外部の評価者(仕分け人)が事業の意義や目的を検証する田川市の「事業仕分け」は2日目の9日、対象の8事業のうち就学援助事業を「国・県・広域」に分類、残る7事業については手法や内容の見直しを求める「要改善」と判断して終了した。
2日間の作業と事前の模擬仕分けを含めた計19事業の評価は、最も厳しい「不要」が1件、次いで厳しい「再検討」が2件。ほかに「国・県・広域」が2件、「要改善」が13件で、「現行通り」は1件だけだった。
経済的に困窮する家庭に小中学校での学用品費や給食費などを補助する就学援助事業は、自治体によって補助の基準に差がある。仕分け人は「自治体間で格差があるべきではない。国や県などのレベルで制度設計されるべきだ」などと指摘した。
11月に開催されるTAGAWAコールマイン・フェスティバル事業は要改善との結果。炭鉱記録絵師、山本作兵衛の記録画などが世界記憶遺産に登録されたことを踏まえ、「このチャンスを貪欲に生かすべきだ」と、拡充も含む改善を求める意見もあった。
一方、同じく要改善と判断された企業誘致事業の審議では、「ターゲットの業種を絞るなど戦略は」など、仕分け人からの質問に、担当課が口ごもって回答できない場面もあった。
仕分け結果は市内部で検討した上で2012年度予算に反映される。閉会式で松岡博文副市長は「貴重な指摘を今後の事業に最大限生かし、住民福祉の向上に努めたい」と強調した。
=2011/10/10付 西日本新聞朝刊=