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意外と奥が深い!
睡眠管理アプリを徹底評価!
iPhoneアプリには睡眠管理アプリなどと呼ばれるカテゴリのアプリがあります。睡眠にかかわるものとしては、睡眠導入を助けてくれるというもの(聞いていると眠くなる、よく眠れる音を発する)をよく見かけますが、ここで取り上げるのは、睡眠時間を記録する機能を持ったもの。健康管理アプリの一種と言えるでしょう。
従来も、Webサービスで同様のものはあったのですが、iPhoneアプリで行うことで、飛躍的に利便性が上がりました。単に利用しやすいというよりも、ベッドサイドや枕元に置いておき、すぐに手にとって操作できるiPhoneだからこそ、手軽な睡眠管理が可能になったと言ってもいいでしょう。iPhoneの睡眠アプリが登場したことで、人類のITによる睡眠管理環境が整ったのです!(おおげさ?)。
対象アプリ
今回取り上げたのは以下のアプリ。機能とともに一覧にまとめた。
アプリ |
睡眠日記 |
快眠ノート |
おはようパンダ |
ohaYo Lite |
Sleep Cycle alarm clock |
価格 |
115円 |
無料 |
230円 |
無料 |
115円 |
言語 |
日本語 |
日本語 |
日本語 |
日本語 |
英語 |
広告 |
なし |
あり |
なし |
あり |
なし |
アラーム機能 |
○ |
× |
× |
× |
○ |
連携機能 |
× |
× |
× |
メール、Facebook |
|
記録の修正 |
× |
○ |
○ |
○ |
× |
睡眠アプリの基本的な使い方はこうです。
まず寝る前にアプリを起動し、「これから寝る」ことを示す操作を行います。たとえばおはようパンダなら、「ねる」をタップします。そしてiPhoneはそのまま置いておき、自分は眠ります。翌朝、目覚めたら、起きたことを示す操作を行います。おはようパンダでは、「おきた」をタップします。これによって、就寝時刻と起床時刻がアプリに伝わり、睡眠時間が記録されるという仕組みです。
就寝中の活動を記録する睡眠日記とSleep Cycle alarm clockは寝ている間、iPhoneの電源を切らずにそのままにしておかなくてはなりません。が、実際に検証してみましたが、十分に充電されていれば、翌朝にさほど電池が減っているということもありませんでした。特にフライトモードにしておくと減りが少なくて済むようです。昼間、iPhoneをかなり使用していて電池残量が心配であれば充電しながら使うといいでしょう。
記録できる情報を比較
今回取り上げたアプリは、睡眠時間を記録することができますが、記録した情報を閲覧する画面の違いから、重視するポイントが異なっていることがわかります。
|
睡眠日記 |
快眠ノート |
おはようパンダ |
ohaYo Lite |
Sleep Cycle |
||
|
一覧画面 |
詳細画面 |
リスト |
グラフ |
|||
一覧できる期間 |
5日間 |
1日 |
6〜7日間 |
1か月 |
約1か月 |
13日間 |
1日 |
起床時刻 |
○ |
○ |
○ |
× |
× |
△ |
○ |
就寝時刻 |
○ |
○ |
○ |
× |
× |
△ |
○ |
睡眠時間 |
○ |
○ |
○ |
○ |
△ |
△ |
○ |
上記以外の情報 |
なし |
運動量 |
目覚指数 |
目覚指数 |
目標睡眠時間 |
目覚めの気分 |
眠りの深さ |
|
|||||||
※○印は正確に数値で確認可能。△はグラフの位置などでイメージ的に確認できるものを指す。
毎日、何時に起き、何時に眠っているのか、起床時刻・睡眠時刻の変化を記録して見たいという人は、正確な時刻が一覧で確認できない「おはようパンダ」や「ohaYo Lite」は向かないでしょう(ただしどちらも一覧画面では見られないだけで、調べれば記録を確認することはできます)。
平均睡眠時間が知りたければ、その項目がある「快眠ノート」「Sleep Cycle alarm clock」を選ぶのがいいと思います。
画面の見やすさは好みも大きいので、キャプチャを参考にしてほしいのですが、筆者は「睡眠日記」が見やすいと考えます。
今回取り上げたアプリは、睡眠時間を記録するという機能は共通するものの、実際に使ってみると、それぞれコンセプトが違うことがわかりました。順に詳しく見ていきましょう。
各アプリまとめ寸評
・睡眠日記
あとで紹介する「Sleep Cycle alarm clock」の日本版といった雰囲気のアプリ。睡眠記録とアラーム機能を備え、目覚ましとして利用しながら日々の睡眠時間を記録していくというスタンダードなものだと言える。アラームにはiPod内の曲を指定することもできるので、目覚ましとしては不足なし。記録された睡眠時間のグラフも見やすい。
ユニークなのはiPhoneを伏せて置いておき、夜中にふと目覚めたときなどに持ち上げて時計を見るとその時刻を記録してくれるという機能。夜中に目覚めることがあるという人はその時刻を記録しておくことでパターンなどが見えてきて面白そうである(筆者は朝までほぼ目覚めることがないため検証できなかった)。
睡眠日記にはひとつ難点があり、それは一度記録したものをあとから修正できないこと。操作ミスや、起床時のタップし忘れなどは起こりうることなので、できれば修正したい。今後の改良に期待したいところだ。
・快眠ノート
アラーム機能はなく、起床・就寝時刻と睡眠時間を記録していくアプリ。特徴は、各自設定する目標睡眠時間との関係で独自に算出される「目覚め指数」。睡眠不足や眠りすぎでないかどうか、睡眠のリズムから考えてちょうどよい時間帯に起きているかなどを考慮して、「眠りの質」を判定しているようだ。筆者には正直なところ、あまりピンとこない結果が多かったが、記録を一覧したときに「睡眠不足の日が多いな」などといったことがわかるという利点はある。
