れんこんネット 季刊 放射性れんこん

放射性れんこん Vol.2

1991.2.10発行


目次

  1. 続・料亭「れんこん」への誘い Vanguard
  2. WAR in GULF Nαδα
  3. 湾岸戦争〜れんこんネットの場合〜 はたくん
  4. 脱原発む〜ぶめんとは今っ! はたくん
  5. 技術は人類を救えるか? 胞子界
  6. スケルトンVF製作記 レジスターN
  7. 岡山県人国記 TAC
  8. 放射線でぇたぁお料理教室 はたくん

続・料亭「れんこん」への誘い

Vanguard

■ れんこんとは蓮の地下茎でして・・・

 この雑誌はれんこんネットが発行しています。今回はそのれんこんネットのなかを探検してみたいとおもいます。「れんこんネットって何?」と思った方は創刊号の『料亭「れんこん」への誘い』を読んでください。え?なんだって(隣の人から耳打ちされている)創刊号は完売して在庫がないだって?うっ!失礼しました。ちょっと簡単に説明をば・・・(完売御礼)

■ 泥のなかにあって美しい蓮華を咲かせる

 パソコン通信(略してパソ通)というハイテクだけどおもしろいメディアが、いま密かなブームです。電話線でパソコン同士を接続してパソコンのデータになるものだったらなんでもやりとりができるというものです。れんこんネットはパソコン通信を利用した人と人のネットワークです。
 そのネットワークの中心には電子掲示板(BBS)というものがあります。北八王子に住んでいるレジスターN宅に置いてある普通のパソコンがその役目を果たしています(ホストと呼びます)。会員はそのホストに普通の電話線で自分のパソコンやワープロとつないで、メッセージを公園の掲示板に貼るように電子掲示板に登録します。そしてその掲示板に登録されたメッセージを読んだ他の会員さんがお返事書いたりしてコミュニケーションが成立するわけです。無論掲示板だけでなく郵便局みたいな機能もあるので特定の人宛にお手紙できますし、同時に接続しているひとがいれば多人数で文字による同時会話もできます。
 そうして新しい人と人の輪(ネットワーク)ができつつあります。いま日本で一番大きいパソコン通信ネットワークは会員が20万人。パソコン通信人口が増えていくにつれてパソコンと電話線を舞台にした別の新しい社会が形成されつつあります。

 れんこんネットはボランティアで運営されている草の根ネットワーク。会員数こそ数百人程度ですが、日夜笑える世間話から高尚な哲学論(?!)までいろんなメッセージの交換をしています。れんこんネットは脱原発を訴えるプロジェクト「れんこんプロジェクト」(なにやら怪しい雰囲気)を実現させるために生まれ、「世の中に対して言いたい事を自由に言えるネット」を目指してたゆまぬ(?!)努力を続けております。

 前回はパソコン通信ってなに?というところかられんこんネットを観察しましたが、今回は「虎穴に入らずんば虎児を得ず」ということでれんこんネットの中に潜入してみたいと思います。(え?意味がちょっとちがうだろって?気にしない気にしない)

■ 探検には地図がつきものでして(^_^)

 れんこんネットの電子掲示板はテーマ別に部屋わけがされていて、それぞれテーマに関連した自由な会話が交わされています。そのテーマ別のお部屋の地図が付録にある「れんこんネットマップ」です。

 電子掲示板のお部屋に入ると下のような大きな部屋が用意されています。そして大部屋の中にはマップにあるような小部屋(一段下げて書いてある部屋)がならんでいます。

1:れんこんネット案内所(ネットからお知らせ)2:れんこんセンター   (皆の集会所)
−以下略−

 それぞれ行きたい部屋を数字で選択していって、興味のある部屋に入るといろんな話題が進んでいます。 例えば「れんこんセンター」の中にある「なんでもかんでも」では・・・

■「なんでもかんでも」の中を覗いてみよう

▼これはUFOを見たという人のメッセージが反響を呼んだ例です。はたしてその顛末は?

★見たっ!UFOだっ! Posted 00:57 on 90/11/24
ほんとなんです。初めてなんです。見たんです。あれを。空飛ぶ円盤、ってやつですか。それも、今、です。時間は10時50分くらい。 (編注:このあと詳しい実況がつづく) Koto

★UFOは、私も見たことがあります。 Posted 19:21 on 90/11/24
 でも、それが本当にUFOであるという確信はもっていません。と言うのも、私が見たものは、全然動かなかったのです。(編注:これもまた詳細がつづく) NOM

★REほんとですかっ Posted 00:05 on 90/11/2
 それはすごい。(後略) はたくん

▼この間話題は金縛りまでに発展。オカルトムードが漂って白熱したやりとりが・・・。そして結末。

★ふたたび11月23日の「UFO」 Posted 16:48 on 90/11/28
残念ながらあの「UFO」は火球だったようですよ。ただ本来の火球ではなく、人工衛星の落下らしいということです。koto さん、まあ、そんなにがっかりしないで。火球であったとしても、相当すごいものだったそうです。わたしも見たかった。 Kink

▼こちらは初の日本人宇宙飛行士の話題。ごく普通のほのぼのとした話題が展開されました。

★日本人初!宇宙へ!! Posted 13:21 on 90/12/02
 今日は夕方からずっとテレビを見てましょ。
 打ち上げ予定時間は5:13:30です。
 うまくいくといいなあ。 BRASS

★日本人宇宙にゴーゴー Posted 14:51 on 90/12/02
 うまくいくといいですね。
 でも、今日テレビでロケットを見たらびっくり。
 日本語がたくさん見える。広告のようなきがするけど。いかにも日本的だなーーと思います(いい意味で)
EggS

★ロケット Posted 18:08 on 90/12/02
うまく打ち上げできたむいたいですねえ。
よかったよかった。うひゃ。
これで、メッセージが日本語で来ますねえ。
                  「はげ」

★ロケット>うーん Posted 02:16 on 90/12/03
 いったいあれに何の意味があるのか、わかりません。そりゃ、感動するでしょう。宇宙だもの。でも、あの、TBSの放送は、なんか、つまらないですね。(後略)なんか、みなさんのムードを壊すようですいません(^_^;)はっはっは。きにしないでねぇ〜
                 はたくん

★こういうのはすごいなあと思えばそれでいいのよ Posted 02:13 on 90/12/04
私も死ぬまでに一度は宇宙に行ってみたいもんだ。
それにしても世界最初のジャーナリスト宇宙飛行士の第一声「これ、本番ですか?」
これも歴史の輝かしい1ページなのね BRASS

▼一方こちらは突然外国からのお客様MERRIEさんの英文での挨拶騒動。英語力のない会員達はしばしパニックになって・・・・・(笑)う〜ん国際的(^_^)

★MERRIEさんの書き込み、訳してみました Posted 02:44 on 90/12/08  確かに途中から難しい英語になりますね。ちょっと頭をひねって訳さないと駄目でした。(略)
             レジスターN
* * * * * *
 「さぁ、またクリスマスですね。なんと、1年に一回きりなんですね。そして新年もまた1年に一回きりです。
 私は、楽しいクリスマスが好きです。ケーキとかシャンペンとかみんな好きです。その後の新年は、とても退屈でして、陰気で堅苦しいです。私はクリスマスが2回の方がいいです。(略)
私はオーストラリアから来た33才です。(略)
(編注:この間おもしろいのですが紙面の都合で略)
クリスマスのために、あらゆる楽しいことを用意する時ですね。それじゃ、また! MERRIE」

 ここは自由な雰囲気でなんでも語りあうフリートークの部屋です。世間話を楽しむようにメッセージがやり取りされています。パソ通ではペンネームのような物(ハンドル名)を名乗り、おたがいそれで呼びあうのが慣例です。メッセージの最後にサインされているのがそのハンドル名です。このハンドル名のお蔭で年齢や立場などあまり気にせずちょっと現実のしがらみから解放された世界で自由にメッセージを交わす事が簡単にできます。

■ れんこんネットって、ネットワークなんだね

 時には思わぬメッセージが大きな反響を呼んでちょっとしたイベントになる事があります。例えば・・・

 1989年1月にあわやチェルノブイリという事故をおこした福島第2原発3号炉。東電は公に約束した基準ばかりか違法状態での11月5日運転再開を発表。11月2日に東電に対して反対団体が運転差止めの直接交渉を行いました。

 その交渉に学校をさぼって参加した高校生のはたくんのレポートが会員の心を動かし大きな反響を呼びました。

★ 福島原発II-3の運転が再開されてしまった!90/11/05 17:21
 今回の一連の出来事は、いままで反原発の意志を公にしていなかった一般の人にも、かなりのショックがあるはずです。
(編注:ここで次号の放射性れんこんで福島特集をやろうという提案。略)
「一度いいホウレンソウができて、私達がネットの中の閉じた空間から、ネットの外とのつながりをつくっていくための道具になってくれれば」という、レジNさんの言葉に賛成です。その意味でも「れんこんネット」の書き込み(と、ネット関係者の書き下ろし)を中心に、まず自力で、おいしいものを作ってみようではありませんか! そうすれば協力者は自然に集まってくる。断言!
 もちろん、皆さんの御意見もどんどん聞かせてね! お待ちしています!!
やっぱり原発は嫌い! NOM

