ゼンショーホールディングスは13日、牛丼店「すき家」を狙った強盗事件が多発している問題への対策として、深夜帯の1人営業を見直すと発表した。年末までに全店舗の6割、2012年3月末には全店を複数人での運営に改める。
警察庁は今年1~9月に牛丼店で起きた強盗事件の約9割がすき家に集中していたのを受けて12日、同社に夜間の人員増などの対応を求めていた。同じ牛丼チェーンでも吉野家や松屋フーズは夜間も原則2人以上で運営している。
警察庁はすき家が狙われやすい理由に、店内に多くの現金を保管していることや、出入り口付近にのみレジを設置していることも挙げた。この2点についてゼンショーホールディングスは「店に現金をため込むようなことはしていない。レジの配置は持ち帰り客の利便性もあり変えにくい」(広報室)としている。
すき家は牛丼の通常価格が並盛りで280円と牛丼大手で最も安い。深夜の増員は人件費の増加につながるが、「他の時間帯の業務を夜間に移すなどでコスト増は吸収できる」といい、値上げの可能性は否定した。
同社は全店に防犯カメラを設置し、防犯講習を施すなどの対策を講じてきた。しかし容易に強盗できるかのような印象が広まった面もあり、強盗件数は前年より増加。警察庁からの要請については「真摯に受け止めたい」としている。
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