ミニ耕運機を自在に操り、愛読書は農機のカタログと農業雑誌‐。稲美町印南に、小学5年にして農業に夢中の少年がいる。母里小に通う笹倉温基君(11)。「将来は、牛ふんの肥料と無農薬で地球に優しい農業をし、営農組合を作って、ちゃんと生活できるようにしたい」と夢を膨らませる。(黒田恵子)
温基君の農業の先生は、造園業を営み、コメ作りもしてきた祖父源市さん(67)。1歳半の頃から、トラクターを運転する源市さんの膝に乗り、小学生になると操縦室に同乗して、農業の基本となる土作りを見てきた。
その影響か、温基君は機械が大好き。農機メーカーの展示会に源市さんと同行し、入手したカタログが愛読書になった。
欲しい物も、一般的な小学生とひと味違う。昨年のクリスマスに両親と祖父からプレゼントされたのは、ミニ耕運機。「ずっと欲しかった。田んぼをすきたいし、自分が機械を動かしている実感が面白い」と語る。
学校から帰ると長靴に履き替え、近くの畑で過ごす。耕せる所を見つけてはミニ耕運機を動かす。刃に絡まった土や草を取り除く手入れも怠らない。「使わせてくれてありがとう、という気持ち。これをしないと気が済まない」
田植えと稲刈りが好きで、自分で農機を操作することもある。イネが曲がらずに植えられる方法をインターネットで調べ、大人向けの専門誌「現代農業」も読む。
今春、両親にヤギをもらった。「昔は牛で耕していたと聞いたし、本当は牛が欲しかったけれど」と温基君。「ヤギもかわいいし、フンもええ肥料になる」とうれしそうだった。
(2011/10/13 09:15)
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