人に最新モデルの「ギャラクシーSII」を2ドルで販売するキャンペーンを展開している。
ギャラクシーSIIの定価は850ドル。これが2ドルで買えるとあって、3~4泊の泊まり込みで並ぶ若者も現れた。3日間並んで2ドルのギャラクシーを手にした男性は「アップルのiPhoneは割引を行っていない。正直なところ、サムスンほど良くない電話のために並んで全額を払う理由が分からない」と話す。
地元紙によれば、サムスンの仮設店舗前の行列は12日から始まった。14日から発売される「iPhone4S」に対抗するのが狙いだったとされ、14日以降も仮設店舗を継続する計画はないという。
アップルとサムスンは4月以降、米国、欧州、オーストラリア、韓国、日本など9カ国で訴訟合戦を展開している。iPhoneとiPadをサムスンのギャラクシーに真似されたと訴えるアップルに対し、サムスンはアップルに特許を侵害されたと主張してきた。
先週にはアップルがオーストラリアの訴訟でサムスンの和解案を退けたため、サムスンのタブレット端末「ギャラクシータブ10.1」は同国で発売できなくなっている。ドイツやオランダでもサムスン製品の販売差し止めが言い渡された。
サムスンのギャラクシーはiPhoneにとって最大のライバルと位置付けられる。世界的な売れ行きではiPhoneが首位に立つが、総合的な市場シェアはグーグルの「アンドロイド」搭載端末が上回る。サムスンは最大手のアンドロイド端末メーカー。