ある水炊き屋のお話。
数年前、先輩とある有名水炊き屋に行く事になった。
予約もせずにお店に向かい、僕が先にお店に入りコチラの人数をつげると
店の女将から『満席なんです』と断られた。
残念だなと思い先輩に伝えようとした時に先輩が店に到着。
その店の女将は先輩の顔を見るなり、『コチラへどうぞ!』と満席のはずの店内が
なんかの魔法を使ったかの様にすぐに入れた。
やっぱり先輩ってスゲーなぁと思い格好よくも見えたが
僕はこの女将が一瞬で嫌いになった(笑)
と同時にもっともっと頑張ろうとも思った瞬間だった。
僕が馬鹿だったか?何回かそこのお店に行く事があった。
その先輩抜きでね。
やっぱり先輩抜きだと入れてもらえなかった。
(そこの水炊き食べてみたいと言うリクエストが多いため)何回かチャレンジしたけど
満席の店内から席に座れる魔法は使えもしないし、女将も魔法の杖をかざしてもくれなかった。
僕はこれによりその店には2度と行かないと決めたのである。
これが数年前の出来事である。
がしかし
時間と言うのは恐ろしいモノなのか?
僕の決意のガードが緩む時が来たのだった。
そもそも僕の奥さんがそこの水炊き屋に行ってみたいと前々から行っていたんだけど
過去の僕の話を聞いて夫婦間でもヤメておこうと言う事になっていた。
(僕の思いが強いのもあったが)
夫婦で外食しようとなったときに
体に優しい鍋なんかどうだろうと話になった。
そこで前々から行きたいと言っていた某水炊き屋に行ってみようと言う事になった。
もう大丈夫だろうと。
(注:有名になったと言う訳ではない)
(注:ミキティパワーを使おうとも思った訳でもない)
たぶんもう大丈夫だろうと思って二人で行ってみた。
久しぶりにきた店の入り口。
もちろん営業はしている。
店内に入って店内を見渡して空席をいくつか確認した。
今日は入れるぞと思っていると
すぐにホールの女の子がよって来て『何名様ですか?』と聞いて来た。
僕が『2人です』と答えると
少し奥から女将が出て来て『満席なんです』と断られた。
なんて事だ!!
もう笑ってしまった。
残念すぎて笑ってしまった。
もしかしたら僕が確認した空席は予約していたお客さんの分かもしれない。
そんなのもわかっています。
でも数年前に僕が喰らったあの魔法を見ているだけに
なんともそのお断り文句が嘘に聞こえてしまって仕方ないのだ。
僕がもっともっと売れていれば入れたのかもしれない。
僕が女将好みの芸人だったら入れたのかもしれない。
悔しいけどもっともっと頑張らなきゃ行けないんだと思った。
あのとき2度と行かないと心に決めた強いガードが時間とともに緩くなり
ノーガードで行ったらまたボコられてしまった。
嫁さんにも恥をかかしてしまった。
僕たちは店を出て隣の五右衛門に入った。
彼女はレディースセット
僕はハーフ&ハーフを頼み美味しく頂いた。
五右衛門が本当に美味しかった。
彼女も笑顔で美味しく食べていた。
嬉しかった。
もう1度心に決めた。
もう2度とその水炊き屋には行かない。
時間が過ぎてもガードは緩めない。
美味しいのに残念なお店だ。
美味しい水炊き屋は他にもあるから良いのだ。
こういうことからいろいろと学ばせてもらっている。
本当に良い勉強になった。