2004 9 18(土)    晴れのち曇り時々雨

 ◆◆◆ 先が見えてきたゴールへの道のり ◆◆◆ 



起点の八代は三セク化に伴いJRとは独立した駅舎が建てられた

長かった九州紀行もとうとう最終日に突入した。今日もまだ真っ暗なうちから行動を開始し、移動中に夜明けを迎える。思えばこんな極めて健康的な生活を、よくぞ一週間にも亘って繰り返してこられたものだと感心してしまう。自宅に居てはとても真似のできない芸当で、旅に出ると一日が長く感じられ、何かトクした気分になれる。天気予報は雨となっていて、昨夜はだいぶ降ったようだが、今朝の段階では概ね良好のようだ。むしろ朝日が眩しくて写真を撮るのに苦労するほどで、駅めぐりにおいては、多少曇っているくらいの方がちょうどいいなどと身勝手なことを考えたりする。今日は土曜日のため、朝のラッシュ時間帯に入っても、駅の混雑は見られない。写真を撮るには都合がいいけれど、一日のリズムがつかみにくく、何か変な気分だ。世間は今日から3連休に入ったはずで、これからどんどん人が増えてくるとは思うが、早朝から活動する人はあまり多くない。



駅の形はJRの頃と同じだが、ここはもうJRの駅ではない 肥後田浦にて

JRの頃はあまり気に留めなかったのだが、車窓には見事なまでの八代海が広がり、随分景色のいい路線であることを改めて実感する。間に道路を挟まず、線路の脇は堤防を隔ててすぐ海となっていて、波打ち際の海岸線ぎりぎりの所をいくつものカーブを繰り返しながら列車は走り、このすばらしい眺めには自ずと目が釘付けとなる。過去に何度も通ったはずなのに、今までそれほど頭の中にインプットされなかったのは、トータルで数百キロにも達する主要幹線である鹿児島本線のほんの一部分という意識が働いていたからであろうか。人家が増え出すと駅があり、降りてみると確かに9年前と同じ駅なのだが、斬新な想いでこうして景色を堪能してみると、もはや鹿児島本線の駅ではなく、肥薩おれんじ鉄道の駅であるとの認識が強まる。車で駅に立ち寄ったとしたら、この違いは理解できなかったはずで、列車で訪れることの意義深さを改めて思い知らされてしまった。



おれんじ鉄道の新水俣はシンプルな造り

朝のうちは晴れていたが、時間が経つにつれ次第に空は曇り始め、やがて雨が降り出してくる。これからどんどん雨足は強くなるとのことだが、今日はもう回る駅は少なく、それに午前中にはだいたい回り終えたから、もうさほど気にならない。多少効率は悪くても、10駅だけなのでたいして時間もかからず、午後1時半過ぎの新水俣で降りたのを最後に、肥薩おれんじ鉄道も全駅制覇を成し遂げる。これでもう帰るだけとなったが、新水俣は、九州新幹線の乗換駅で、JR九州の新駅でもあるため、JRの駅としてカウントするため、ここから新幹線に乗って熊本へ出る。特急券の出費は痛かったが、しばらく返上していたJR全駅下車のタイトルを、これでまた奪回することとなり、新駅の追いかけっこもようやく一段落してくれたようだ。今回ダイナミックに九州を駆け抜けたことで、九州も残すところ島原鉄道だけとなり、一気にゴールが近づいてきたような気がする。

 

この日の乗下車駅

肥薩おれんじ鉄道
・八代
・肥後二見
・日奈久温泉
・肥後高田
・肥後田浦
・上田浦
・海浦
・湯浦
・佐敷
・新水俣

JR九州
・新水俣
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


         
9月17日

10月28日