日本周辺に近づいてきた中国機に対する航空自衛隊の緊急発進(スクランブル)が今年4〜9月、前年同期比で3倍超の83回に達した。昨年度1年間の96回に迫る勢いで、防衛省によると、半年間としては過去最多とみられる。中国空軍による情報収集の活発化が背景にある。
防衛省が今年度上半期の集計として13日に発表した。空自によるスクランブルは全体で203回で前年同期より17回増。飛行ルートや視認などから判明した国別の集計では、対ロシア機が最多の106回を占めたが、前年同期より43回減った。
一方、対中国機は83回で、前年同期の24回を大きく超え、日中関係が悪化した昨年度下半期の72回も上回った。半年ごとに集計するようになった2003年度以降で最多。年間の実績と比べても、2007年度(43回)、08年度(31回)、09年度(38回)をすでに上回っている。領空侵犯は確認されていない。