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農家と実習生、待遇めぐり溝 川上・南牧で中国人帰国の可能性 10月14日(金)

 南佐久郡の佐久穂町を除く5町村の農家でつくる外国人技能実習生の受け入れ団体を通じて来日し、川上村、南牧村の農家で実習している中国人が「中国で受けた説明と待遇が違う」などとして団体に抗議し、一部の中国人が帰国予定の事態になっていることが13日、分かった。昨年の入管難民法改正で在留資格が「研修」から労働者扱いの「技能実習」に変更され、昨年まで農家負担だった住居費など計3万円が給料から天引きとなったことが「行き違い」の背景にあるようだ。13日も団体と実習生側は交渉の場を持ったが、溝は埋まる気配になく、農家側は困惑を隠せないでいる。

 受け入れ団体は「八ケ岳高原事業協同組合」(南牧村)。ことし同組合を通じて受け入れた技能実習生は約600人。4月上旬に来日し数人ずつが宿舎で生活、10月末までの日程で5町村の300軒の農家でレタスやハクサイの収穫などにかかわっている。昨年までの研修生と違い労働基準法適用下で最低賃金が保障され残業も可能。研修生の時には一律8万円の生活費が支給され住居費や光熱費などは農家負担だったが、ことしからはこれらが給料から引かれるようになった。ただ、組合によると、最低賃金が保障されたため、残業を除き平均で額面12万円がもらえる状況にあるという。

 今月に入って中国人の間から「月3万円引かれるという話は中国で聞いていなかった」「残業時間が農家ごとに違いすぎる。もっと残業できると聞いた」といった声が出て、組合側に詳しい説明や引かれた金額の返還を求める動きが拡大。川上村では10日ごろに数十人規模のストライキがあり、南牧村でも12日夜に30人余が同組合が入る建物の前に集まって夜を明かし、13日朝交渉を持った。しかし組合側の回答に納得できないとする中国人は少なくなかった。また現地機関の担当者は「中国での契約時に、ちゃんと住居費などの支払いや残業について説明して契約書にサインをもらった」としている。

 納得できずに帰国を申し出たり農家との関係が悪化して帰国を考えたりする実習生も出ており、帰国の可能性がある実習生は2村で数十人に上るとする関係者もいる。

 受け入れた実習生3人が帰国を申し出たという南牧村の農家は「働き手がいなくなると困るが、家族などでなんとかするしかない」と漏らす。

 同組合は農家との調整や実習生の説得に奔走。「これまでこうしたトラブルはなかった。法が変更され初年度なので、住居費が引かれることの説明が足りなかったのかもしれない」と対応に苦慮している。


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