▼はたくんの書込みを見てこの様に放射性れんこん誌上で訴えようと早速声があがりました。

★福島II-3特集の放射性れんこん 90/11/06 00:53
 これは、やるんだったら、福島II-3だけをテーマにした、号外をすぐに作るべきでしょう。
(中略)
 どうでしょう。wrep編集長。今、ぼくは東電との交渉の記録を書いています。よかったら使ってください。(編注:この時は後半部を執筆中)
はたくん

★ふみゃあ 90/11/06 05:22
季刊の方は、後回しにしましょう。 はたくんの言う通り、号外を出すべきだと思います。 出来るだけたくさん発行しましょう。 
(編注:この後、WREP編集長(当時)の迅速な采配が光る!)      WREP

▼とにかく早く皆にしらせなければとの気持ちが、号外、それも四日後発行を決めてしまい、内容の検討や執筆者の割り振りが素早く行われました。

★号外のったあ 90/11/06 08:20
というわけでやるしかないというわけですね。(^_^)私も新聞テレビをみて思わず、びびってすこしちびってしまいました(ううなさけない(^_^;))
 サバイバルマニュアルの要約はよろしければ私がやりたいです。(あ名乗ってしまった)
 Vanguard

★号外>こうなったらやるしかない 90/11/06 09:43
 編集長とはたくんが燃えまくって、Vangaurdさんも名乗りを上げたとなると、これはもうやるしかないですね。  11/10の朝までに、版下ですか、わかりました。(後略)          レジスターN

★福島第二-3/日本/BWR/運転中 90/11/06 16:57
以下が、福島第2ー3のDATAです。
もし、使えるならば使って下さい。
=======================
原子力発電所名      福島第二−3
国   名 日本    (後略)
                OZA

★やりましょう!!!!!! 90/11/06 21:20
これはもうやるっきゃない!!まずは2日の報告を完成させます。ただパパさんにも書いてもらいたいので、NIFでメール送っておきます。(後略)
          はたくん

★号外ですね。私も協力します。 90/11/06 16:52
 はたくんへ:あなたの情熱に脱帽します。ぜひ協力させてください。
 WREP編集長へ:配布にも微力ながら協力しましょう。配布日は10日?。
レジNさん、Vanguardさん、頑張りましょう!
なお、編集長とレジNさんにメールを送りました。連絡お待ちしています。 NOM

▼次々と名乗りをあげる会員たち。いろんな資料を持って来る人原稿執筆を買って出る人、なんでもいいからやらせろ!という人も登場し、通信の速攻性には当事者達も驚かされるばかり。他の団体との連絡やファックスなどを駆使した資料収集をやる人もいて、ここに書き尽くせない人からの協力・激励がありました。 とにかくいつのまにか人が集まり本当に4日という短期間で6Pの号外とはたくんの報告全文を掲載した11Pの別冊を1千数百部発行、即配布することができました。

 ネットに参加している人は実に様々で中学生もいれば、新聞記者や雑誌制作、技術者や会社員。岡山、三重、和歌山、果ては稚内まで全国各地に散らばっています。年齢や立場、地域にとらわれず自由に参加でき生の情報が飛び交うのがパソ通のいいところです。
 れんこんネットではここではとても紹介しきれない多様な人々が参加し雑多な話題が展開されています。その一部を電子掲示板に参加できない人々にも伝えたいと思います。では、あとに続く記事でさらにれんこんネットを覗いてみてくださいネ

文責:Vanguard

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WAR in GULF

Nαδα

 この戦争を思うと陰鬱な気分にならざるを得ない。こんな人類は滅びてしまって当然ではないのかとさえ思えてくる。

 戦争やめろ何が正義のためだざけんじゃねぇ!

 「イラクを支持する」なんて言ったら人間扱いされないような時世である。しかし、アラブ民衆の間ではイラクの方が断然支持されているという事実を見つめてほしい。
 イスラエルによるヨルダン川西岸やガザ地区の占領は今年で24年目になる。占領地撤退を求める国連安保理決議があるにもかかわらず、イスラエルはこれを無視し続け、アメリカはそれを黙認して制裁どころか莫大な援助でイスラエルの軍事・経済を支えてきた。そのアメリカが、イラクのクェート侵攻を非難してもアラブ民衆にはまったく説得力を持たないのは当然である。
 中東の国境は西欧列強によって押し付けられたものといえる(そのために極端な富の偏在が生まれた)。また、西洋社会でのユダヤ人差別・排斥の結果として、シオニズム(二千年前にユダヤ人の国があったパレスチナの地に入植してユダヤ国家をつくろうという運動)が起こり、欧米諸国が後押ししてイスラエルが建国された。もとからその地に住んでいたアラブ人(パレスチナ人)は、追い出されてしまった。
 アラブ民衆の欧米、特にアメリカに対する怒りは強い。だから、イラクに負けてほしくない、と思っている。たとえサダムのリンケージ論(イスラエルがパレスチナ占領地から撤退するならイラクも撤退する)がクェート侵略を正当化するためと分っていても。
 アメリカが問題解決のためにしたことは、ただひたすらイラクを脅迫することだった。それでサダム・フセインが屈伏するとでも思っていたのだろうか。アメリカの威嚇によって、まったくパレスチナ問題の前進にもならない撤退をすることは、フセインのみならずアラブ民衆にとっても屈辱的なことだ。だから、アメリカがサウジに大軍を派遣し、それに対しイラクが対決姿勢を鮮明にしたとき、フセインはアラブ民衆の英雄になってしまった。アラブでの大衆的人気という面においてイラクは圧倒的に勝っている。これってアメリカの大失敗ではないのだろうか。
 戦争に賛成するものは、「リンケージを認めては侵略者に報酬を与えることになる」と建て前を言う。しかし、イスラエルのために何十年も苦しめられてきたパレスチナ人の身にもなってほしいのだ。イラクがクェートから撤退してイスラエルも占領地から撤退すれば、中東が平和になってとっても良いことではないか。中東が死人の山になるほうがいいというのか。「サダム・フセインが裁かれないなんて許せない」か?あんな「フセイン人気」がいつまでも続くわけがない(「敵の敵は味方」ってのがアラブの論理だ。アラブ民衆の「味方」になるようにアメリカは努力するべきである)。アラブの犯罪はアラブが裁く。そうでなければ意味がない。イラクを始めアラブ諸国の非民主的な体制を支えてきたのは欧米や日本でもあるのだ(イラン・イラク戦争のときは、イランを潰すためにと、イラクに武器を与えてたりする)。

 まともな戦い方ではアメリカにかなわない、なんてことイラクは分っている。だから、手段を選んではいられないのだ(「神がついてるから勝てる」と思うほどフセインはおめでたくはない)。イスラエルへのミサイル攻撃も「環境テロ」も予想されていたことではないか。「負けないためにはあらゆる犠牲を払う。何百万人死のうが降伏しない。それに対して、アメリカは何万人もの米兵の戦死者が出るのに堪えられない、だからイラクは勝つ」、というのがフセインの考えだろう。
 殺されるイラク人にとってはたまったもんじゃない。しかし、イラクから逃げ出すこともできない。当然徴兵制。戦場に行きたくないなんて本音を言ったら殺される。そういう彼らを殺戮するのがアメリカのやっているこの戦争である。空爆している米のパイロットは爆撃される側の人達のことをどう思っているのだろうか?
 開戦前、 バグダッド市民のデモの報道で「NO MORE HIROSHIMA」のプラカードが印象的だった。彼らにとって、ものすごく本気の願いだっただろう。
 「ヒロシマ」。確かに日本は朝鮮や中国を侵略して残虐の限りをつくした許しがたい国家だった。しかし、だからといって原爆を落すのが「正義」だっただろうか。日本の侵略の被害者である強制連行された朝鮮人もたくさん被爆して死んだ。戦後世界で米国が優位に立つという政治的な意図での大量殺戮であった。今度もまた、一度も爆撃されたことのないアメリカが「正義」を降りかざし他国の都市を爆撃している。イラクを破壊してアラブ世界を弱体化するため。サウジの米軍駐留も恒久的にするつもりらしい。
 「フセインは世界を人質にしている」と多くの人が怒っている。アメリカのやりかたは、その「人質」の命を無視した乱暴なものだ。  アメリカは「あんな独裁者に中東の石油を支配されるわけにいかない」と言っている。「石油安定供給」とか言って。第三世界の資源をアメリカなんかが思い通りにしようとすること、それって新植民地主義っていうんだ。そうやって世界を植民地にする側の国民ってのは、泥沼の戦争になって自国民もわんさと死ぬようにならなければ、石油のための戦争なんてばからしいとは思わないのだろうか。第三世界の貧しい民衆の命は石油よりも何よりも軽いって思っているのだろうか。

 戦争が続くかぎり、イスラエルとアラブの間では憎しみが増大してゆく。パレスチナ問題の平和的な解決は、ますます難しくなる。
 パレスチナ人は全然無理なことを要求してきたわけではない。決して、移住してきたユダヤ人を追い返してしまえなんてことではない。ただ、入植したものがもともと住んでいる人たちを追い出して排他的な宗教国家にしてしまうというシオニズムのやりかたは良くないと言っているだけだ。PLOが設立以来求めていたパレスチナ国家とはユダヤ人もイスラム教徒のアラブ人も共存できる非宗教的な国家なのである。88年には、「歴史的妥協」としてイスラエルと新生パレスチナ国家との二国家共存を掲げている。
 祖国を失ったパレスチナ人たちの想いは、迫害の中で自分たちの国を持ちたいと願ったユダヤ人達と同じものではないのか。
 最近イスラエル政府は占領地からのパレスチナ人追放を綱領に掲げる極右政党を入閣させた。ヨルダン川の向こうにパレスチナ人を追い出せという声が強まる。占領地には、ソ連からのユダヤ人移民が大量に入植している。イスラエルの占領地撤退を求める国連安保理決議242、338は、いったいいつ履行されるのだろうか。
 いつか、パレスチナの地に平和がおとずれ、エルサレムをユダヤ、キリスト、イスラム共通の聖地としてみんなが共有できる日が来ることをイスラエルとアラブの民のために願う。そのためには、今この戦争を止めることが必要だ。

