気象・地震

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東日本大震災:転校2万5751人 5月より3982人増

 東日本大震災で被災して別の学校に転校した児童生徒が、9月1日時点で2万5751人に上ることが13日、文部科学省の調査で分かった。5月1日時点の前回調査よりも3982人(18.3%)の増加となった。被害の大きかった岩手、宮城、福島の3県は計2万4092人で全体の93.6%、中でも原発事故の影響を受ける福島県が1万8368人と全体の7割を占めた。震災から半年近く経た夏休み明けでも、被災3県はいずれも転校生が増えており、同省は「放射線の不安や仮設住宅への引っ越しが影響したのではないか」とみている。

 転校した児童生徒らの内訳は、幼稚園4466人▽小学校1万4071人▽中学校4760人▽高校2307人など。

 3県から他の都道府県に移ったのは2204人増の1万3933人で、内訳は福島1万1918人(前回比1920人増)▽宮城1702人(同208人増)▽岩手313人(同76人増)。受け入れ先は、山形県が1362人と最も多く、次いで東京都1295人▽埼玉県1278人▽新潟県1270人▽宮城県1094人--の順で、この5都県で1000人を超えた。

 被災3県でそれぞれの県内の他校に移ったのは1468人増の1万159人で、内訳は福島県6450人(前回比977人増)▽宮城県2896人(同410人増)▽岩手県813人(同81人増)。福島県は約3分の2に相当する4282人が、住民票を移さずに避難先の学校で学ぶ「区域外就学」の形だった。

 震災で児童生徒が増えた学校などを支援するため、同省は教員1080人を加配したほか、1学期には子供たちの心のケアに携わるスクールカウンセラー延べ718人を派遣した。来年度予算の概算要求にも被災地の学習支援として教員1000人分、スクールカウンセラー2300人分の経費を計上し、避難の長期化に備えている。【木村健二】

毎日新聞 2011年10月13日 19時54分

 

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