金刀比羅

2011-10-13 15:59:17 Theme: 雅楽関係

 あれだけ暑かった夏も遠い過去の話。最早朝晩は長袖が必要な季節になりました。毎年この時期は一年で一番忙しい時期で、月日の経つのが異常に早く感じるのですが、そうこう言っている間に今年の金刀比羅宮例大祭もあっという間に終わってしまった感じです。参加して下さった皆様方、お疲れ様でした。恐らく今頃足の強烈な筋肉痛と闘っている最中だと思います。785段ある階段を二日間で二往復するのですから、そのダメージは相当なものです。しかも足元は足袋に雪駄。靴を履いて歩く時とは違う部分に力が入るので(特に足の前あたり)、妙な部分が筋肉痛になるのです。これは夏の道楽でも同じです。今回私は東京から北陸を経てそのまま香川入りと言う今までにないスケジュールでした。ツアーと言ってもいいでしょう。一週間近く、雅楽の仲間と共に行動し、演奏し、そして毎晩飲みました。最近私はお酒に強くなりました。その分、身体に余計なものがたくさんつきましたが(笑)。

 金刀比羅宮例大祭の前には、北陸でのお仕事でした。定例稽古が二件、その合間に演奏の仕事が二件。よくもまあこのような日程で仕事がはいるものだと我ながら感心しております。金沢駅構内で開催された「駅コン」は、30分の公演が二本。私は筝の担当でした。元々琵琶と聞いていたのでしたが寸前で配役変更。久しぶりに筝を弾きました。筝を弾くと、必ずと言っていいほど後日右手中指の筋が筋肉痛になります。今回は四月に本番で弾いて以来、半年間筝を触っていなかったのでもうそれは大変な筋肉痛が襲ってきた次第です。演奏は二管立の11人編成での演奏。演目は平調「越殿楽」「陪臚」と鉄板ネタでした。金沢の皆さん、本当にお上手になりました。充分鑑賞に堪えられるレベルです。何と言うか、自信に満ち溢れていると言うか。指導者として、これほど嬉しい事はありません。12月には石川県立音楽堂で初の自主公演を企画されているそうです。益々上達されるのでしょう。もちろん私もお手伝いに行きますよ。

 これはこのツアー中に仲間とよく話していた事なのですが、最近博雅会の演奏が変わったと思うのです。特に舞台上にあるあの異様な雰囲気は一体何なのだろう?最近博雅会では小編成でしか演奏しないのですが、十名足らずで舞台に立つ時、それはそれは何かに飲み込まれるような雰囲気に襲われるのです。それは緊張感、とは少し違うものです。私は舞台上で全く緊張しない人間です。寧ろ、嬉しさや楽しさが勝つのです。ターニングポイントは昨年の大阪歴史博物館での演奏会です。あの演奏会以降、明らかに演奏が変わりました。そしてその事を皆に言うと、同じような事を思っているようです。そして出てきた言葉が「無理する雅楽」「背延びした演奏」。

 最近の演目に関して、私の完全な趣味なのですが明らかにマニアックな曲を揃えています。これは私の願望です。雅楽の世界で、未だ見た事の無い部分を少しでも見たい、その為には吹いた事の無い曲を吹くのが手っ取り早い。「菩薩破」「五常楽壱具」そして「蘭陵王壱具」。効果はてき面です。次回は双調「賀殿破・急」に挑戦します。そしてそのような挑戦に付きあってくれる仲間たちにただただ感謝です。ありがとうございます!

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