 憲法さえ守れない日本政府が全世界に恥をさらしている。「誇りを持つ」ということでは日本人はアラブ人を見習っても良いのではないか。今の世界となって、日本の憲法の第9条は、世界一進んでいると思う。戦争なんて野蛮で遅れた行為は、とても進んだ国のすることではない。

ムラカミ シンユウ
村上 真雄(Ναδα)	れんこんネット ・・ NADA
NIFTY-Serve ・ QGA03215	日経MIX ・・・・・・・・・ nada
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湾岸戦争
〜れんこんネットの場合〜

はたくん

 今回の戦争について、れんこんネットでも活発に意見が交わされました。ここではその一部を紹介します。

★ 12:53pm 1/15 はたくん
 ついに15日になりました。国連の言う「15日まで」というのは、アメリカの16日午前0時までだそうですから、日本時間では16日の午後2時だったと思います。
 アメリカはやっぱりひどいよねぇほんとに。自分のパナマ侵攻や、イスラエルの侵略は棚上げしといて、イラクだけ悪いと言っても、そりゃイラクだって納得いきませんよ。

★ 1:02pm 1/15 Ναδα
 負けるなイラク!!
 戦争になったら絶対イラク応援するからね。あったりまえじゃん。なによりもアメリカが悪いんだから。
 イラクのクウェート占領なんてイスラエルのパレスチナ占領に比べたらカワイイもんだ。アメリカは、ずっとイスラエルに味方してきたじゃないか。パレスチナ人を殺し迫害することに荷担してきたものが正義ヅラしてイラクを非難するなんて、あきれてものも言えないぜ。パレスチナ人がサダム・フセインを支持するのも当然。アメリカでは60%以上の人が開戦を支持しているという。イラクやパレスチナの人達の命なんて、なんとも思ってないんだろう。
 アメリカの軍人が死ぬならなんの問題もない。殺したり殺されたりするのが仕事だろ。みんな死ねばいい。しかし、なんでイラクの普通の人が米軍なんかに殺されなきゃないの。そしてなんでまたパレスチナ人が犠牲にならなきゃないの。
 殺されたら殺しかえさなきゃね。
 イスラエルに死を!
 アメリカに死を!
 パレスチナ万歳!

★ 10:57pm 1/15 はたくん
 そうだそうだぁーーーーと、Ναδαさんの意見に納得してしまうのですが・・・あは。なんか、世間一般に言われている意見とまったく逆の意見がつづくなぁ。

★ 11:55pm 1/15 NOM
 イラクは戦争になるんじゃないのかな〜。と、のんきに考えてるのは、私だけではないはずだ。今の日本は本当に平和ぼけしていますからね。
 開戦は16日中ではないかな。今、国連では戦争回避のために、各国がアメリカをなだめているんじゃなぁい?
 テレビではフセインだけが戦争の引金みたいに言っているけど、あれはほんとにおかしいね。

★ 12:51am 1/16 Vanguard
 戦争は不可避だとして、やはり不条理はアメリカの方にあるのでは(^^;)
 リンケージの問題はイラクにもものすごく一理あって、いまフランスなどの国々が国連でそういったパレスチナ問題といっしょにクウェートの問題も話合いしましょうといってきて、ソ連が賛成すれば安保理の国のなかでアメリカだけ反対ナノね。
 フセインの論理はおかしいとおもうところもあるけどパレスチナ問題はクウェートどころではない部分があるのでこれを機会に解決しないと、アラブでアメリカの論理をごり押ししてしまう構図になってしまう。

★ 9:22am 1/17 NOM
 はじまったなぁ
 かなり高度からの大規模な爆撃から始めたみたいですね。新しい戦術もあるみたいなので、正確にどんな攻撃だったのかは、後日の発表を待つしかないでしょうね。 しかし、都市を爆撃したのではないみたいですね。どうなんだろ?

★ 10:27am 1/17 KDL
 ひー、ユーラシアの向こう
 はじまったぞーって、人が寝ついたと思ったら電話でたたき起こされて、めーわくなはなしだなぁ。とかちょっとのんきなわたし。FENが支離滅裂でおもしろいぞ

★ 10:41am 1/17 Vanguard
 わたしもテレビ付けて寝てたからたたきおこされた
 たしかに一方的な破壊みたい(;_;)
 もう止められないのだろうかこれは決して正義の戦争でも、その反対でもない。戦争ほど愚かで悲惨なものはないという点は永遠に変わりはしないだろうからもはや早く終ることを祈るしかないのでしょうか

★ 11:01am 1/17 NOM
 核施設への爆撃も行なったそうです。しかし、イラクのすべての核が使用不能になったという意味ではありません。

★ 7:07pm 1/17 はたくん  がが〜〜〜ん戦争がはじまってしまいました。
 今度の戦争は、何故か世界的にかなり支持されているようです。
 日本を見てみると、何やらアメリカ軍隊に戦争を支持するということで70億ドルを援助するとか。自衛隊の海外派兵をするという議論がここにきてまた出てきている。
 今の状況を、現在のマスコミのキャンペーンに左右されずに、一人一人しっかり考えることが必要でしょう。なんか、イラクがんばれと言いたくなるんですけど

★ 9:26pm 1/17 Vanguard
 今日一日ずっとテレビは戦争のことやってたみたい。なんか天ちゃんが死んだ時みたいでおもわず教育テレビの存在が大きかったなあ。

★ 12:05am 1/18 かろん
 フセインのバカヤロウ!ついに戦争が始まってしまった...
 この戦争が始まって私が使用しているガス会社が、2度も値上げをしてくれました。それから、ガソリン代も上がっているので原チャリで大学に通っている私はダブルパンチでした。
 戦争が起こると株価が下がるのが普通だそうだが、なぜか株価も円も上昇している。この戦争でいい思いをしたのは投資家だけではないか?

★ 12:23am 1/18 はたくん
 ぼくなんかの世代にとっては、身近に感じる戦争は初めての体験です。今まで話しには聞いていたのですが、今になって再認識したのは、戦争というものは、国民が決めて始めるものではなく、政府の独断で始めるのだということです。
 更に、戦争が起こった時点で、すごくかなしいです。起こる前にやっぱりやることがあったんじゃないのかと、自分を責めてしまいそうです。

★ 6:55am 1/18 Vanguard
 しかしCNNがいまやってますがアメリカでのブッシュおじさんの支持が圧倒的。絶句ですねえ。
 開口一番お金一杯だしますと言った海部さんですが、日本はお金だけだしてると国際世論の非難をあびつづけることになる。みんなががんばってるのにお金しかださないのはなんか、なさけないというか、いやらしいことの様にも思えてきます。

★ 10:34am 1/19 レジスターN
 中東の戦争を巡って、みんなが発言している時に、私はスケルトンの調子をなんとかしようと悪戦苦闘していたりしました。
 私は、今のところまだ情報不足なんですが、やはりこの戦争の原因は何なのかということが気になっています。とにかく、私は勉強不足がひどい。これからでも勉強しなくちゃ。

★ 3:45pm 1/19 胞子界  人間と言うのはつくづく「バカ」ですね。あの方もあきれずに、よく我慢して下さったものだと痛感しております。
 でもなあ。今度の戦争が引金になってハルマゲドンになる可能性は困るくらいあるんだよなあ。どうしていいかわからなくなるくらい時間がない。ああ、バカ。

★ 9:47pm 1/20 ぐり
 もしアメリカが開戦をもうしばらく待っていたら、イラクは「アメリカの圧力に屈したのではなく、国連の請願に応じたのである。」とかいう形にして撤退するチャンスがあったかもしれない。
 多国籍軍にずるずる資金協力するのではなく、平和解決を模索しつつ、各国の出稼ぎ労働者の本国帰還を全面的に援助し、さらに十分な設備を持つ難民キャンプをつくって維持するなど、日本独自の対処を提案し、実行するような政府であってほしかった。

★ 11:28pm 1/20 Vanguard
 どもどもぐりさん(^_^)援助とかに関しては同感です。
 しかも、送っている食糧は災害用備蓄カンパンの賞味期限がすぎたものだし、救急車送っているけど右ハンドルでサウジとかの公道ははしれなくてほこりかぶっているという話だし、なんかこう外れているんですよねえ。

★ 1:30am 1/21 はたくん
 イラクはイスラエルを遂に攻撃したとか。
 ところで、イスラエルは今のところ軍隊は動かさないようです。しかし、時間の問題でしょう。アラブVS西側先進諸国という現象が起こるわけですよね。
 この状態からの抜け道はやっぱり、アメリカ軍率いる多国籍軍はすぐに攻撃をやめて、和平交渉をすることです。アメリカは戦争は止めるつもりは無いでしょうがここでこそ、日本が間に入って和平交渉の調停をするべきでしょう。

★ 3:06pm 1/21 まつばら
 戦争反対、自衛隊海外派遣反対と称えるのは簡単ですが、では日本の世界に対する姿勢はどのようにすればいいのでしょう。
 日本の経済はほとんど海外依存している状態です。日本がこの先世界を相手に商売をやっていくには当然のごとく経済力に見合った貢献を行う必要があります。
 資金援助を行うとすれば、戦費の半分程度を持つとでも言わなければ世界は諸手をあげて日本の貢献を認めてはくれないでしょう。1兆円規模の資金援助では戦争終結時にどのような日本に対する反応か予断を許さない状態となるでしょう。
 平和を求めるものの一人として日本は世界に対して相応の役割は果すべきだと考えます。それがこの先日本が経済国として生残る道だとかんがえるものです。

★ 12:50am 1/23 はたくん
 イスラエルはまだ参戦をしていませんが、これはやっぱり異常です。アメリカはイスラエルをなだめるために、かなりすごい条件をイスラエルに出しているのでしょう。それが、何なのかという報道はありませんでしたか?

