東京の高級住宅街、世田谷区弦巻の民家から高放射線が検出され、大騒動になった。“犯人”はヨウ素でもセシウムでもプルトニウムではなく、医療現場や温泉地で耳にする放射性物質の「ラジウム」だった。研究機関でもない古い一軒家に、なぜラジウムが遺棄されていたのか。
福島第1原発の爆発事故後、首都圏でも放射線が高い「ホットスポット」が相次ぎ、3・35マイクロシーベルト(13日午前、高さ1メートル地点)という高い放射線が検出された世田谷区弦巻の区道も当初、原発由来の放射性物質が原因として疑われた。
ところが、文部科学省が調べてみると古い民家の中から放出されていることが判明。所有者の了解を得て床下を開けると、木箱があり、その中からラジウム226の粉末などが入った数十本の瓶が見つかった。
なぜこんな物騒なシロモノが残されていたのか。医療用などが考えられるものの、文科省では「医療用には粉末では使わないので、夜光塗料などに使うためだった可能性もある」とみる。
民家は1950年代に建築。事務系の男性サラリーマンが住んでいたが、約10年前に死亡。最近では所有者の高齢女性が今年2月まで居住していたが、世田谷区によると、女性は「(箱や瓶に)見覚えはない」という。戦前から戦後にかけてラジウムはがん治療や工業用などに広く使われたが、処分費用が高く、不法に廃棄されるケースがあったとされる…。