神戸大の石橋克彦名誉教授は駿河湾から四国沖にかけての「南海トラフ」と中部地方を縦断する「糸魚川~静岡構造線断層帯」が連動し、マグニチュード(M)9クラスの巨大地震が起こる可能性があるとの分析結果をまとめた。ユーラシア大陸の一部を載せたプレート(岩板)の東進によってひずみがたまり、巨大地震が起きるという。
静岡市で開催中の日本地震学会で13日、発表した。
石橋名誉教授はユーラシアプレートの一部が中国東北部や西日本などを載せ、独立した小プレートとして東進しているとする「アムールプレート仮説」に基づき分析。全地球測位システム(GPS)の観測結果から、このプレートが東側の北米プレートを年に1~2センチメートルの速度で押しつけていると推定した。
仮説によれば東海~四国沖の東海、東南海、南海の3つの想定震源域では、アムールプレートの下にフィリピン海プレートが潜り込んでいる。3領域で地震が連動して起こるとアムールプレート東端の糸魚川~静岡構造線断層帯のうち、長野県松本市~静岡市の部分でも地震が起きる恐れがあるという。
この結果、震源域の長さは700キロメートルに及ぶと推定。東日本大震災の500キロメートルを上回り、地震の規模はM9.0を超える可能性があるという。石橋名誉教授は「連動地震の発生確率は分からないが、GPSなどでプレートの動きを注視する必要がある」としている。
石橋克彦、南海トラフ、GPS、南海
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