★ 3:53am 1/23 Vanguard
 イスラエルにだした条件として、21世紀までアラブ諸国平和会議の開催を行わないとかいう、とんでもないものが含まれていたように思います。これはゆゆしきことというか、アメリカの傲慢もすごいものだなあと(^_^;)

★ 12:27am 1/25 EggS
 現在の戦争についての報道のされ方が、ドラマティックに進んでいるのがすごく気になります。とくに、軍事評論家っていうのがとくに気に入りません。危険な発言をしているように思えて・・

★ 3:51am 1/25 Vanguard  EggSさんが言ってるようになんか、小説みたいに話が進んでいるというかなんか脚色されているのではないかとも思われる感じが・・・。兵書研究なる趣味を持っている私もおもわず軍事評論家になってしまいそうですが、この場合それ以前の問題がおおすぎるのがとんでもないです。

★ 2:42am 1/28 はたくん
 ええ!?!?!?!?と、ちょっと信じられません。
 この条件が本当にあるのだとしたら、アメリカは完全に「アラブのことを考えて今度の戦争をしているのでは無い」ことを認めたことになります。この条件の前に、「アラブの平和・解放のため」などという言葉は通用しませんよ。

★ 8:46pm 1/28 Vanguard  イスラエルへの条件についてわたしはたしか、イスラエルへの最初か2回目の攻撃のあとのニュースでききました。

★ 12:55am 1/29 ぐり
 戦争犯罪って「地球環境に対する罪」ですか? ブッシュさん。
 問題は、誰が裁くか、だろうな。どこかに裁判官の有資格者はいないか?

★ 1:32am 1/29 Vanguard
 ふ〜み裁判官 いないでしょう。
 どちらも先に手をだしたから喧嘩両成敗ですね。
 勝者はないので裁く権利なんかないんだけど国連という大義名分が裁くのではないかと心配してしまいます。

★ 12:49am 1/30 はたくん
 アラブ諸国平和会議について、学校で新聞を見てみましたが何も載っていませんでした。ただ、たしかにぼくもJwaveで聞いたので本当でしょう。

★ 12:55am 1/30 PCVAN第三世界ネットワーキングからの転載
 タイトル『中東は石油の生産をへらした方がよいと思う。 /かすみちゃん』
 中東は石油の主要生産地になっています。そしてそのほとんどを西側が消費しているのです。日本なんかばくだいに浪費している。
 なにかしら、中東の石油は世界の(西側の)ものであるというような意識をあおりたてている向きもあるように思われます。これは恐ろしい思想です。
 中東の石油は中東のものです。中東の石油に「依存」しているというが、だったら、西側は頭をもっと低くして、お願いして売っていただく立場にあるのではないか。エネルギー源をやつらに握らせるな!というような主張はまるで逆転した恐ろしい思想です。
 実は中東にばくだいな石油があることがわかって、それでこの地域がねらわれてきたのです。
 いま中東諸国は、自立してやっていくための充分な産業がありません。石油をタダ同然で売っている。タダ同然だけれども、ばくだいに売るからばくだいな金が入ってくる。これはおかしい。石油だって無限にあるわけではなく、この調子で採掘していったらいずれ枯渇してしまう。中東諸国は、石油を売らなくてもやっていけるような自立した産業をうちたてるべきです。そして、産出量を大幅に減らし、価格を大幅にひきあげるべきです。それがすじです。
 いま、ベラボーに安いけれども、また大量に売るから、大金が舞い込んできています。その金を一部の支配層がふところにいれているとしたらとんでもないことです。あるいはその金で、結局、西側のものを買わされてみかけ上のぜいたくをしているとしたらとんでもないことです。
 西側にとって、中東の石油を安く、大量に、安定して供給できるシステムをつくっておく必要があるわけです。そのためには、アラブを分断し、アラブが団結できないようにし、西側の利益を守る権力構造を維持しなければなりません。
 さて、石油の生産量が低下し、あるいは価格が上がったら、西側経済が崩壊するとさわいでいますが、タダ同然で略奪することによって成り立っているような経済は崩壊した方がよろしい。石油が少なくなれば、大気の汚染は減るし、原発は停止するし、ゴミも減るし、いいことだらけではないでしょうか。都市集中をやめるにもいい機会です。農薬を使わなくていいし。

★ 12:38pm 1/30 レジスターN
 確かに石油は安すぎる。かすみちゃんの書いているとおりですね。石油が、アラブのごく一部の人間のものでなく、アラブの全人民のものであるということを考えるならば、あんなに安くていいわけないですね。

***********************

 ネットに書き込まれている関連メッセージは全部で数千行にも成るので、紙面の関係上、ここではネットの雰囲気を分かってもらえる程度にとどめておかざるを得ませんでした。
 多数の方の貴重な御意見をこの場で紹介できなかったこと、紹介したメッセージも極端に短縮させてしまったことをお詫びします。

文責:はたくん

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脱原発む〜ぶめんとは今っ!

はたくん

 さむ〜い風邪が・・じゃなかった風がびゅ〜びゅ〜吹いている昨今でも、脱原発運動は心のホットココアの様です(^_^;)。
 それでは、このごろ話題になっている各地域での脱原発運動をまとめてみます。けどけど、独断と偏見がいりまじってますから参考までにっ。

その後の福島II-3原発

 90年11月5日、重大な事故を起こし、法律違反や、更に住民の反対までも押し切って福島II-3原発は運転再開されました。
 これに対して、れんこんネットでは「福島II-3原発を廃炉へ」と掲げた、「放射性れんこん号外」と「放射性れんこん号外の別冊」という2つの冊子を発行しました。
 ここでは、「号外」を発行した後の、福島II-3原発関連のニュースをお伝えします。(「号外」は無料です。事務局までお申し込み下さい ※残部が少ないのでお早めに!)

 それではまず、II-3原発のある、富岡町・楢葉町で行なわれた自主住民投票の最終結果です。

 全体として57.1%の人が反対の意志を表明しているのです。
 更に、この住民投票のハガキの御意見欄には、実に2000名の人たちの意見が書かれてあり、それが既に冊子にまとめられて発行されています。(このワープロ打ちを少しだけれんこんネットでも手伝わさせていただきました(^_^))
 「富岡・楢葉町住民2000人の声」というこの小冊子には、地元の人たちの複雑な気持ちが実に良く現れています!(1冊500円。お求めは、はいろプロへ)

 しかし!東電は御存知の通り、この多くの反対の声をもしらんぷり。90年11月 5日福島II-3原発運転再開。そして12月20日、調整運転から営業運転に切り替え。
 私たちの使う電気の中に、今や福島II-3の電気が入っているのです。

 そんな木枯らしの吹くような寒さの中でも、II-3原発(だけじゃなくて全原発)を廃炉へ、とがんばっているはいろ・プロさんでは、今後も現地への新聞折込みやセミナーなども行なっています。更に、また今年も株主総会に向けての動きもあります。
 そして、12月2日までに集められた通産大臣告発の委任状3000名分が検察庁に正式に受理されました。これは、「再循環ポンプ」のケーシングが明らかに「違法」なのに通産大臣が不当にもOKを出したことに対する告発です。今後の展開が楽しみですね(^_^)。

 東電は、11月2日の本社交渉・池亀原子力本部長脱走事件以来、全く市民側と交渉を持つ気配は示さないそうです。とにかく事故が起こる前に止めないと・・・同じ状況なのが、福井の高浜2号炉です。

高浜2号炉の蒸気発生器

 高浜原発など、日本の西の方で動いている原発というのは、福島原発などの東の原発とはかなり違った構造をしています。
 東の原発の構造を「沸騰水型原発」、西の原発を「加圧水型原発」と言います。
 そして、東の原発の最大の欠点は、福島で事故の起きた「再循環ポンプ」。
西の原発の最大の欠点が、高浜2号で問題の起きた「蒸気発生器」なのです。

 西の原発では、核分裂をした時に出た熱は、まず、圧力をぐぐぐっとかけた水に移ります。すると、普段は100度までしか上がらない水の温度が350度にまで上がります。
 次に、その350度の熱湯が、「蒸気発生器」の内部に1万本ある「細管」と呼ばれる細い管(厚さ 1.3mm!)の中に入ります。
 その熱湯が、「細管」の外側にある水を沸騰させて「蒸気発生」させるのです。熱湯で蒸気を発生させる器械、という意味で「蒸気発生器」と命名されています。
 しかし、この蒸気発生器は大変精密かつ危険で、細管が数本折れると取り返しがつかい事故につながります。また、穴が少し開いただけでも、ぐぐぐっと圧力がかかっているので、簡単に大量の放射能が漏れてしまうのです。

 さて、問題は、高浜2号炉の「細管」が、実に46%もボロボロになってしまっているということなのです。関西電力の予想していたよりもはるかに早くボロボロになってしまいました。
 しかも、1.3mmの厚さの0.5mmのところまでひび割れが進んだ所で初めて「ボロボロ」が検出できるというのです。つまり、0.5mm以下のひび割れも含むと、もう細管のほとんど全部にひびが入っているというわけです。

 そこで、関西電力は「数年後に『蒸気発生器』を新品に取り替えるから、今回は運転させてちょうだい」と市民側に言い寄って来ました。
 ところがこれは、新品に取り替えなければならないほどボロボロになっているんだ、ということの自己暴露になっているではないですかっ!