細かな点だが、評価したいのは、「寝付くまでの時間」が設定できること。睡眠アプリで記録される「就寝時刻」とは、結局のところ「ベッドに入った時刻」でしかない。しかし、ベッドに入ってすぐ寝入ってしまう人もいればすぐには眠れない人もいるはず。快眠ノートでは、だいたいいつも眠りつくまで何分くらいかかっているかを登録できるので、ベッドに入るときに就寝の記録をすれば、「実際に眠りについたと思われる時刻」から、睡眠時間を計算してくれる。そのぶん睡眠管理の精度が上がっている。今回、調べた限り、この機能があるのは快眠ノートだけだ。
今回は無料版で検証したが、有料版(115円)もある。違いは広告の有無のみ。
・おはようパンダ
パンダのキャラクターがナビゲートしてくれる睡眠アプリ。「ねる」をタップするとパンダが眠り、「おきた」をクリックで目覚める。パンダのパーツの色をカスタマイズできたり、iPhoneを振るとパンダが困り顔になるなど、遊び心を効かせた設計。このアプリの特徴はTwitterに連携して、就寝/起床のときにつぶやくことができる点(デフォルトで「ばたり」「むくり」と投稿されるが、変更可能)。ツイートにはハッシュタグがつくので、Twitter上に擬似的におはようパンダのコミュニティ的なものが形成される。
アラーム機能はなく、記録機能も一般的なもの。どちらかと言えば、睡眠記録をきっかけに、Twitter上でのコミュニケーションを促進することが主眼と考えたほうがいいだろう。パンダのキャラはかわいいと言えばかわいいが、好みはそれぞれなので、個人的には色だけでなくカスタマイズできると嬉しかった。
・ohaYo Lite
シンプルな睡眠記録アプリ。就寝時刻と起床時刻を始点・終点にした棒状の睡眠時間グラフは直感的に理解しやすい。起床時に「目覚めの気分」を選んでタップ、記録に色で反映される。毎日の眠りにまつわる一切をひとつの画面で見られるのはいい。また、就寝時・起床時にメッセージを登録しておくことができ、たとえば就寝時に「薬を飲んだ?」などと登録しておけば、それを見て、「毎日、寝る前にやっていること」のリマインダに使えるという機能がある。
難点は20時から翌10時の間でしか、睡眠記録の開始ができないこと。夜勤明けで10時を過ぎてから眠る人、20時より早く床に着く人には使えないことになる。少数派であってもさまざまなライフスタイルに気を配るなら今後の改善を期待したい。 今回は無料版で検証したが、有料版(230円)もある。違いは広告の有無のみ。
・Sleep Cycle alarm clock
睡眠のサイクルを読み取って記録し、もっともスムーズに目覚められるタイミングでアラームを鳴らしてくれるというユニークなアプリだ。ベッドのマットの上にiPhoneを置いておくことで、寝返りなど就寝中の身体の動きを感知。眠りの深さを判定する仕組みだ。アラームは設定した時刻より前で、もっとも眠りの浅いと思われるタイミングで鳴り出す。それにより、自然に目が覚めたような気持ちのいい目覚めが得られる。
実際に試してみたところ、筆者の主観では、たしかに効果的だったように思ったが、効果が感じられないという声もある。日ごとの睡眠のリズムをグラフで見られるのは、見たからといってどうということはないのだが、通常、知ることの難しい「就寝中の自分」の姿を見たようで面白い。
ただ、ベッドにiPhoneを置いておくのが、落としたり、寝返りで体重をかけたりして壊してしまわないか心配になる。1週間利用してみて、寝相はよくない筆者でもそういったことはなかったのだが……。 あと、Sleep Cycle alarm clockも過去の記録を修正できない模様。この点が改善されるとかなり最強に近づくと思われる。
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このように、睡眠管理アプリは定番と呼べるほどのものはなく、それぞれ特色あるアプリが点在しています。自分のやりたいことに合ったものを選ぶのが大切でしょう。
まず、アラーム機能は必要か否かで考えます。今回取り上げた中で、アラーム機能を持つのは睡眠日記とSleep Cycle alarm clockですが、筆者はSleep Cycle alarm clockを推します。睡眠に対して、もっとも深く研究され、開発されたアプリがSleep Cycle alarm clockだと言っていいでしょう。睡眠サイクルからもっとも適切な時刻に起こしてくれるSleep Cycle alarm clockのアラームに慣れると手放せないアプリになるでしょう。
しかし、決まった時刻にアラームがならないのは困るという考え方もあると思います(※ただしSleep Cycle alarm clockは、設定時刻より遅れることはありません)。筆者の検証でも30分近く早く起こされるときがあり、目覚めはすっきりしているものの、若干、損したような気分になったのも事実です。
アラーム機能は必要ですがSleep Cycle alarm clockが合わないという人には睡眠日記というセレクトになります。
アラーム機能が特に不要であるなら、睡眠時間記録の点では快眠ノートが使いやすいでしょう。記録の見やすさはohaYoに譲るところはありますが、寝付くまでの時間を設定しておけるのがよい点です。
今のところ、睡眠アプリはカテゴリとしてマイナーであることもあり、アプリ数もまだ少ないです。国産の、これはと思うものがないのは残念ですが、これから新たな神アプリが登場してくることに期待したいです。