 市民側からは、12月14日までに運転再開への異議申立てが関西で16200名分も集まって、通産省に提出されました。

 しかし!その多くの反対の声をも無視し、1月8日、関西電力は高浜2号炉を運転再開しました。

 西の原発「加圧水型」原発は、古くなると多かれ少なかれ同じ蒸気発生器の問題をかかえることになります。最近では大飯1号炉でも300本の細管に損傷が見つかっています。決して高浜2号炉だけの問題では無いのです。
 東の福島原発の「再循環ポンプ」、西の高浜原発の「蒸気発生器」。
 東と西とで、全く同じ事が進んでいる。日本は西と東に、大きな大きな時限爆弾を2つ抱えています。

土田村長の核燃凍結解除

 六ヶ所村で、一昨年の12月、白紙撤回を掲げた高梨候補と、保守なのに凍結と言った土田候補と、保守現職だった古川候補の村長選があったのは、記憶に新しいでしょう。
 選挙の結果、疑惑を持たれながらも「凍結」と言った土田候補が当選し、次の日の新聞上では「六ヶ所村の核燃ノーの意志表示」と大々的に報道されました。

 ところが、その土田村長が、前から予想はされていたとはいえ、「凍結とは、冷静になって最初から考えよう、という意味だと思っている。」などと言い、核燃から子どもを守る母親の会などから支援されたことに対して「支援されるに至った経緯で、期待を抱かせたことは確かで、日々反省している。」と言いだしたのです!
 酪農家である土田さんも結局は、秘書がやった妻がやったと言う政治家と同じなのでしょうか・・・。

青森県知事選挙

 しかし、そんな暗い状況ばかりではありません。90年2月3日には、青森県知事選が行なわれました。そこで、核燃白紙撤回を訴える金沢茂氏と、疑惑付き土田式凍結を訴える山崎氏と、推進一本槍の現職北村氏の戦いがくりひろげられました。(ちょっとオーバーかな(^_^))
 青森県と言えば、2年前の参議院選青森選挙区で、反核燃の三上隆雄氏がダントツトップで当選したという前例(2位との得票の差が2倍)もありました。もし今回、白紙撤回の金沢氏が当選したらもう絶対核燃は建設できない!という期待が市民運動に広がり、支援活動が繰り広げられました。

 結果は、現職北村氏の4選でした。ところが、北村氏は今までダントツトップで当選していたのが、今回は過半数の票をとれていないのです。つまり、凍結+白紙撤回の票を単純に足すと過半数に達します。
 新幹線が通ることになったことで、北村氏にわりと有利だったこの選挙で過半数票をとれなかったのは、県民の核燃否!の判決が出た、と取るべきでしょう。

とにかく一人一人が

 アメリカがイラクへ戦争を始めました。福島II-3が運転再開を始めました。高浜2号炉も運転再開。土田村長は凍結解除。
 北風の強い中、なにか暗いム〜ドがただよってますが、そんな中でも明るく元気に(^_^) 活動している人達が、日本中に、世界中にた〜っくさんいます。とにかく一人一人が、今自分に何が出来るかを考えて各自行動していけば、必ず光りが見えてくるはずです。みなさんお互いがんばっていきましょうね(^_^)

… げんぱついらないよ … はたくん

はいろプロ連絡先
〒112 文京区白山5-1-16佐野ビル403号高木方
TEL03-3812-8514

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技術は人類を救えるか?

胞子界

 人類は、ある時には水車や風車といった自然の力を応用して、またある時には機械技術による蒸気機関を用いて、そして現代においてこれらの方法を用いてエネルギーを得ることができました。ただ、使う人が増える割には生産される量が追い付かないために、たくさんの電力を簡単に捻出できないだろうかと科学者は頭を悩ませていたのですが、皆さん御存知の「原子力発電」が科学者の悩みを解消し、そして様々な人々の思惑を成功させることに繋がったのでした。

 実際、この方法によってわたし達はいろいろな恩恵を受けているわけです。そして現代は「電力」そのものが人の生活に浸透していて、「電気」を抜きにして生活は考えられないという所まできています。

 一見、解決したかのように思えた電力問題ですが、ある要素を秘めていました。「電力」を爆発的に供給する能力がある原子力発電は、その反面発電方法の安全性や、それに関係する放射線による人体への様々な影響という重大な問題を置き土産にしていったのです。生活するための手段が生命を脅かすという矛盾した構図が、多くの議論を呼んで、原子力発電に反対する人々や賛成する人、はたまたどうでもいいと考える人などなど、大きく分類して3種類の意見を主張するグループに分かれたわけです。

 これらの問題に加えて、私たちは次のことを考える必要性が出てきました。それは現代人の生活様式を見直すということです。電力やエネルギーという範囲に限らず、人間がいままで科学でおこなってきた幸福になるための技術が本当に必要だったのだろうか、あるいはそのような科学技術がなければ人間は上手に生活することができないのだろうかと、考えずにはいられない訳です。

 れんこんネットの参加者によってこの点を論議してみました。これから人類がどういう方向性をもって歩んで行くのか、技術は本当に必要なのだろうか、という私たちが今一番考えなければならない問題も扱われていますから、「現代の世界はオカシイッ!」とツネ日頃考えている方(れんこんネットというのは、そういう人々の集まるところです)は、ぜひ読んでみてください。


 れんこんネット上で行なわれた論議には、私(胞子界)、Vanguardさん、はたくんさん、レジスターNさん、まつばらさんの5人が参加しました。比較的少人数で行なわれたにもかかわらず、一人当たりのレスポンス率が高かったので、論議そのものを掲載するとしたらそれだけでちょっとしたパンフレットくらいにはなるのではないだろうかと思われるほどでした。

 閑話休題

 私は、「技術の発展とそれに対する努力は称賛すべきでも、それらに溺れて周囲が見え無くなり、最終的に自分の首を締め付けているのではないか」ということを皆さんに問いかけるつもりではじめました。(途中、私の文章そのものに注意深さが欠如していたために、たくさんの点をVanguardさんとともに明確にしていきました。)

 それに対してはたくんさん、レジスターNさん、まつばらさんからのたくさんのレスポンスを頂きました。

 はたくんさんは、

「本当に今やらなければいけないこと」(以下引用)
-----------------------------------------------
 科学技術のもたらした、そして同時期に発生した資本主義のもたらした災い?のもう一つは、時間が奪われたということです。洗濯の手間がかからない、食器を洗う必要が無い、大阪まで1時間半で行ける・・・それで、何が増えるのですか?
 テレビを見る時間。仕事をする時間。受験勉強をする時間。洗濯をする時間は必要が無いのですか?食器を洗う時間は、無駄な時間なのでしょうか?ふざけた番組を見ている時間の方がはるかに、ファミコンをしている時間の方がはるかに無駄ではありませんか?

 仕事や勉強が無駄だとは言えませんね。しかし、それが全てではありません。
 人間は、年がら年中笑っているために生きるのでしょうか?世間の目のためにいい会社に入るためにいい大学に入るため受験勉強をするために生きるのでしょうか?

 現代の問題をスカッと忘れてそれで満足に生きれるでしょうか。

 それだったら、僕は洗濯をするために生き、食器を洗うために生きるほうがどんなにいいか知れないと思います。そして、洗濯をする事、食器を洗うことは、「文化」であり「技術」であり「伝統」であり、そして「生活」であると思うのです。

 子どもたちから時間を奪った、科学技術・資本主義に、今の子どもたちの無気力の原因があるのではないでしょうか?

 今の子どもたちには、洗濯の時間が、食器を洗う時間が必要なのです。
-----------------------------------------------

や、科学技術が人間の生活と密接な関係を持たなければ(今まで以上に文化として受け入れられなければ)ならない、そのために現代までの反省を行なうべきということを主張してくださいました。

 また、レジスターNさんは「このような、現代社会で行われていること、あるいは行われようとしていることに対して、自分なりのフィルターにかけた結果の主張をもっともっと行っていく必要があるでしょう。そして、そこから自分の行動を導かないといけないように思います。実際には、そこで「何ができるの」という壁があったりするわけで、「何がやれるのか」ということを明らかにしていくことも重要でしょう。」と述べて、技術が(以上引用)

-----------------------------------------------
 「本当に本当に本当に人類のため」かどうかは、それは民衆が自発的に受け入れたかどうかで決ると言えるでしょう。もし民衆がみんなアホだったりして、原子力みたいなおそろしいものを受け入れたら、「本当に本当に本当に人類のため」が人類を滅ぼすことになるのかと言いますと、その通りです。
 しかし、「そういうことはあり得ない」ということを証明するのが、わたしの課題であります。というか、民衆が自発的に受け入れるかどうかという判断基準こそが、人類の持つ最高の判断基準であるということを証明したいと思っているわけです。もし、人類の持つ最高の判断基準で人類が亡びるとしたら、それはしょうがないと言えるでしょう。
-----------------------------------------------

さらに、

-----------------------------------------------
 ただ一つお断りしておなねばならないことは、資本とか行政の力というのが、ただならぬ大きさになってしまって、民衆の自発的判断能力をくるわせる可能性を否定できないということがあります。金の力でもって、「原発反対で一致団結していた漁民」が一人欠け、二人欠け、最後には「賛成が多数派」になってしまうという、そういう現象です。
-----------------------------------(以上引用)

と、述べて下さいました。

 レジスターNさんがここで述べられた事はすごく重要なことだとおもいます。大きな圧力に屈してしまいそうなときに、とても励みになります。ですが、レジスターNさんも主張されていますが、「民衆の自発的判断能力をくるわせる可能性を否定できないということ」に私達は注意を払う必要があると思います。

 そして、まつばらさんは議題に対し技術こそ人類を救うとし(以下引用)、

-----------------------------------------------
 私は、技術が人類を救えるかではなく、技術ですべてのものを救う必要があると考えます。
基本的に前向きの技術であれば究極的には人間を救う事につながっていくと確信しています。
-----------------------------------------------

加えて、次のように述べてくださいました。

-----------------------------------------------
 国の威信をかけて宇宙に飛出していく時代は終わったのです。まずやらなければならないのは威信をかけて環境を守り、産業を守り、人間生活に、また、すべての生ける者が公平に幸福を享受しうる環境を作る事が必要なのです。

 社会主義が崩壊し終焉を向えたのは哀しむべき事でもあります。ただし、自己の満足と国家の競走の末に崩壊した社会主義に正義はなかった、故に滅びたのです。資本主義が勝ったのではなく、社会主義が誤った方向に進んだ故の自滅的な最後なのです。ここらで、資本主義も自分の歩んできた道を振返る必要があるのではないでしょうか。自由競争の名のもとで、コスト優先の技術を推し進めた反省をする時期にさしかかっているのではないでしょうか。
-----------------------------------------------

『この議論は、生き残りと再生のための新しい科学技術の始まりを模索する物』です。
(はたくんさんの文より引用)

 現代までの科学技術が、最近になってエコロジーやその他多くの問題を抱えているのは「生き残り」の事を全く考えていなかったからであると言えると思います。しかし、ただそれだけなのでしょうか?

 私は今までの社会に、技術に、人間関係に、その他全て人間の生活に関係するものに、「愛」があったでしょうか?おそらく無かったのではないかと思います。案外、人類を救う手立てには技術よりも愛情だとか親切な心、そして正義感が役に立つかも知れません。世界が限りなく続くとき、はたして人々は精神的な面での「進化」を遂げることができるでしょうか。

 結論がでないままですが、今回はここまでとします。

次回は

--------------------(はたくんさんの文:提案)
1・今の人類はなんでこんな状況になったのかを分析する
2・そのためにはどういったことをしないといけないかテーマを考える

  という2つに整理されるのでは。

 この2つをちゃんとやる必要があるように思うのですが・・・
-----------------------------------------------

という点から論議をはじめたいと思います。

 もし次号でもこの記事を取り上げることが出来るならば、続く論議の展開を掲載したいと思います。しかし、編集の不手際によって今回の文章があまりにも大量なので放射性れんこんの誌面を占拠するような形になると、次回はチャラといことも考えられます。期待しないでお待ちください。

★ミ 胞子界 ★ミ

【おまけ】-------------------------(一部引用)
Subject: と、いうわけで
Bytes: 749 Date : 8:19pm 1/26/91 Author: ハタクン

 だれかさんの思うとおりに人間の価値観がコントロールされている、しかもそのだれかさんは今までアメリカをホームグラウンドにしてきた、けど、日本をホームグラウンドにしているだれかさんもいる・・・
 だ〜れかさんっとだ〜れかさんっが・・・おっとなんだなんだ(^_^;)
 だ〜れかさんがぁだ〜れかさんが〜だ〜れかさんが〜みぃつけた・・・・じゃなくて・・・
 おっといげなひ。真面目なおはなじじているのにこんなこどかいではだめだ・・・
はなずまり。
(上4行削除よろしく>編集者)
(あ、もちろん上の一行も)(この行もね)
-----------------------------------------------
編集者注解:面白いので掲載しました(^^;)

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スケルトンVF製作記

レジスターN

○パソコン時代の自作おたくの夢

 パソコンを自分で作る。これこそ、パソコン時代の自作おたくの夢であります。
 CP/Mマシンが主流だった時には、この夢にトライした人は大勢いました。しかし、16BITS,MS-DOSマシンの時代になって、もうこんなことにトライすること自体あまりにも意味のないことになってしまいました。メーカー製マシンのデッドコピーを作る位でしか、実現のしようのないほど、ソフトが複雑になってしまったからです。しかも、それを作ってみたところで高くてぶさいくなものができるだけという結果は目に見えています。

○メインボードとCPUボードがあれば話は変わる

 しかし、であります。メーカー製のパソコンのメインボードとCPUボードが目の前にあるとなると話は違ってきます。こうなると、後は電源とかFDDとかを手に入れてきて、配線と組立をやるだけですから、その気にさえなれば簡単にパソコンを作ってしまうことができるわけですからね。
 実は私、昨年の11月、ひょんなことからEPSONのPC286VFのメインボードとCPUボードを譲ってもらったのでありました。
 これらを手にした瞬間に、私の頭の中で手作りパソコンの構想が動き初めました。
それで、「家具調にでもするかなぁー」などともらしていたもんだから、目標が「家具調VF」ということになってしまいました。

○VFをもっていなければ、苦しかった

 私がもらったCPUボードには、なんとROMがのっていませんでした。普通だったら、これでもうお手上げです。しかし私の場合は家にも会社にもPC286VFがあるのであります。ROMは、そいつにつんであるやつを引っこ抜いてROM WRITERで秋葉で買ってきたROMにコピーすれば楽勝なのでありました。
 これって、EPSONの著作権の侵害になるのでしょうか。でも、EPSONのボードにEPSONのROMをコピーしたものを突っ込むわけで、EPSONのボードを一枚修理してあげているようなものですから、いいんじゃないでしょうか、と都合のいいように解釈しました。

 あと、拡張スロットのマザーボードというやつがありませんでした。これがなかったら、ハードディスクすら使うことができないのですから、なければ絶対に困ります。
 「馬鹿力で拡張ボードを突っ込んで、マザーボードを割ってしまう人がいないとも限らないから、EPSONも保守パーツとして売ってくれるだろう。」などと期待して、EPSONに電話したところ「EPSON OA サプライ」とかいう会社で扱っていると教えてくれました。
 早速そこに発注して、9000円で入手できました。

 電源は、秋葉で1500円でぴったりのやつをみつけて、それでいくことにしました。ちなみに秋葉で安い電源が豊富にあるのは湘南通商というジャンク屋さんです。

○いよいよ骨組つくり

 電気部品がそろったところで、いよいよ骨組つくりにかかることにしました。
パソコンの骨組というのは、なかなかやっかいでして、かなり頭をひねらされました。そして、私の頭の中の製図板では設計図がひききれないということがわかってしまい、
1、何時間もかけて、きちんと設計図を書く
2、いきあたりばったりで少しずつ考えながら作っていく
のどちらかの路線を選ばないといけなくなりました。
 いいものを作るには、1の路線を取る必要があるとは思いましたが、やはりここは安易な2の路線でいくことにしました。
 2の路線を取ると、後でいろいろと矛盾が噴出して泣かされることが必至、とわかっていたのですが、それはもう覚悟の上で行くことにしました。

 最初の材料集めの段階で、2mm以上の厚みのあるアルミ材が手に入らず、あのラックとかを作る時に使う鉄材を外枠の材料にしてしまうという、大幅な予定変更が入ってしまいました。ちゃんと秋葉まで買い物にいけば、こんなことにはならなかったのですが、正月休みの間に作ってしまいたいということもあり、安易に予定変更したわけです。しかし後で、さんざんこの選択に泣かされることになってしまいました。(鉄材を加工するのがアルミ材に比べてはるかにたいへんであること位、わかっていたのに・・・)

 普通の人は、大掃除とかに精を出している年の瀬に、私はギコギコギコギコ、ギコギコギコギコとひたすら、金鋸引きの虜になっていたわけです。それも、ちゃんとした作業台がないだけに、苦しい体制で材料を押さえ付けながら、体がやわらかい体質(むかしは女子体操選手みたいなことができたのだけど、さすがに最近は無理。)を利用して「後何本切るのか」などということは考えずに一心不乱で切ったのでした。
 切ったら今度は穴あけです。センタポンチをガツンとやって、ドリルでウィィィーンとやるのは電気ドリルの話。私も電気ドリルはもっているのですが、さすがに夜遅い時間になると、これを使う勇気はありません。そうなるとハンドドリルで、カリカリカリカリ、カリカリカリカリとなるわけです。
 2mmも3mmもあるような鉄材にハンドドリルで穴をあける作業は・・・、思い出しただけで汗が出てきそう。

○外枠ができたら内部の骨組みへ

 いよいよ内部のFDDとか、電源を取付けるための補助材料とかを取付ける段階に入ったのが、年明けの元日でした。私の元日は、朝起きた瞬間から工作で、そのまま夜中までやってました。この間カップラーメンを食べるために中断したのが一回あっただけでした。
 この集中的作業日のおかげで、作業はいっきに進み、(もちろん、ここでも悲しくなるような苦労の積み重ねがあったのですが、もうくどくなるから省略します。)夜中には、電源SWを入れられるところまで来たのでした。

○感動の動作確認

 電源 SWをおそるおそる入れて、ディスクがガチャとなってディスプレイに字が出てきたときには、やはり小躍りしたくなる気持ちでした。
 骨組みだけなので、スケルトンVFと呼ぶことにして、とりあえずここまでできたことに大満足して、後は自作おたくの常で、できたものを眺め回してニタニタするという行為をたっぷり堪能したのでありました。

 物を作ることの醍醐味は、この「作ったものがちゃんと機能した時の小躍りしたくなるほどの充実感」、「できたものを眺め回してニタニタする陶酔感」の2点に集約されていると言えるでしょう。
 しかし、私達がこれを味わうのは必ず一人でいる時ですから、それを第三者的に観察した人はまずいないでしょう。もし私の言っていることが、ものすごくわかる人がいたら、きっとあなたも「自作おたく」ですね。
 スケルトンVFの場合は、最初からいい加減路線をとったりしたし、そもそもメーカー製のボードを組み立てただけというところもあって、そのレベルにあった充実感と陶酔感しか得られないと言えば、まぁそうなるのですが、それでもいろいろ苦労した分だけは、やはりあるのですね。

○後から問題がゾロゾロ

 元日の夜からそのまま徹夜して始発に乗って新幹線と船で郷里に向かったわけでした。まぁ、この時は実に気分がよかったのですね。

 さて、帰省からも戻ってきて、いろいろとやってみようとサウンドボードを拡張スロットに突っ込んだ瞬間から地獄への扉をくぐってしまったのでした。
 サウンドボードを入れるとフロッピーからブートしてくれないのです。地獄からどう脱出できるかが技術者の腕のみせどころなんですが、仕事でやっているわけでもないし、ここはなんとか安易に脱出する方法はないかと思ってしまったわけですが、こういう場合はやはり安易な道はないのでした。結局、この原稿を書いている今も、まだひきずっているという問題になってしまうのでした。

 まず最初にFDDを疑いました。一台は純正の5インチ(れんこんネットホストに使っているVFからはずしてあるメカ)を使っているのですが、もう一台はNECの1137Cという3.5インチを使っています。「これが食い合わせなのではなかろうか」と思って、1137Cをはずして1ドライブにしてやると、あら不思議、ちゃんと動くではありませんか。
 この現象のせいで私は本質を見誤って、しばらくFDDの問題と思っていました。ターミネーターをいじったりとか、いろいろやったわけです。

 しかし、それにしてもサウンドボードを突っ込んだ時にだけ、FDDがリードエラーを起こすというのも変な話です。サウンドボードが特別なノイズでも出しているのか、だとしたらそれがどのルートでFDDに悪影響を及ぼすことになるのか、いろいろと考えました。

 サウンドボードが空中に飛ばすようなノイズ源なるとも思えませんから、どっかのラインを通して悪影響を及ぼしていると考えると、やはり電源を疑うということになります。
 それで、手持ちの別電源に変えたりしてみると、ぐっと症状が軽くなりました。これで、「やはり電源か」、「おそらく、スイッチング電源のスイッチングノイズが、サウンドボードを突っ込んで消費電流が大きくなったときに、大きく漏れだすようになり、それがFDDに悪さを与えているに違いない」と判断したのでした。しかし、「それにしても、HDDのIFボードとRAMボードを突っ込んでも影響がないのが説明できないなぁー」という不安がつきまとってはいたのでした。

 電源をさらに、2台買ってきて、いろいろと交換してみました。サウンドボードがない時にも不安定な動作があるという以前の現象は解消するものの、サウンドボードの壁はやはりくずせません。

 ここまでくると、後は推理だけではどうにもなりません。シンクロとかを引っ張り出してきて、徹底的にロジカルな解析を行なわないともうだめです。
 というわけで、観念してサウンドボードなしで今は使っています。

 そういわけで、サウンドボード突っ込んでスケルトンでゲームをやるという目標は未だに達成できてないのでした。

 スケルトンから家具調にグレードアップする時までに、なんとか解決策を見つけたいとは思っています。このままスケルトンVFで終わってしまうのではという不安の声がありますが、今のスケルトンを見て「やはり醜い」と思う毎日ですから、いつかちゃんとやるでしょう。

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岡山県人国記

TAC

 岡山という風土は、どうも芸能人を生みにくいものらしい。以前から何かにつけて調べてきたのであるが、とにかく岡山県出身の有名人の少なさに驚く。「県民十万人当たりの有名人数」なる指数があるなら、おそらくワースト10に入るのは確実であろう。(もっとも、だからこそこういう文章が書けるのであるが。)
 と言うわけで、私が知り得る限りの岡山出身の有名人(中には、昔の有名人も含まれているが)のリストをお送りしたい。テレビなどで見掛けたときに、思い出して頂ければ幸いである。

桃太郎

 桃太郎の起源(?)には、岡山説と犬山(愛知県)説があるが、どちらかというと「鬼が島」らしいものもあり、岡山説が優勢である。
 また、遠い昔に岡山には、大和朝廷と対立する勢力があって、それを平定した話が民話化したものが桃太郎である、という説もある。

宮本武蔵

 「作州浪人 宮本武蔵」というが、この「作州」というのは「美作国」(みまさかのくに)のことで、現在の岡山県北部にあたる。
 が、武蔵自身は故郷にそれ程未練はなかったらしく、岡山の中で何かをした、という話はほとんど残っていない。

片山潜

 日本でも先進的な社会民主主義者。1901年に「社会民主党」を結成するも、即日禁止される。その後、日本での路線争いからアメリカに渡り、アメリカ共産党の結党に参加する。1933年に死去したが、その葬式はソ連で行なわれ、スターリン自らが棺をかついだ。現在もその墓はモスクワにある。
  注: 第一時世界大戦のあたりまで、共産主義者は自らを「社会民主主義」と
     名乗ることがあった。片山潜の場合も同様である。

犬養毅

 岡山から初めて出た内閣総理大臣。五・一五事件のときに海軍将校により射殺される。その時の「話せば分かる」は有名な言葉。
 しかしながら、犬養は政友会(=三井財閥)に属していたのだが、三井財閥は金融資本を中心とした財閥で、とにかく景気が良くないとやっていけなかった。つまり、次のような図式が成り立つ。

 景気が悪い>海外に物を売る>外国は簡単には輸入をしない>無理にでも買わ
せる>武力で言うことを聞かせる>軍隊を強くする>それで脅して商売する

 つまり結局、自分たちが強くした軍隊に殺された、とも言える。ちなみに、これに対する民政党=三菱財閥は、海運資本を中心としたが、海運はとにかく平和(正確にいえば、戦争のない状態)でないとやっていけないので、その政策も「協調的」だった。例えば、若槻礼次郎、浜口雄幸、幣原喜重郎などが、民政党の主要メンバーである。(但し、ここでの「侵略的」「協調的」については、あくまで相対的な意味であることを断わっておく。)

岸信介

 正確には山口出身なのだが、一時期岡山に住んでいたことがあって、岡山とも縁が深い。
 この人の有名な言葉に「声なき声」と言うのがある。60年安保の当時、安保反対のデモに対して、あれは声ある声であって、この日本には私を支持する「声なき声」がある。私はそれに耳を傾けたい、とかいう意味だったように思う。(今でもよく使われる論理である。)  ちなみに、この「昭和の妖怪」は私の高校のOB(正確には中途転出なのだが)であり、総理大臣になった記念に一筆書いた額が学校に飾ってあったが、その文句が「不左不右」(ひだりせずみぎせず)であったのには驚いた。

土光敏夫

 元々は、東芝あたりの出身であるが、のちに「財界の親分」となる。また、かの悪名高き「臨調」の親玉で、「おかずのメザシ」でも全国的に有名になった。民間活力とか言って、本来国が行っていた事業をどんどん民間に払い下げるようにした。そのことの政治的・経済的当否についてはいろいろと論議があるが、その払い下げ先が、他ならぬ財界であることには間違いはないであろう。

江田五月

 社民連委員長。衆議院議員。東大在学中に学生自治会委員長となり、国会突入などを指導するも、逮捕後に転向し、トップの成績で卒業。司法試験にも合格し、裁判官となる。在官中は、「いずれは最高裁判所長官にもなれる」と言われていたが、父江田三郎の急死により政界入りする。現在でも、岡山一区ではトップ当選を重ねている。
 最近、東京都知事選への出馬がうわさされたり、今年の夏にも新党の結成をすると発表したりして、何かと身辺が騒がしい。また、「朝まで生テレビ」にはほぼ毎回呼ばれているが、あの舛添要一と出演回数を争っている(らしい)。

奥平剛士

 日本赤軍で、テルアビブ空港機関銃乱射事件で射殺された。

奥平純三

 剛士の弟で、兄と同じく京大に入り、兄と同じく赤軍派に入った。現在もアラブのどこかで重信房子らと活躍しているはずである。

橋本竜太郎

 大蔵大臣。衆議院議員。オバタリアンに人気があり、また去年にはベストドレッサーにも選ばれた。
 この前の選挙では、弟(名前からして、そうだと思う)でNHKアナウンサーの大二郎(多分「だいじろう」と読むのだろうが、わざと「おーじろう」と読む)が有給休暇をとってまでも応援演説に駆けつけ、その「兄弟愛」は全国に知れ渡った。ちなみに、そのおーじろうも、次の衆議院選挙に出馬するという噂もある。(兄が岡山二区なので、岡山一区からの出馬となろう。)(こんなのを当選させたら、岡山一区は全国の笑い物になるだろう。)
 戦後はまだ岡山から内閣総理大臣が出ていないので、ここらで一発、となるかどうか、今後に注目したい。

長門勇

 「おえりゃーせんのう」(どうしようもないなあ)という岡山弁で売り出した俳優。現在も、舞台やTVドラマで活躍している。

押坂忍

 司会者。かつて(もう10年以上前であるが)は「ベルトクイズQ&Q」「特ダネ登場?」という高視聴率番組の司会をしていたが、現在では全国NETのTVでは姿を見掛けなくなった。が、コンサートやディナーショーなどの司会や、地方C Mで活躍している、とのことである。

木原美智子

 遠い昔(私が生まれたころ)、水泳(平泳ぎ)で、高校生ながら素晴らしい記録を出した。その後はTVタレントとして、レポーター、クイズ解答者などとして活躍、またオリンピックなど、水泳の国際大会での「解説」という、考えてみればとてつもなく難しいことをこなす貴重な存在である。

注:  野球などの球技においては、試合に「動き」があるので、もっともらしいことを言うネタがたくさんあるのだが、陸上や水泳など「記録との闘い」系の競技、特に長距離の種目においては、競技が終わらないうちに話すネタが尽きてしまう。  その最たるものが「マラソン」である。20kmを過ぎたあたりでトップ集団が固定すると、このTV中継がいきなり「**地方観光案内」になることがしばしばである。

志穂見悦子

 元女優。現在は長渕剛夫人。もともと、千葉真一のジャパンアクションクラブに属していて、「女カラテ」で売り出したが、そのTVデビューが「キカイダー01」であること、実はそのころレコードも出していたことは、地元でも知る人ぞ知る事実である。

大橋えり子

 元アイドル。(誰も知らないって(笑))かつては「鶴光のオールナイトニッポン」(これも誰も知らないか……)でアシスタントをしていたこともあり、今で言う「バラドル」の走りをやっていた。生まれるのが10年ほど早かったともいえる。

岸田智史(さとし)

 ニューミュージック歌手。だが、「君の朝」の一発で終わる。しかし、この「一発」が時流に乗り、かの「3年B組金八先生1」と「2」の間の穴埋め番組「1年B組新八先生」で、新八先生に起用される。(確か、国語の先生だったような。)(しかし、この番組で宮崎美子が国語の先生をしていたのである。)
 現在も、歌手として細々ながらも活躍しているが、昔話の中で、しばしば「堀江淳」と混同されることがあり、悲しい限りである。

 参考:いわゆる金八シリーズの系譜
 3年B組金八先生(武田鉄矢)(79/10-80/3)
 1年B組新八先生(岸田智史)(80/3-80/9)
 3年B組金八先生2(武田鉄矢)(80/9-81/3)
 2年B組仙八先生(さとう宗幸)(81/4-82/3)
 ?年?組貫八先生(川谷拓三)(82/4-82/9?)
 3年B組金八先生3(武田鉄矢)(89/10-89/12)

あいあい

 岡山出身の双子グループの名前。かの「リリーズ」と同時期に活躍したが、全く売れずに消えて行った。

ブルーハーツのボーカル

 名前は忘れた。(興味が無いもので。)だが、岡山出身の歌手の中では、現在一番稼いでいるのではないか。

星野仙一

 元巨人キラー。現在、中日球団監督。中日での活躍のため、名古屋出身と誤解されることがしばしばある。もっとも、現在地元との結びつきはほとんどなく、岡山でも彼が岡山出身であることを知っている人は少なくなっている。

森末慎二

 ロス五輪の体操で金メダルを取った。が、実はこのロス五輪が「引退大会」であったという事実は、以外と知られていない。引退後は、TVタレントとなったが、近年バラエティ番組で人気が出てきた。もっとも最近は「オリンピックで金メダルを取った」こと自体を知らない子供も増えていているが……。

小田晋

 筑波大学教授。社会心理学では、日本でも有数の学者。かの「逆噴射機長」の精神鑑定をし、世間にも名が売れた。
 が、先の敗戦の時の玉音放送を聞き、小学生6年生にして「これで戦争は終わった、万歳!」と言った小田某という少年がいた、という噂が岡山にはある。また、「朝まで生テレビ」に何度か出演したときの喋り方を見て、ご本人自身の鑑定が必要ではないのか、と思うのは私だけであろうか。

室井力

 名古屋大学教授。日本の行政法の分野においてはナンバーワンの理論を持つが、出身が東大ではないため、いろいろと苦渋をなめた(らしい)。

(おまけ)岡山の有名企業林原生物科学研究所

 名前のとおりの研究所である。一時期「インターフェロン」などで脚光を浴びたが、その後は地道な研究をしているらしく、何をやっているのか地元民も分からない。

テイカ

 本当は小さな地元企業なのだが、普通の産業廃棄物処理場に低レベル放射性廃棄物を捨てていた、というトンでもないヒンシュクをし、全国的に有名となった。

クラボウ

 遠い昔は「倉敷紡績」と言う名前で、映画の「ああ野麦峠」のようなことをやっていた。その工場の建物を利用したのが、かの「倉敷アイビースクエアー」であることは、観光気分で同地を訪れるアーパーギャルは、誰一人として知らないことであろう。
 ちょっと前までは、バレーボールが強かったのだが、今は昔の物語である。

トマト銀行

 以前は「山陽相互銀行」という、普通の田舎の銀行であったが、普通銀行に転換する際に、「トマト銀行」なる、ほとんどイメージだけのネーミングを行った。
 それが大いに当たり、TVのニュースには取り上げられるわ、東京に支店を出すわ、県内の支店数も増えるわ、預金量も増えるわ、いいこと尽くめであった。
 が、イメージというものは実体がないだけに、消えるのも速い。世間の記憶から消えないうちに、次の手を打たないと、将来「イメージだけに頼った、悪いネーミングの見本」の一つになりそうな気もする。

文責:TAC

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放射線でぇたぁお料理教室

はたくん

 創刊号では、モデム付きガイガーカウンター「れんこん」が検出する放射能とはこんなものだ、という説明をしました。
 それでは、まだ「れんこん」の出荷が波に乗ってない(^_^;)ということで、また同じようなデータなのですが、今回はぐわんばって手書きでグラフを描いてみました。

 またまた前回同様、三重の山の中に住むzippさんのデータです。
「×−×−×」線は11月のデータ、「○----○----○」線は1月のデータです。
 見てみると、11月のデータは「12」が平均的なのに対して、1月のデータは「12」から「11」をふらふらしています。全季節のデータを見てみないと何とも言えませんが、寒いと検出数が下がるのでしょうか。(んなわけないでしょ!)
 見方によれば、だんだん検出率が下がっている、とも取れますねぇ(^_^;)
 さて次は、「れんこんvsR−DAN」です。zippさんが特別に報告してくれました(^_^)。
 これは、11月26日22:00〜22:59の1分間の検出数を、れんこんのガイガーカウンター「はす」と、その数倍の大きさのかの有名なR−DANの両方で出してみたものです。
 なんかあまりグラフにした意味が無かったみたいですね(^_^;)
両方とも自然放射線ですから、乱数的に検出するのです。

 最後に、今回、おかしな現象が起こりました。れんこんネット事務局に置いておいた「れんこん」がどんどん検出できなくなっていってしまったのです。

[ここに画像のデータ]

 見てわかるとおり、なにやら11月10日あたりからどんどん検出出来なくなって行きます。とうとう12月5日には、1日に1回も検出できなくなってしまいました。これは原因がさっぱり判らないので、これから分解して調べる予定です。

 次回の放射性れんこんには、もっと充実したデータの掲載ができるように出荷がんばりますっ。これまで、無計画でプロジェクトを進めて来たので、「これではいけない」ということになり、12月下旬に今後の計画を決めました。

 ネットの方は、1月13日に、ホストプログラムを多回線に対応している「mmm」というものに変更しました。そして2月2日から、れんこんネットは3回線ネットとなりました。更に、3月1日よりTri−Pと接続することにより、全国から手軽にアクセス出来るようになります。
 「れんこん」の方は、2月中旬、放射性れんこんを発行してから1カ月動作確認をして、3月中旬から第1ロットを出荷します。

 つまり、4月中旬になれば今まで注文されていた方の手元に「れんこん」が届くことになる・予定です(^_^;)待ってて下さいね。

 それでは、次号は充実したページになることを祈って・・・

文責:はたくん

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れんこんネット 季刊 放射性れんこん